【試乗記】実際に走らせてみて
東京・新橋から道の駅「保田小学校」を目指す
筆者撮影
ここからは実際に乗って走らせた感想をまとめてみます。
今回のドライブコース
往路:新橋周辺⇒首都高速(台場線・湾岸線)⇒東京湾アクアライン⇒国道1257号線⇒道の駅「保田小学校」
復路:上記の逆
走行距離:183.6キロ
印象としては「思ったよりもよく、三井のカーシェアズで借りるなら鬼コスパ」だと思いました。
クロストレックにはエンジンレスポンスを変更できる「SIドライブ」があります。「Iモード」「Sモード」の2モードですが、基本的には「Sモード」で走行しています。
クロストレックのSIドライブ
Iモード(インテリジェントモード):燃費を重視したモード
Sモード(スポーツモード):Iモードよりも力強い加速で走ることができる
さらにアイサイトの機能の1つである「全車速追従機能付クルーズコントロール」をセットすると「ECOクルーズコントロール」で走行できますが、こちらもほとんど試していません。
新橋周辺で慣らし運転からの首都高速 湾岸線へ 高速道路での「Iモード」はちょっと力不足か
新橋の駐車場からクロストレックのドライブがスタート。車両感覚を掴むために周囲を慣らし運転しましたが、そもそもの視界性能の良さと取り回しの良さですぐに慣れました。
それは「Iモード」の穏やかな制御も関係していると思います。停止状態からの発進はモーターアシストの効果もあるのか思いのほかスムーズで、アイドリングストップ解除の振動もほぼ気になりません。
ブレーキもいいですね。ほぼイメージ通りに減速・停止してくれます。12000キロ以上走っている個体なので❝慣らし❞も終わっているのでしょう。
汐留ランプから首都高速に入ります。ここで感じたのは「Iモードじゃ力不足かも…」です。制限速度の関係で具体的な速度明記は避けますが、高速道路や上り坂での中速域の加速は力不足に感じました。
レインボーブリッジに続く上り坂でそれは確信に変わり、ここでいよいよ「Sモード」へ切り替えました。
アクセルベタ踏みで走るシチュエーションではないのでそこはご理解いただきたいのですが、「Sモード」は常識的な範囲で走らせるには十分スムーズに走ってくれます。
湾岸線で確かめてみましたが、時速80㎞/h付近でもモーターアシストが機能していることがわかります。あまり実感はありませんが…。
街中を走行⇒Iモードで十分
自動車専用道路(高速を含む)⇒Sモード推奨
アクアラインの強風でも安定した走りはさすが 雨音もよく抑えられている
私が「東京湾アクアライン」を走った時は風速14m/秒という風がかなり強いタイミングでした。
風速14m/秒というのは首都高などの電光掲示板に「アクアライン強風注意」と表示されるほど(通行止めの基準は風速20m/秒)。
アクアラインの法定速度(最高速度)は80㎞/hですが制限速度60㎞/h規制に。周囲のクルマに合わせて流していました。
前方の某社ミニバンは強風に煽られフラフラしていたのですが、クロストレックはステアリングに多少のブレは感じながらもほとんど不安なく走ってくれました。
強風の中、最低地上高200㎜・FWDのSUVがここまで安定して走れるのはちょっとビックリしましたね。
荷室下に搭載されているバッテリーがリアの安定性に効いているのかもしれません。
ほんのわずかな時間ですが雨が降りました。クロストレックのルーフは「高減衰マスチック」という弾性接着剤が採用されています。従来の接着剤よりも弾性があるとされ、ルーフに伝わる振動や音を抑えることで乗り心地向上を図っています。
一方で、これは路面状況やタイヤ次第で感じ方は変わるので私の気のせいかもしれませんが、高速走行のロードノイズは少し大きく感じました。
基本的な静粛性が優れているため、足回りの籠った音が目立つのかもしれません。
思ったよりもボディ剛性が高い
一般道 国道127号線「内房なぎさライン」を軽快にドライブ
筆者撮影
木更津金田ICを降りた後は「道の駅 保田小学校」まで一般道を走りました。ルートは木更津市内の県道と国道127号線。
国道127号線「内房なぎさライン」は海沿いを走りながらもちょっとしたワインディングやカーブ、見通しの悪い道・狭い道がある区間です。
ワインディングやカーブでは「2ピニオン電動パワーステアリング」の効果なのか、私が昔所有していた「インプレッサ(GH2)」よりもスッキリと曲がってくれます。ロールの発生も穏やかでいいですね。リアの収まりの良さはバッテリー効果でしょうか。
GoProを忘れてしまったので画像でお届けすることができないのですが、浜金谷の先にある「明鐘トンネル」は若干薄暗く車幅も少し狭くなります。さらに見通しの悪いカーブも。
まさにそのカーブから大型バスが現れて道の譲り合いが始まったのですが、視界も広く車両感覚が掴みやすいクロストレックで難なくクリアできました。
これは運転に不慣れな方にはとても心強いでしょう。普通の試乗ではなかなか気が付かないかもしれませんね。
肝心の走りについては、走行区間のほとんどが車線をはみ出しての追い越し禁止区間。周囲のペースに合わせるとむしろ余裕のドライブでした。
良好な視界性能
「2ピニオン電動パワーステアリング」の効果で上質かつ軽快なハンドリングを実感
ハンドリングに対してすぐ反応してくれるがスポーツカーのような鋭さではない
リアの収まりもよくパワーさえ気にしなければ峠道も愉しく走れそう
STIパーツを装着するとハンドリングマシンに化けるかも?
クロストレック(インプレッサ)の主役はフロントシート もしかしたらレヴォーグよりいいかも?
筆者撮影
約183キロを『クロストレック(Touring・FWD)』でドライブを愉しみました。
FWDの軽快さと安定性のバランスの良さに正直驚きました。AWDの必要性がなくクロストレックの外観に惚れたという方はFWDでいいのでは?と思えたほど。
もちろんパワーユニットの刺激という面では物足りないところはあるのですが、普通に走らせ分には十分な力感で、大排気量車やターボ車、あるいはスポーツカーからの乗り換えでもなければ大きな不満を覚えることもないでしょう。
そして私が一番素晴らしいと思ったのは「フロントシート」でした。
クロストレック(インプレッサ)のフロントシートは群馬大学医学部と共同開発された新設計のシートで、背面内部に「仙骨ブラケット」と呼ばれる横材が使用されています。
骨盤を最も効果的に支えることを狙っているそうです。
さらにシートレールをボディに直付けすることでシート全体の剛性もアップ。路面からの微振動も効果的に抑えてくれています。
以上のことからクロストレック(インプレッサ)は長時間座っても疲れにくいということなのですが、確かに疲れませんでした。
姿勢を立て直した記憶もありません。ホールド性も普通に乗る分には十分で、「このクルマの主役(立役者)はフロントシートだな」と結論付けました。
もちろんルーフの接着剤に使用されている「高減衰マスチック」や「2ピニオン電動パワーステアリング」の効果もあるでしょう。
シートとルーフの2点は他のスバル車に対して2024年5月現在は❝下克上❞となってます。
燃費性能
カタログ燃費と約184キロ走らせた実燃費は以下の通りです。
燃費(Touring・FWD)
WLTCモード:16.4km/L
実燃費:約12km/L(ほぼ常時Sモード)
渋滞区間はなくほぼ常時Sモードで愉しく走らせることを意識していたので、個人的にはそこまで悪いとは思っていません。
ただし「HEV」という括りで見るとイマイチなのはわかります。というか燃費のいい「ICE(インターナル・コンバッション・エンジン=純粋な内燃機関)」にすら劣ります。
クロストレックのマイルドハイブリッドシステムはちょこっとだけEV走行ができるが、基本はエンジンをサポートするシステムです。
ICEに近い走りを優先するか、HEVならではの燃費性能を優先するかで評価は分かれるでしょう。
「三井のカーシェアーズ」で借りるなら絶対オススメ! その理由は❝ミドルクラス❞だから
出典:三井のカーシェアーズ
私はBRZでカバーできない時に備え、「三井のカーシェアーズ」ベーシックプラン(月会費 980円)に加入しています。
詳しい料金の仕組みなどはこちらをご覧いただくとして、クロストレックは❝ミドル❞というグレードに位置付けられています。
今回は6時間パックで借りたので6時間以内に返却すれば距離料金はかかりません。乱暴な言い方をすれば100キロ走っても200キロ走っても料金は同じということ。
燃費走行を意識する必要もありません(笑)
アイサイトも2024年5月現在では最新です(アイサイトXはなし)。
今回の『クロストレック』の料金
6時間パック:4,480円(ベーシックプラン)
まとめ
結び
いかがでしたでしょうか。本当はこのクルマの魅了を伝えるためには「アイサイト」の有用性も解説する必要はあるのですが、私がアイサイトをほとんど使わずに走ってしまったため詳しいレビューをお届けすることができません。。
まぁ実は一瞬試してみたのですが、ここで言えるのは「アイサイトの自動ブレーキはプロドライバーレベル」と言っても遜色ない…ということです。不安のない優しいフィーリングのブレーキはお見事でした。
もちろん頼り切ったり過信は禁物ですが、2種免許持ちの私が言うのでこれは信じてください(笑)
それはともかく、このブログ記事を統括するのであれば、『クロストレックはすべてが丁度いいクルマ』でした。
「俺はFWDで軽快かつ安定した走りのSUVを求めているんだ」というのであれば超お勧めできる1台だと思います。
ただ「インプレッサ(FWD)」も検討してみてください。
若いファミリー層や女性にも強くお勧めしたいクルマです。そして「三井のカーシェアーズ」で利用するなら間違いなく鬼コスパです!
気になる方はぜひ『クロストレック』に触れてみてください。
このブログ記事が新車選びの参考になれば幸いです。
「三井のカーシェアーズ」のアプリダウンロード
参考出典リンク集
スバル『クロストレック』:https://www.subaru.jp/crosstrek/crosstrek/
三井のカーシェアーズ:https://www.carshares.jp/