実際に試乗をしてみて
駐車場から幹線道路への段差を超える時からショックの収まりの良さを感じますが、足回りのダンパーとコイルスプリングは専用チューニングだそうです。
運転席からボンネットの両端が見えますので車両感覚が掴みやすいです。
最初は左車線で軽くアクセルを踏み込むと十分に加速。これはCB18エンジンの最も優れた点だと感じたのですが、1600回転から最大トルクを発揮してくれるので普通に街中を走らせる分にはなんら不満はありません。おそらく実燃費も悪くないでしょう。
車線変更をしてみます。ステアリングを切るとスッとクルマが進路変更をしてくれます。操舵応答性が高くステアリング操作の遅れを感じさせません。
弟が運転している時は「思ったよりも早くクルマが反応してビックリした」と言っていました。
ちょっと荒れた道を案内してもらい40~50㎞/hで巡行。デコボコした路面を通過しても変な振動が残りません。これは路面からの入力を綺麗に抑えていなしてくれている…ということでしょう。
視界性能も良好なので気持ちに余裕をもって運転ができます。
膨らませることを覚悟で左折をしてみると、膨らむどころか「このラインで曲がってほしいな」というラインを見事にトレースしてくれました。安全確認を行いながらも後続車に気にすることなくスムーズに交差点を通過できます。
重心が高いSUVタイプなのにフォレスターSPORTは乗り心地がよくかつどっしりと安定してるSUVです。
平坦な道を50~60㎞/hで巡行。タコメーターは1500回転以下をキープ。低い回転域で走行するので静粛性は非常に高く、こうなるとロードノイズが気になるのですがよく抑えられていると思います。タイヤも優秀なのでしょう。私にとっては心地いい時間でした。
よーく耳を澄ませてみると『ドコドコドコドコ…』という音が聴こえてきます。これはエキゾーストマニホールドが不等長であるために起こる排気干渉の音です。スバルとしては排気干渉による効率のネガは解消しているそうですが、まぁこの音に喜ぶ人は多いと思います(笑)
実は私が一番好印象に残ったのがブレーキでした。国産車では大雑把に言うと、ちょっと遊びを持たせてそこそこ踏み込んでブレーキが効いてくる…という傾向があるのですが、このフォレスターSPORTはブレーキの踏み込みから制動がかかるまでの間隔が狭く、踏み込んだ分だけ効いてくれます。
逆に言えば、それまでに乗っていたクルマと比較すると最初はカックンブレーキになってしまうかもしれませんが、慣れてしまえば間違いなく運転はしやすくなります。
尖った要素は薄いかもしれませんが、誰にでも扱いやすくスムーズな運転が楽しめるSUVです。
アクセルを軽く踏み込む上ではとても素直に反応してスムーズに加速をしてくれますが、気になったのはちょっと深く踏み込んでの反応は若干のラグを感じます。これはエンジン性能というよりもリニアトロニックCVTの構造的な特徴だと思います。
しかしそれはSIドライブがIモードでの話。Sモードに切り替えればダイレクトかつ俊敏に反応・加速してくれます。Sモードでの巡行中は2000回転をキープして走ってくれますので、ワイディングや高速での中間加速を楽しみたい時はSモードをお勧めします。
ボディ剛性、足回りの優秀さからもSモードこそがフォレスターの本領発揮だと思いますが、基本はIモードで十分だとも思います。
1台で2キャラクター分の楽しみが誰にでも実感できるわかりやすさを持っているのがこのフォレスターSPORTの特徴とも言えます。
助手席に座った感想は、クルマに酔いやすい方にとっても快適な時間を過ごせるだろうなと感じました。視界も良くアイポイントが高めなのもありますが、加減速が滑らかで振動が丁寧に抑えられているのが要因としては大きいと思いますね。
次のページでは内装デザインを見てみます。