同じ1000形でも「別物」と言いたくなるような車体デザイン
正直私もどのくらいの種類があるのかよくわかりませんが、とにかく1000形については種類が豊富です。たぶん5種類に大別できるのかなと思います。
出典:京急電鉄
1890番台以外を並べてみました。「1000形」と言われる車両が4種類ありますね…。
そして新造された「1000形1890番台」です。貫通形(1800番台)と1200番台を融合してさらにデュアルシート・トイレを採用した…とまとめることができるでしょう。
筆者撮影
この日の連結車両は1000形でした。同じ1000形でもデザインが異なることがわかります。
マニアックなことを言ってしまうと、2005年に新造された東急車輛製造の1000形4次車です。東急車輛製造は総合車両製作所の前身(正確には新東急車輛製造株式会社を跨ぐ)なので兄弟車と言えるでしょう。
しかし側面を見れば決定的な違いがあることがわかります。
まずは先頭側面ですよね。すでにご紹介していますが前面展望席の窓は極細となっています。
筆者撮影
そしてトイレ付き車両です。2両目と3両目にはトイレが付いているので窓が無く、ご覧の通りちょっと不思議な側面になっています。窓が無いとずいぶん違って見えますね…。
車体側面の行き先案内表示は少し大型化されています。表示できる情報量も増え視認性も向上しています。
2022年3月29日追記 愛称「Le Ciel(ル・シエル)」掲出へ
京急1000形電車1890番台の愛称は「Le Ciel(ル・シエル)」となりましたが、いよいよ愛称の掲出の準備が整いそうです。「Le Ciel(ル・シエル)」はフランス語で”空”という意味しますが、「Le Ciel」の頭文字を取ると「L/C」となり、ロングシートとクロスシートを転用可能なデュアルシートを表現していると思われます。
2100形と比較してどうか
出典:京急電鉄
登場から20年以上が経過した京急の花形電車「2100形」。今でも根強い人気を誇る車両ですが1890番台と比較するとどうでしょうか。
筆者撮影
やはり走行音…これは2100形の方が静かというか上質です。高速走行時は他社の有料特急を思わせる雰囲気を醸し出します。
2ドアと3ドアの差はやはり大きく、それは1890番台でも覆すことはできません。3ドアの方が物理的に隙間が増えるためだと思われます。おそらく車両剛性も3ドアより2ドアの方が上でしょう。
しかし台車の性能は私もハッキリしたことはわかりませんが、3ドアの1000形ステンレス車(「銀千」と呼ばれています)は「走行性能は2100形を越えている」という意見もあるので、1890番台が真価を発揮するのは快特120㎞/h運転時かもしれません。
そして実際に金沢文庫ー横浜で偶然快特としての1890番台に乗車しました。最高110㎞/h運転ですが、確かに他の車両と比較すると揺れが少ないような(?)気がしました。
筆者撮影
2100形は窓も大きなものになっています。クロスシートモードで比較するべきですが、2100形の他社の有料特急を思わせる車内空間はやはり魅力的です。
筆者撮影
2100形を褒め称えていますが、シートの座り心地はアームレスト・ヘッドレストを加味すると1890番台の方が私は好みです。
ただ、シートバックは2100形の方が若干柔らかく角度も深いので寄りかかりやすいと感じるかもしれません。そして2100形はシート下が空洞になっているので余裕をもって足を伸ばすことができます。
身体をしっかりフィットしてくれるのが1890番台、身体を程よく預けられるのが2100形といったところでしょうか。
さらに3編成の増備が報じられる
出典:京急電鉄
交通機関情報・観光情報を発信するメディア、TRAICY(トライシー)によると、1890番台の3編成増備が決定しているそうです。つまり1890番台がさらに12両新造されることになります。
詳細は『京急、1000形1890番台を3編成増備 品川駅地上化も本格着手へ』をご覧ください。
実際に京急のホームページ『2021年度 鉄道事業設備投資計画』にも明記されています。具体的には1890番台12両新造(4両×3編成)・1000形8両更新(8両×1編成)・ホームドアの設置などです。
新造された1890番台の運用方法は不明ですが、イベント列車・ウィング号・特急・エアポート急行などで運行されると思います。
まとめ
結び
偶然にも1890番台に乗車することができましたが、コロナ禍を含めたこれからの時代を見据えた新型車両のように感じました。他社ではちょっと考えられない仕様も京急らしいと言えるでしょう。
個人的な提案ではありますが、1890番台を2編成増結、8両編成の快特として内1両~2両を座席指定の「ウィング・シート」として運行すれば観光誘致にもなると思います。
2100形と違い向かい合っての座席配置が可能なのでそれなりに需要はあるのではないでしょうか。
あえて残念な点を挙げるとしたら…クロスシート時のみでもいいからリクライニングができたら言うことなしでした。
総合的には決して手を抜かず、いろいろな意味でバランスさせた素晴らしい新型車両だと思います。
羽田空港~横浜の乗車のつもりが、羽田空港~逗子・葉山~横浜と乗り通してしまったのでだいぶ運賃がかかってしまいました(笑)
参考出典リンク集
京急電鉄…https://www.keikyu.co.jp/