鉄道のない街・綾瀬市が東名高速と接続へ

2020年9月23日

いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。

突然ですが、『綾瀬(あやせ)』という地名を聞いてどの辺りを連想されますか?多くの方が『東京都足立区の綾瀬』を浮かべるのではないでしょうか。JRや東京メトロの『綾瀬駅』もありますからね。

私は元が横浜の人間だからというのもあるのですが、『神奈川県綾瀬市』を先に思い浮かべます。親戚や友人が住んでいるわけではないのですが、東名高速には以前から『東名綾瀬バス停』というバス停があるので東名高速を利用する度に目にしていました。「海老名SAまでもう少しだな」「横浜町田までもうすぐだな」みたいな。

東名高速を利用する方は一度は見たことがあると思いますが、今でも『東名綾瀬バス停』付近では大規模な工事が行われています。工事開始時期を遡ると平成28年頃になるのですが、ようやくその工事の正体である『綾瀬スマートインターチェンジ(以降、綾瀬スマートIC)』の開通が見えてきました。今回は簡単に『綾瀬スマートIC』と『神奈川県綾瀬市の現状』をお伝えしましょう。



『綾瀬スマートIC』について

神奈川県内初のスマートIC

『スマートIC』ですのでETC専用インターチェンジということになりますが、東名高速『横浜町田IC』と『厚木IC』の間に新たなICが開通することになります。それが『綾瀬スマートIC』です。

2020年(令和2年)7月14日、綾瀬市からは

令和3年夏頃開通目標の綾瀬スマートインターチェンジの工事等進捗状況をお知らせします。
現在、用地については、全ての取得が完了しました。
工事については、下原橋架け替え工事が完了し、インターチェンジの本体部の工事及び附帯施設の工事を順次進めています。
また、正式名称が「綾瀬スマートインターチェンジ」に決定しました。引き続き神奈川県及び中日本高速道路株式会社と協力し、1日でも早い開通を目指します。

引用:綾瀬市

と発表されており、同日に中日本高速道路株式会社からも

神奈川県、綾瀬市と中日本高速道路株式会社 東京支社が共同で事業を進めている、E1 東名高速道路(東名)に設置するスマートインターチェンジ(スマートIC)の正式名称が決定しましたのでお知らせいたします。

引用:中日本高速道路株式会社

とリリースされています。どちらも「2021年(令和3年)夏頃の開通を目指す」と共通の認識です。そして地味に神奈川県内初のスマートICとして開通することにもなります。

画像出典:神奈川県

もっとも、神奈川県内のスマートICは事業中も含めそれほど多くは検討されていないのですが…。


『綾瀬スマートIC』の位置関係

まずは2023年夏頃に開通予定の「綾瀬スマートIC」の場所を見てましょう。

画像出典: 中日本高速道路株式会社

『綾瀬スマートIC』は県道42号線と接続するように開通されます。これは『綾瀬市役所』『綾瀬タウンヒルズSC』『綾瀬厚生病院』などと同路線上に開通することになります。これにより以下に挙げられている整備効果が見込まれます。

画像出典: 中日本高速道路株式会社

県道42号線は綾瀬市内における南北のメインルートです。特に広域アクセス性の向上、救命救急センターへの速達性効果、企業活動の活性化には大きな効果・期待が寄せられていると思われます。移動においては(厚木・海老名など近辺の発展具合と比較しても)超不便と言われる綾瀬市への注目度は相当上がるのではないでしょうか。


『綾瀬スマートIC』はフルIC構造

綾瀬市内外への交通の要所となるためか、スマートICとして最も利便性の高い本線直結型のフルIC構造となります。おそらく24時間利用可能になると予想されます(スマートICには利用時間に制限が設けられているものもあります)。

画像出典: 中日本高速道路株式会社

フルIC構造なので東京・名古屋方面どちらにも行き来できます。同様の例としては関越自動車道の『高崎玉村スマートIC』が挙げられるでしょうか。

綾瀬市を起点にして少し視野を広げてみると、例えば『さがみ野(相鉄線)』『大和(小田急線・相鉄線)』『長後(小田急線)』『藤沢市北部(相鉄線延伸予定)』などの地域は東名高速との接続利便性が増すと思われます。これが上記整備効果にある既存IC周辺の交通の負担軽減です。具体的には『横浜町田IC』近辺と『厚木IC』近辺の渋滞緩和と道路ダメージの緩和です。



綾瀬市の交通事情

綾瀬市は神奈川県のほぼ真ん中に位置していますが、鉄道・道路の交通事情は必ずしも充実しているとは言い難い地域です。私が知っている限り道路面は最大片側2車線の県道42号線がメインルート。慢性的な渋滞が発生しているはずです。利便性が増すということは交通量が増すということなので、道路整備にも追われることになるということです。


鉄道はないけどバスは充実

こちらは綾瀬市の全体を表した地図ですが、ご覧の通り鉄道の駅が一つもないのです。『鉄道のない街・綾瀬市』という皮肉たっぷりのスローガンを見た覚えがあります。新幹線はもちろん通過、東名高速も2020年7月現在は通過で、あえて挙げるとしたら冒頭で述べた『東名綾瀬バス停』が遠距離方面から唯一、綾瀬市内を直接流出入できる場所だったのです。田園都市線の綾瀬市方面への延伸計画の噂は聞いたことがありますが、願望レベルに留めておいた方がよさそうです。バスやタクシーを含めたクルマでの移動が前提な地域なのです。

綾瀬市内のバス路線図

綾瀬市内バス路線図

表示されない方はこちらをご覧ください。資料出典:綾瀬市

1系統あたりの本数はわかりませんが、綾瀬市内をほぼ網羅しています。確かに綾瀬市内に鉄道の駅はありませんが、視野を広げてみると意外と多くの駅に接続していることがわかります。市が運営するコミュニティバスを含めれば路線バスは3社、高速バスを含めれば4社のバス事業者が乗り入れています。そして来年の『綾瀬スマートIC』の開通…意外と各方面への交通手段は(所要時間以外は)充実しているのかもしれません。新幹線の駅でもできれば言うことなしだと思いますが…気になって調べてみたらちゃっかり東海道新幹線の新駅誘致を行っていました(笑)

映像出典:綾瀬市

しかし東海道新幹線の新駅誘致場所は綾瀬市内ではなく、もう少し小田原寄りの『倉見(JR相模線)』付近を想定されているそうです。これは相鉄線の延伸計画とも重なります。


『MaaS』の実証エリア構築の可能性

なんとなく将来、綾瀬市を含む近辺エリアが大きく変わりそうな予感がしています。そうなると『MaaS』の可能性も挙げておきたいと思います。注目度が上がり人が集まるようになればおそらく道路拡張の課題などが浮き彫りになるでしょう。すると「マイカーでの移動はできるだけお控えください」とアナウンスされる可能性も十分にあり得ます。

そこで『MaaS』によるバス・タクシー・鉄道・新幹線・カーシェア・ライドシェアなどを一括予約、決済が行えるようにすれば移動がよりスムーズに行えるようになる仕組みの構築を提案しておきます。むしろバスやタクシーが移動の中心なので早急に『MaaS』に取り組むべきだと言えます。そうすれば『海老名』『大和』に停車する小田急ロマンスカー、『倉見』に新駅ができる(と仮定する)東海道新幹線。さらに相鉄線は東急線と直通するなど綾瀬市発展の可能性は十分にあります。これらの有料特急・座席指定列車を他の交通手段と一括して予約、決済が行えるようになればさらに魅力的な街になるでしょう。これを機に、相鉄線にも座席指定列車が企画検討されたら面白いですね。



まとめ

いかがでしたでしょうか。東名高速の新IC開通情報から綾瀬市の交通事情を覗き『MaaS』実証の可能性、必要性までを見ることができましたが、視野を広げて街づくりにおける『交通』に目を向けて私なりにまとめてみました。こうして見てみると『鉄道のない街・綾瀬市』はちょっと化けるかもしれません。