綾瀬市の交通事情
綾瀬市は神奈川県のほぼ真ん中に位置していますが、鉄道・道路の交通事情は必ずしも充実しているとは言い難い地域です。
私が知っている限り道路面は最大片側2車線の県道42号線がメインルート。慢性的な渋滞が発生しているはずです。利便性が増すということは交通量が増すということなので、道路整備にも追われることになるということです。
鉄道はないけどバスは充実
こちらは綾瀬市の全体を表した地図ですが、ご覧の通り鉄道の駅が一つもないのです。『鉄道のない街・綾瀬市』という皮肉たっぷりのスローガンを見た覚えがあります。
新幹線はもちろん通過、東名高速も2020年7月現在は通過で、あえて挙げるとしたら冒頭で述べた『東名綾瀬バス停』が遠距離方面から唯一、綾瀬市内を直接流出入できる場所だったのです。
田園都市線の綾瀬市方面への延伸計画の噂は聞いたことがありますが、願望レベルに留めておいた方がよさそうです。バスやタクシーを含めたクルマでの移動が前提な地域なのです。
綾瀬市内のバス路線図
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資料出典:綾瀬市
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1系統あたりの本数はわかりませんが、綾瀬市内をほぼ網羅しています。確かに綾瀬市内に鉄道の駅はありませんが、視野を広げてみると意外と多くの駅に接続していることがわかります。
市が運営するコミュニティバスを含めれば路線バスは3社、高速バスを含めれば4社のバス事業者が乗り入れています。そして来年の『綾瀬スマートIC』の開通…意外と各方面への交通手段は(所要時間以外は)充実しているのかもしれません。
新幹線の駅でもできれば言うことなしだと思いますが…気になって調べてみたらちゃっかり東海道新幹線の新駅誘致を行っていました(笑)
出典:綾瀬市 YouTube
しかし東海道新幹線の新駅誘致場所は綾瀬市内ではなく、もう少し小田原寄りの『倉見(JR相模線)』付近を想定されているそうです。これは相鉄線の延伸計画とも重なります。
MaaS実証エリア構築の可能性
なんとなく将来、綾瀬市を含む近辺エリアが大きく変わりそうな予感がしています。そうなると『MaaS』の可能性も挙げておきたいと思います。
注目度が上がり人が集まるようになればおそらく道路拡張の課題などが浮き彫りになるでしょう。すると「マイカーでの移動はできるだけお控えください」とアナウンスされる可能性も十分にあり得ます。
そこで『MaaS』によるバス・タクシー・鉄道・新幹線・カーシェア・ライドシェアなどを一括予約、決済が行えるようにすれば移動がよりスムーズに行えるようになる仕組みの構築を提案しておきます。
むしろバスやタクシーが移動の中心なので早急に『MaaS』に取り組むべきだと言えます。そうすれば『海老名』『大和』に停車する小田急ロマンスカー、『倉見』に新駅ができる(と仮定する)東海道新幹線。さらに相鉄線は東急線と直通するなど綾瀬市発展の可能性は十分にあります。
これらの有料特急・座席指定列車を他の交通手段と一括して予約、決済が行えるようになればさらに魅力的な街になるでしょう。これを機に、相鉄線にも座席指定列車が企画検討されたら面白いですね。
まとめ
東名高速の新IC開通情報から綾瀬市の交通事情を覗き『MaaS』実証の可能性と必要性まで…視野を広げて街づくりにおける『交通』に目を向けて私なりにまとめてみました。こうして見てみると、鉄道のない街・綾瀬市はちょっと化けるかもしれませんね。