いつもご覧くださり、ありがとうございます。溝口将太(みぞしょー)です。
2026年4月9日(木)
スバル『トレイルシーカー』が国内正式発表・受注を開始しました。
ジャパンモビリティショー2025にて筆者撮影
国内で初公開されたのは昨年の「ジャパンモビリティショー」。プロトタイプとしての公開でしたが、記憶に新しい方も多いかと思います。
すでにスバルディーラーでは試乗車が先行導入されており、試乗したという声がネット上にアップされています。
私は4月10日に私用で東京スバル恵比寿店に訪れていたので、ついでに試乗させていただきました。
東京の街中を短時間…短距離での試乗ですが、スバル『トレイルシーカー』の試乗記をメインにまとめたいと思います。
試乗日時
2026年4月10日(金)
天候:雨(風強め)
17時45分~
試乗エリア
東京・恵比寿周辺
筆者撮影機材
iPhone14 Pro Max
撮影には安全を最優先しております
更新履歴
2026年4月12日:当ブログ記事公開
結論から言ってしまうと、これは「スポーツカー要素も取り込んだBEV版アウトバック」と言ってもいいと思います。
さらにトレイルシーカーの開発責任者がBRZ(ZD8)も務めた井上 正彦氏ということで、走りにも磨きがかかっていたのがわかりました。
試乗したスバル『トレイルシーカー』のグレード・スペック
先ずは試乗させていただいた『トレイルシーカー』のグレードとスペックを記載しておきましょう。
「SUBARU STAR SQUARE」展示車
筆者撮影
| トレイルシーカー(東京スバル恵比寿店 試乗車) | |
| グレード | ET-HS(AWDのみ設定) |
| ボディカラー | ブリリアントブロンズ・メタリック |
| ボディサイズ(mm) | 全長4845×全幅1860×全高1675 |
| ホイールベース(mm) | 2850(ソルテラと同数値) |
| フロントオーバーハング(mm) | 915(ソルテラと同数値) |
| 最低地上高(mm) | 210 |
| 最小回転半径(m) | 5.6 |
| 車両重量(kg) | 2050(メーカーオプション非装着車は2020) |
| 乗車定員(名) | 5 |
アウトバック(BT型)と比較すると、全長−25mm、全幅−15mm、全高±0mm(グレードによっては+5mm)、ホイールベース+105mmです。
これはアウトバックより少し小さいのに、車内(リア・ラゲッジスペース)は広いことを表しています。
さらにフロントオーバーハングが短い(アウトバック1020mm|レイバック1015mm)ので、最小回転半径こそトレイルシーカーの方が数値は上ですが、実際の小回り(切り返しやすさ)はトレイルシーカーが上回る可能性があります。
BEVの特徴を活かしたパッケージだと思います。
なお、試乗車はメーカーオプション「235/50R20タイヤ&20インチアルミホイール」「パノラマムーンルーフ」装着車で、タイヤはダンロップ「SP SPORT MAXX 060」でした。
筆者撮影
| モータースペック | ||
| フロントモーター | 型式・種類 | 2XM・交流同期電動機 |
| 定格出力[kW] | 64 | |
| 最高出力[kW(PS)] | 167(227) | |
| 最大トルク[N・m(kgf・m)] | 268(27.3) | |
| リアモーター | 型式・種類 | 2XM・交流同期電動機 |
| 定格出力[kW] | 64 | |
| 最高出力[kW(PS)] | 167(227) | |
| 最大トルク[N・m(kgf・m)] | 268(27.3) | |
| システム最大出力[kW(PS)] | 280(約380PS) | |
前後で同じモーター・スペックを搭載しています。
システム最大出力は280kW(約380PS)なので、WRX S4やレヴォーグを大きく上回ります。
ソルテラと同様のモータールームには「eアクスル」や補機バッテリー、LLCなどが詰め込まれています。「フランク」はありません。
| 駆動用バッテリースペック | |
| 種類 | リチウムイオン電池 |
| 総電圧[V] | 391 |
| 容量[kWh] | 74.7 |
| 一充電走行距離(Km) | 627(20インチアルミホール装着車) |
一充電による航続距離は627Kmを確保(18インチアルミホール装着車は690Km)。実は「ソルテラ」よりもほんの少しだけ伸びています。
地味にすげぇな…と思いました。
これはワゴンボディとなっているリア側の空力を可能な限り煮詰めた結果と言えるでしょう。
【試乗記】これは間違いなく“スバル味” 短距離・短時間ながらもBRZのことを思い出させてくれる走り
元BRZ乗り・現レイバックの乗りでもある私がほんの少しですが『トレイルシーカー』に試乗させていただきました。
筆者撮影
低重心・高剛性ボディ・高スペックモーターによる走りは、レイバックよりも車体が小さく感じるほど
「SUBARU STAR SQUARE」展示車
筆者撮影
試乗車に乗り込みシートを一番低い位置にセット。電源をオンにしてステアリングを握ります。
ソルテラにも採用さているこの特徴的な楕円形の本革巻ステアリングですが、思った以上に握りやすいです。質感もいいですね。
レイバックと比較すると結果的に小径ステアリングになっているので、ハンドリングがよりスポーティです。気分上がります(笑)
オルガンペダル式のアクセルを軽く踏む(アクセル開度5%未満?)と、スムーズに発進。モーターは即最大トルクを発揮するという特性がありますが、ほんの少し軽く踏む程度ではとんでも加速にはならないようです。扱いやすいです。
ところがちょっと意識して踏み込んでみると、とんでも加速が顔を出します。「こりゃ東京恵比寿近辺・金曜日・18時前後の交通量でやっていいスペックじゃねーな」と自制心を働かせることに(笑)
まぁ速い。ドライブモードセレクトが3モード(エコ・ノーマル・スポーツ)あるようですが、今回は常時ノーマルで走行。交通量や信号が多い大都市ではエコモードで十分かもしれません。
そして静か。周囲の環境音もロードノイズもよく抑えられていると思います。エンジン音が無い中でのこの静粛性は素晴らしいと思います。
一番楽しみにしていた走りについて…20インチアルミホイールによる多少の突き上げ感はあるものの、リチウムイオンバッテリーを床下に搭載していることによる低重心・高剛性ボディによるしっかり感は誰にでも伝わると思います。
ボディが全然ブレねーの(笑)
雨こそ小康状態でしたが風がそれなりに強いことを忘れてましたね。
レイバックは足回りをスムーズに動かしてスポーツと快適性を丁寧にバランスさせた乗り心地だと思っていますが、トレイルシーカーはSUVながらスポーツカーのようなガッチリ系。東京の街中程度じゃビクともしませんね。
試乗後は「レイバックってフワフワしてるな」と感じてしまいましたwww
サイドミラーの三角窓の視界が気になります(後述)が、フロントオーバーハングがレイバックより短いので、人や交通量が多い恵比寿近辺でも安心して走れました。
レイバックより車体が小さく感じましたね。自惚れかもしれませんがレイバック乗りの私は5分でトレイルシーカーに慣れました(笑)
これはスバルが掲げる「安心と愉しさ」を次のステージに押し上げていますね。BEVでもちゃんとスバル車です。
一番感動したのはUターンをした時の挙動 BRZを思い出す
私が一番素晴らしいと感じたのはUターンの挙動でした。
とある場所でUターンをしましたが、明らかにレイバックよりもスムーズでロール感も少なくタイヤの接地感も上回っていました。
基本的にはフロント60:リア40という動力配分をイメージしているそうです。これは予想できていました(ホントはVTD-AWDのような配分を期待していましたが…)。
一般的な乗用車からの乗り換えでも大きな違和感を感じさせず、より安定性を重視していると考えていたからです。
そしてこれは私の想像ですが、「曲がる」に関してもリアモーターが積極的にいい仕事をするのでしょう。おそらく左右のコントロール(回転差?)もこれまで以上に緻密にコントロールをしていると予想します。
この時にBRZに乗っていた頃を思い出しました。素直にトレイルシーカーが欲しくなった瞬間でした(笑)
こうなってくると「トレイルシーカーを長時間…ワインディングを元気よく走らせてみたいなぁ」と思うわけです。
「軽さは正義」なんていつも思っている私ですが、もしかしたら2トンのBEVがモーターのパワーとコントロールにより、峠道も愉しく走れてしまうのではないか…とワクワクしてしまいました。
実際にそんなことしたら、航続可能距離がどんどん落ちていくでしょうけどね。。
【参考】気になるところがないわけではない
ベタ褒め連発の『トレイルシーカー』ですが、気にならないところがないと言えばウソになります。
まぁ“重箱の隅を楊枝でほじくる”ようなものですが、感じたままに記してみます。
運転支援システムは「アイサイト」ではない
おそらく多くの方が気になってしまうポイントだと思いますが、お察しの通りトレイルシーカーにはアイサイトは搭載されていません。当然アイサイトXも非搭載です。
カタログに明記されている運転支援システムは「SUBARU Safety Sense」。つまり「Toyota Safety Sense」です。
今でこそ運転支援システムの優劣はそれほど差がないとされていますが、私が聞いたところによると考え方にはまだ差があるようで、具体的にはトヨタの運転支援システムは運転中のドライバーに認知させる傾向が強いとされています。
例えばアイサイトの場合、特に自動車専用道路で活用できるアイサイトXは、ブレーキの使い方がヘタなドライバーより上手だと思えるほど丁寧な減速加減でした。
これを同じ条件でToyota Safety Senseが行うと、オーバーに言えば急ブレーキに近い挙動でドライバーに危険を知らせるような制御を行っているそうです。
どちらが優れているではなく、好みとも言えるメーカーの考え方とも言えるのですが、アイサイト(アイサイトX)の魅力に憑りつかれた私にとっては気になってしまうポイントでした。
リアシートが4:2:4分割可倒式ではない
「SUBARU STAR SQUARE」展示車
筆者撮影
トレイルシーカーのリアシートはリクライニングこそ可能ですが6:4の分割可倒式。
いつもいつも言っていますが、リアシートは4:2:4の分割可倒式にした方が絶対的な利便性は向上するはずです。
まぁアウトバックが6:4の分割可倒式で、欧州では「E-アウトバック」という実質アウトバックのBEV版としての立ち位置なので致し方ないのかもしれませんね。
ちなみに2026年4月現在のスバル車ではレヴォーグとレイバックのみが4:2:4の分割可倒式リアシートです。
スバル車としては若干視界性能が犠牲になっている
「SUBARU STAR SQUARE」展示車
筆者撮影
一番気になったところかもしれません。
シートを一番下に下げた状態で試乗しましたが、ダッシュボードの位置が高いのかメーターがフロントガラスに少し被っています。
ナビディスプレイも横長に大きくていいのですが、運転する時は無意識に視界に入り込んで少々気になったのも事実です。
さらに気になったのはサイドミラーの三角窓ですね。
スバルは三角窓を効果的に活用することで、0次安全の重要性を説いています。
ところがトレイルシーカーの三角窓はちょっと狭いんですよね。もう少し工夫できなかったものかと首を傾げてしまいました。
まぁ何か理由があるのかもしれませんが…。
まとめ
結び
いかがでしたでしょうか。
短時間・短距離での試乗なので、お伝え出来たのは第一印象レベルのなのは承知していますが、「このSUVで峠道を走ってみたい」と感じさせてくれたのはある意味レイバック以上だと正直に記します。
最低地上高210mmのクロスオーバーSUVがBRZに乗っていた頃を思い出させてくれた…この余韻はしばらく残りそうです。
トヨタとの共同開発ながら生産はスバル側の群馬製作所 矢島工場で行われるということで、“スバル生まれのBEV”と堂々と名乗れるクルマだと思います。
水平対向エンジンではなく100%バッテリー駆動の『トレイルシーカー』。まさにアウトバック版BEVとも言える立ち位置(いや…さらにスポーツカー要素も)。
その走りは紛れもなくスバル車の伝統を受け継ぎ大幅に昇華させたモデルだと断言しておきます。
きっとスバルはBEVでもスポーツしたいはずです。「レガシィ ツーリングワゴン」の後継車みたいな、なんなら「Performance-E STI concept」の市販車版も楽しみに待っています。
……2024年8月だったらトレイルシーカーを買ってたな(笑)
参考出典リンク集
CEV補助金対象車一覧表(2026年4月1日~):https://www.cev-pc.or.jp/hojo/pdf/R7ho/R7ho_meigaragotojougen_3.pdf
スバル トレイルシーカー:https://www.subaru.jp/trailseeker/
スバル ソルテラ:https://www.subaru.jp/solterra/
株式会社e-Mobility Power(該当記事):https://www.e-mobipower.co.jp/news/6207/
TEPCO(自宅充電コンセント):https://evdays.tepco.co.jp/entry/2021/11/24/000024


