いつもご覧くださり、ありがとうございます。溝口将太(みぞしょー)です。
突然ですが、今クルマ好きの間でちょっと話題というか風向きが変わってきているカテゴリーがありまして…。
それはBEV(100%バッテリーEV)です。
昨今の国際情勢の影響で原油価格が高騰し、生活に大打撃を受けている方も多いのではないでしょうか。
私の住まいの近隣のガソリンスタンドでも、つい最近までは145円/Lだったのが180円/L台にまで値上がり、心のどこかで「しばらく遠出は控えるかな…」とちょっとネガティブな印象を抱いてしまいました。
3月20日の夜間帯に見たら155円/Lまで下がっていましたが…。
そんな中少し前にスバル『ソルテラ』(トヨタ「bZ4X」)のビッグマイナーチェンジや、2026年3月現在ではスバル「トレイルシーカー」(トヨタ「bZ4X Touring」)がめちゃくちゃいいらしいと話題に。
これを機にBEVの所有を検討する方もいるでしょう。
私は戸建に住んでいるので最近はBEVにより興味関心を抱くようになっていますが、偶然にもアドバイスを求められる仕事で「タクシー業界にBEVは向いていますか?」と聞かれたので、今回は私なりにBEV所有にユーザーとマイナーチェンジ後のソルテラのご紹介も交えながらまとめてみたいと思います。
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更新履歴
2026年3月20日:当ブログ記事公開
タクシー事業者におけるBEVの向き不向き
さて、最初はどこにも書いていないであろう「タクシー業界にBEVは向ているの?」からまとめてみましょう。
結論から言えば、
向ている事業者もあれば全く向いていない事業者もある
です。
多数の充電設備を用意できる事業者 特に地方のタクシー事業者は向いている
タクシーは大都市と地方でその運用方法が異なるのですが、東京などの大都市で何十台(あるいは100台以上)も保有する事業者は基本的にはBEVは向きません。
充実した急速充電設備の実現が難しいからです。
急速充電器を多数設置しようとすると、車庫の大規模改修は避けられません。駐車スペースも犠牲になります。電気代も跳ね上がるでしょう。
さらに東京特別区(23区・武蔵野市・三鷹市)の事業者はタクシー車両1台につき2人(理想は3人)でほぼ毎日稼働させることを目指しているのですが、このペースに充電が追い付きません。
1日300キロ以上走ることも珍しくない東京のタクシーですが、途中で充電を必要とすることもあるでしょう。その場しのぎの急速充電でも30分は要するのでドライバーからは不満が爆発します。
LPガスの充填は2分程度です。
よって、少なくとも東京特別区における法人タクシーはBEVの導入は不向きと言えます。
しかし今流行り(?)の配車アプリ専用車としてBEVを少数導入するのはアリだと思っています。
出典:トヨタ自動車
とりあえずLPガスで走るトヨタ「ジャパンタクシー」はしばらく無くならないでしょう(笑)
逆に地方のタクシー事業者はそのような稼働はほぼ求められていないので、BEVによる運行を観光資源としてアピールすることも可能だと考えられます。
出典:TESLA
中ではテスラやスーパーチャージャーを導入して急速充電環境を整えている東京の事業者・事業所もあるのですが…まぁそれは特殊です。
おそらく配車アプリ専用車として稼働しているのでしょう。
自宅や車両保管場所で充電できる個人タクシーはBEVに向いている
これは間違いないです。
東京だろうが横浜だろうが名古屋だろうが大阪だろうが…自宅や保管場所で充電できる環境をお持ちの個人タクシーはBEVにシフトするべきでしょう。
知り合いの個タクさんに伺ったところ「BYDを検討している仲間が多い」とのこと。
なるほど…2026年3月現在は補助金の絡みがあるので何とも言えませんが、車両価格帯だけで見ると国産BEVより安いですからね。
BYDさん、ピンチらしいので個人タクシーに積極的に営業してみてはいかがでしょうかね。
ユーザーにおけるBEVの向き不向きについて
ここからはBEVの所有が向いているユーザーと特に気を付けてほしいことを簡単にまとめます。
基礎充電が可能で市街地走行がメインならば積極的にBEVの検討を
出典:TEPCO
BEVの充電方法として、主に「普通充電」と「急速充電(超急速充電)」が挙げられますが、BEVを検討する上での最大の壁が、基礎充電が可能な環境にあるかどうかです。
基礎充電とは、自宅や職場などで長時間停める場所に設置した充電器による普通充電のことです。
宿泊施設に設置されているような「目的地充電」も基本的には普通充電器です。
代表的な例は戸建てによる普通充電(3.0kW)です。最近では高出力普通充電(6.0kW)も見受けられます。
導入費用はだいたい10万円前後~だそうです(上を見るとキリがありません)。
加えて街乗りがメインであるという方。何よりガソリンスタンドに行く必要がないのは大きなメリットと言えるでしょう。
私はお小遣い稼ぎのフーデリ稼働中にマンションを訪れると、マンション住人用の普通充電器も見られるようになってきました。
オーナーや管理組合の理解が得られれば、マンション住まいでも充電環境は整えられつつありそうです。
いずれにしろ、特に遠出の際に満充電状態スタートを実現できるかどうかでBEVの利便性は大きく変わるのは事実です。
近所の商業施設やディーラーの急速充電で対応するという手段もありますが、やはり限界はあるだろうなと個人的には考えます。
「自宅や職場で充電ができる」「街乗り(市街地走行)がメインである」
この2つを満たしているのならば、積極的にBEVを検討してもいいと思います。
それでもたまには遠出をしないともったいない(余裕ある計画を立てられる人)
海老名SA(上り・下り)には、一口最大出力350kW・最大電圧1000Vの「SERA-400」を含む急速充電器3基(8口)が設置される
出典:株式会社e-Mobility Power
ただ…やはりBEVの良さはその車重から得られる重厚な乗り味。近所を走らせるだけではもったいない。
せっかくの高額車(高級車)なので、たまには遠出をしてドライブや観光を楽しみたいものです。
BEVは長距離ドライブにも対応できる剛性が確保されているので、運転疲れはだいぶ軽減されるでしょう。
しかしBEVの特徴として「街乗り得意で高速苦手」という説があります。
苦手というとオーバーかもしれませんが、この性質はICE(純内燃機関)とはほぼ真逆で、具体的には高速道路を飛ばすと航続距離がみるみる落ちていく傾向にあるというものです。
そう。“苦手”というのは走行性能の話ではなく、エネルギー効率になります。
一般道では信号待ちや渋滞などで回生ブレーキを活用してバッテリーを充電、航続距離を実質的に伸ばすことがでますが、高速道路ではこの回生ブレーキで充電する場面が極端に減ります。
車種や季節、エアコンの稼働状況や平均速度によって消費電力は異なるとは思いますが、やはり高速道路よりも下道が好きというドライバーの方がBEVは向いているのかもしれません。
もちろん高速道路のSA/PAには急速充電器が普及しているので、“電欠”は避けられるとは思いますが「あれ?高速だと思ったより走れないぞ」となる可能性は極めて高いといえるでしょう。
さらに高速道路上で航続距離を大きく低下させる理由を以下で詳しく解説しています。
ちなみに、近所の街乗り用途に特化したのが日産「サクラ」(三菱「ekクロスEV」)でした。軽自動車規格で価格も抑えられており、一時バカ売れしたのは記憶に新しいと思います。
【これでだけは読んで!】リチウムイオンバッテリーは満充電に近いほど効率的 遠出の際は満充電スタートが◎
基礎充電環境が求められかつ高速道路が苦手とする最たる理由がコレです。
以前PHEV乗りの友人に教えてもらったのですが、リチウムイオンバッテリーはSOC(State of Gharge:充電率)が100%に近いほど電圧が安定し、供給電力効率が安定するそうです。
具体的に例えると、仮にSOC100%で400キロ走れるとしても、SOC50%では200キロ走れないことを意味します。
リチウムイオンバッテリーはSOCが低下するほど電圧が不安定になり、取り出すエネルギーに対して消費電力量が大きくなります。
つまり中途半端な充電状態で高速道路を走るものならバッテリー残量がどんどん低下していくということです。
これは実感がないので私も知りませんでしたが、BEVを検討中の方でも知らなかったという声は多いのではないでしょうか。
仮にSOC100%状態で高速道路に乗ったとしても、途中から電力供給効率は落ちてくるので次第に想定よりも航続可能距離が短くなってくる…という背景もありそうです。
さらにモーターの特性上、高回転域・高速域でのエネルギー効率は不得意とされているので、残念ながら今のところ高速道路との相性は良くないと言えるでしょう。
だから昨今のBEVはボディ形状の“空力”にも力を入れているわけですね。
なので、特に高速道路を使って長距離を走る場合は満充電かつ、途中の急速充電といった時間に余裕を持った計画が大事になるわけです。
現状のBEVではバッテリーマネジメントが苦手な方、綿密な計画を練るのがめんどくさい方には向かないですね(笑)
次のページではモーター・バッテリースペックを大幅に向上させて実用性に耐えうる実力を得た『ソルテラ(D型)』をご紹介。
BEVを検討の方の参考になれば幸いです。


