フォレスターAdvanceのスペック
フォレスターAdvanceのスペックを抽出してみました。
スバル:フォレスター(Advance)A型
・ボディサイズ:4625×1815×1715㎜
・車両重量:1640kg
・最低地上高:220㎜
・最小回転半径:5.4m
・定員:5人
・動力源:2.0L水平対向エンジン 直噴+モーター【e-BOXER】
・トランスミッション:リニアトロニック
・エンジン最高出力:107kW(145PS)/6000rpm
・エンジン最大トルク :188N・m(19.2kgf・m)/4000rpm
・タイヤ銘柄:グッドイヤー「EAGLE RV-F」
・タイヤサイズ:225/55R18 102V
・駆動方式:アクティブトルクスプリットAWD
・燃料:レギュラーガソリン
・燃費:WLTCモード14.0km/L/実燃費は13.94㎞/L
・初年度登録:2019年3月(A型)
・車両価格:3,099,600円(税込) 2019年3月当時
以下はe-BOXER単体のスペックです。
モータースペック
・モーター最高出力:10kW(13.6PS)
・モーター最大トルク:65N・m(6.6kgf・m)
リチウムイオンバッテリーのスペック
・容量:4.8Ah
・電圧:118V
・総電力量:0.56kWh
現在は2.5LNAエンジンのフォレスターは廃止。1.8L直噴ターボの「SPORT」以外は全て2.0LNAエンジン+e-BOXERというグレード構成です。
走行インプレッション
横浜市街 おそらく一番メリットがあるシチュエーション でも一番気になる点もこちら
フォレスターAdvanceに座り込んだ印象ですが、シートは気持ち柔らかめ。サイドサポートはしっかりしているのでワインディングなどを走行中に車体を左右に振っても身体はしっかり固定してくれます。
しかし長時間走行はもしかしたらこの柔らかさで腰回りを痛める方もいるかもしれません。私はトータルで10時間弱乗りましたが大丈夫でした。
エンジンをかけると通常のセルモーターによりエンジンがかかりますが、以降のアイドリングストップからの再始動はISGが担います。
最初は市街地を走りました。主な区間は横浜駅西口~狩場ICまで。
エンジンの出力特性を変化させる「SIドライブ」はS/Iの2モード。市街でのドライブはIモードで十分でしょう。
ただ…正直に言います。駐車場を出た時に「やっちまったかな」と思いました。それほどレヴォーグの印象が強く残っていたのです。しかし今日の相棒はフォレスターAdvance。じっくりといいところを見つけていきたい思い走り始めます。
駐車場を出る時にトルクの豊かさを実感。昔、3代目インプレッサ(GH/1.5L)に乗っていた私からしたら低速域のスムーズさが驚愕レベル(笑)
いきなりですが最初に気になったことを書いてしまいます。
e-BOXERはマイルドハイブリッドと言いながらわずかにEV走行も可能です。SIドライブはIモードで横浜市街を走行していますが、ここが一番気になった点です。
(バッテリーの充電状況にもよりますが)40㎞/h程度までは頑張ってEV走行をしてくれます。それはいいことですが、エンジンが始動した時の振動が大きすぎると思いました。走行中なのにブルンと揺れ、一瞬余計に加速するんじゃないかと勘違いした程揺れます。
この個体だからなのかどうか…検証は必要かもしれませんが、ぜひフォレスターAdvanceを検討中の方はここは確かめてほしいです。
よかったと感じたのはブレーキでした。HEVは回生ブレーキ機能の影響か減速時のフィーリングに違和感を感じてしまうことが多いのですが、このフォレスターAdvanceは大きな違和感を感じさせませんでした。
もちろん他のハイブリッド車も慣れのレベルではありますが、このフォレスターAdvanceはものの数分で慣れるようなイメージです。
視界性能はスバル車らしく相変わらず優れているので交通量が多い街中も安心してドライブできます。ステアリングは本革巻きですがここもレヴォーグの方が好感触。最新のフォレスターAdvanceは高触感革ステアリングだそうです。
パドルシフトが付いていますが市街地走行ではほとんど使用ぜず。個人的にはこのリニアトロニックの設定で十分だと感じます。確かに以前試乗したフォレスターSPORTの方が足回りが引き締まっていますが、街中走行メインならこれでいいかもしれませんね。
保土ヶ谷バイパス・圏央道・東名高速 e-BOXERの恩恵はあまり感じず?
保土ヶ谷バイパスの制限速度は80㎞/hなので中間加速を確かめます。SIドライブをSモードにします。
Sモードは高回転までスムーズに回りますね。Iモードとは明確に差別化されています。ハッキリ言って高速でのIモードは力不足を感じてしまいました。
60㎞/h程度までの加速は確かにモーターアシストを実感できます。後ろからグーッと押される感覚は穏やかで好感が持てます。逆に言えばターボのような力感には及ばないかなというところ。
高速走行での加速はモーターアシストを実感できるかちょっと怪しいです(笑)
確かに70㎞/h程度からの加速もモニターをチラ見した限りではモーターアシストは働いているようですが、元々この直噴化されている2Lエンジンはスムーズに回ってくれるのでモーターの恩恵なのかエンジンの実力なのかよくわかりませんでした。
まぁフォレスターAdvanceは比較的車重があるのでモーターの効果は地味に効いているとは思います。
個人的に好感を持てたのがバッテリーによる重量増しと足回りのセッティングです。リチウムイオンバッテリー搭載によりおよそ100kg重くなっているのですが、この重量増しが上質な乗り味にかなり効いているような気がします。
東名高速では100㎞/hまで加速。バッテリーの蓄電状態にもよると思いますが、モニターをチラ見した限りでは90㎞/h前後まではモーターのアシストがありました。それでもやはりモーターによる力感はあまり感じられず、むしろこの2.0Lエンジンがよく回るエンジンだということを改めて実感しました。
以上の事からe-BOXERにおける高速道路の優位性は、「地味に効いてはいるだろうけどターボ車のような余裕とはまた違い、むしろ重厚な乗り味で制限速度内でのクルージングに向いている」と言えます。
国道299号線と顔振峠 緩やかなワインディングではバランスの良さが光る
圏央道を入間ICで降りて国道299号を秩父方面に向かいます。
私が一番気に入ったのがこの区間でした。飯能を過ぎると国道299号線はそれなりのカーブが続くワインディングに近い道路が続くのですが、60㎞/hで流すとロールの発生が少なく感じ素直に曲がってくれます。これは想像以上に気持ちよかったですね。
バッテリーによる重量増しが上質な乗り味に繋がっている反面、足回りの多少の柔らかさを感じつつもよく動き、不安感なくカーブを抜けてくれるのは素晴らしいです。
顔振峠にて筆者撮影
途中、せっかく秩父方面に来ているので峠道も走ろうと顔振峠(かあぶりとうげ)に入りました。速度は40㎞/h程度まで。フォレスターは現行のレヴォーグ程ではないですがステアリング応答性も良いので視界性能と相まって峠道でも安全に愉しく走れます。
筆者撮影
秩父市街を抜けて三峰口方面を走ります。二瀬ダムを経由して三峯神社へのワインディング走行を試してみます。
今回は三峯神社を最終目的地としました。道幅は広いのですが勾配のきついワインディングが続きそれなりの速度で走ることができます。充電が十分な時はモーターによるアシストは発生しますが、使い切ればエンジンの動力によりモーター発電に切り替わります。
このような場面ではバッテリーはただの重りになります。私はSモードで高い回転数をキープしながら走るので全然エコドライブにはなりません(笑)
ただしそれは私がわざとそういう走り方をしてみただけであり、一定のペースをキープして走れば車体のロールも少ないので若干のパワー不足さえ気にしなければ快適に走行できます。
走行インプレッションのまとめ
筆者撮影
あくまで私が感じたことですが、フォレスターAdvanceは街乗りがメインという方に向いていますね。長距離走行やワインディングを高頻度に走り回るという方は1.8Lターボもしくは中古で2.5LNAのフォレスターの方が満足度は高いでしょう。
e-BOXERはユニークなハイブリッドシステムだとは思います。確かに燃費の良さという面ではほとんど期待できませんが(スバルも承知だと思います)、エンジンが苦手とされる発進から中速域までのトルクの立ち上がりはモーターでしっかりカバーされており、重量増しによる重厚な乗り味の実現とSUVとしては高いレベルのハンドリングや走行安定性は確保されています。
女性や運転経験がまだ浅い若い世代でも安心して愉しく走れるクルマですね。逆に経験豊富なドライバーにはちと物足りない場面も出てくる…そんなクルマでした。
気になる燃費は実燃費計算で13.94㎞/L。約343キロの行程中4割が高速道路やバイパスでしたが他には峠道を走らせたこと、特に燃費を意識せずに走らせたことを思うと悪くはないと思います。
次のページでは今回のドライブの諸費用をまとめます。レヴォーグと借りるならどちらかも記載します。