いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。
2020年6月にフルモデルチェンジを迎えたトヨタ『ハリアー』は4代目(80系)になります。今回はカーシェアリングサービスのカレコでこのハリアーを借りて130キロほど遊んでみたのでそのレビューをお届けします。
主要スペックまとめ
トヨタ:ハリアー(S)
・ボディサイズ(㎜):4740×1855×1660
・定員:5人乗り
・動力源:2.0L直列4気筒直噴自然吸気エンジン
・駆動方式:FF(前輪駆動)
・燃料:レギュラー
・燃費:実燃費は13.2㎞/L
・車両価格:2,999,000円(税込)
このスペックを前提に走行インプレッションをまとめます。
正直に言うと少なくともハリアーのS(FF)はちょっと…
スペックの詳細は次のページに記載してあります。
走行インプレッション
大黒PAにて 筆者撮影
それでは今回のブログの本題です。
首都高での走行はさすがのハリアー 都会派SUVの先駆けはダテではない
今回ハリアーでは130キロ程度の短距離でのお付き合いでしたが、走行距離の7割ほどは首都高で遊んでしまいました(笑)
主な首都高の走行区間は新横浜ー大黒ふ頭ーベイブリッジー横羽線などをグルグルです。
実は私にとっては少なくともこのSグレードのハリアーに対してはそれほど良い印象を得ることはできなかったのですが、できるだけ良いところを探そうと走ってみたところ、エンジン性能やトランスミッションの性能はいいと思いました。
具体的には2.0Lだと力不足に感じると想像していたのですが、これは良い意味で裏切られました。スポーツカーのような速さはもちろんありませんが変なダルさはなくスムーズに加速してくれます。
ロードノイズも抑え込まれているので優雅な移動時間を提供してくれるという面ではさすがハリアーだなと素直に感じることができました。
整った道路では走行安定性も高く、大黒PAからベイブリッジへ向けて勾配カーブを上りながらの加速ではロールも穏やかに発生・収束。これはSUVとして見れば視点の高さも相俟って気持ちいいですね。
エンジンの吹き上がりは予想以上にスムーズ
この2.0Lダイナミックフォースエンジンはとてもスムーズです。Direct Shift-CVTによる変速ショックのない滑らかな走りと合わせてどの速度域でも安定した加速を実現しています。
ただし繰り返しますが、SUVなので当然”速い”という感覚はありません。CVT特有のラバーバンドフィールを感じさせない走りは上質で気持ちのいいものでした。
シフトレバーの奥にオートブレーキホールド・0電動パーキングスイッチ・ドライブモードセレクトの各ボタンがあります。ボタンの質感はそれほどでもありませんが、シフトレバーの奥にあるので操作性はいいですね。
ドライブモードは「スポーツ」「ノーマル」「ECO」の3モード。基本的にはノーマルモードで十分だと思います。首都高ではスポーツモードも試しましたがかなり鋭く加速します。高速の合流や登坂車線、山道などを走る際はスポーツモードが役立つでしょう。
ハンドリングはRAV4を思い出させるもより軽快な印象
RAV4とプラットフォーム・エンジンが共通であることからか以前に試乗したRAV4(2.0Lエンジン・4WDモデル)を思い出させる走りです。では違いがないかというとそんなことはなく、もちろんFFと4WDの違いはあると思いますが、都会派SUVであるハリアーの方がハンドリングはどちらかというと軽快な印象。
ステアリング操作に対しての反応は一瞬の間があるように感じますが、クルマの動きそのものはRAV4よりもしなやかかつ上質で直進時のオンザレール感がより強く現れています。乗り比べると明確に性格を分けていることが誰にでもわかると思います。
フロアの振動とリア足回りのバタ付きが気になる
正直に言います。駐車場から一般道を1キロくらい走った時点で「(ハリアーを選択したことについて)やっちまったかな…」と思いました。私が走った一般道はそれほど路面が整ってはいないのですが、時速50㎞/h程度で足元のフロアの振動とリアのバタ付きが気になってしまいました。
特にリアのバタ付きは首都高横羽線では顕著に感じてしまいました。お尻の辺りがバタバタ落ち着かないこの感覚はなんだろう?
筆者撮影
走行距離はまだ3万キロにも届かない個体なので足回りが劣化しているとも考えられません。
おそらくですが、2.0L…もしかしたらSグレードに発生する現象なのかもしれません。比較したわけではありませんが、例えばハイブリッドの場合はリアの下回りにはリチウムイオンバッテリーなどが搭載されています。4WD「E-Four」ではさらにモーターも搭載されます。
何度か私のブログでも書きましたが、ハイブリッドモデルと非ハイブリッドモデルとを同じプラットフォームで比較した場合、ハイブリッドモデルは軽快さはスポイルされつつも足回りのバタ付きが抑えられて重厚な乗り味を実現するとお伝えしました。
このハリアーも同様な関係が生じている可能性があります。つまり2.0Lモデルはリア足回りのサスペンション設定が甘い傾向にあるのかもしれません。となるとここで結論を書いてしまうのもなんですが、80系ハリアーを購入するとしたらハイブリッドのFFが最も買い得感のあるモデルかもしれません。
4WDを希望の方はRAV4の”ダイナミックトルクベクタリングAWD”を選ぶといいでしょう。
12.3インチワイドディスプレイは身長やシートの位置によっては気になるかも
ハリアーでは内装の質感の良さを挙げる方も多いと思います。実際にエントリーモデルの「S」ですら見て触れる部分の質感は高く、300万円弱という価格を思えば素晴らしいと思います。
ただ気になってしまったのはこの”12.3インチワイドタッチディスプレイ”の位置。最近のセンターディスプレイにはナビ画面はもちろんクルマ自身の情報を表示させたり中には走行モードの選択や各種制御・設定などもタッチ式のセンターディスプレイで行うものがトレンドになっています。
このハリアーも大画面のディスプレイに様々な情報を表示してくれるのですが、個人的にはもう少し位置を下げてほしかったです。
これはドライバーの身長やシート位置によって受ける印象は異なると思いますが、私の場合は視点を前に集中させていてもどうしてもディスプレイのベゼルや光が気になってしまいました。
なのでハリアーに試乗中はシート位置を高めにしてディスプレイのベゼルや光が気にならないようにしました。
視界性能 サイドミラーが大きめ
私とほぼ同目線の視界です。フロントボンネットの中央の膨らみが少し気になる程度で斜め後ろの視界も含めて良好だと思います。
気を付けなければならないのは、サイドミラーが他の車種と比較すると大きめです。”ミラーtoミラー”で全幅を把握しないと狭路で擦ってしまうかもしれません。
エクステリア&インテリア
それではカレコで提供されているハリアーのエクステリアとインテリアを簡単にご紹介しましょう。
フロント・サイド・リアのエクステリア
大黒PAにて 筆者撮影
RAV4とは対照的な精悍なスタイルですね。この流線型のボディと嫌みのないヘッドライトの形状に惹かれているオーナーも多いのではないでしょうか。
大黒ふ頭中央公園にて 筆者撮影
Sはエントリーグレードですが、灯火類は3灯式LEDヘッドランプが装着されています。ただしプロジェクター式ではないので購入を検討ならばGグレード以上でしょうか。
タイヤ・ホイール
筆者撮影
タイヤはブリヂストン「ALENZA 001」を装着。タイヤ・ホイールサイズは225/65R17 102Hとなっています。これはSグレードのみの設定です。
ポイント
銘柄:ブリヂストン「ALENZA 001」
タイヤ・ホイールサイズ:225/65R17 102H
G系
銘柄:ダンロップ「GRANDTREK PT30」
タイヤ・ホイールサイズ:225/60R18 100H
Z系
銘柄:トーヨータイヤ「PROXES R46 A」
タイヤ・ホイールサイズ:225/55R19 99V
エンジンルーム
筆者撮影
ボンネットはダンパー式ではなく”つっかえ棒”となっています。ちょっとガッカリしました。
フロント・リア・ラゲッジスペースのインテリア
フロントインテリア
筆者撮影
Sグレードのフロントシートはファブリック素材。ハリアーだからこそ気になってしまったのかもしれませんが、ステアリングの質感はそれほど高くありません。表現がよくないかもしれませんがちょっと安い合成皮革…だと思います。
ステアリング調節はチルト&テレスコピック機能を有していますが、Sグレードはマニュアル(G・Zは電動)操作になります。
筆者撮影
ドアの内張りは素材は合成皮革とハードプラを上手に使い分けている印象です。密かにハリアーのエンブレムがエンボス加工されているのもポイントですね。ドアポケットは私の長財布と500mlのペットボトルを同時に入れても余裕です。
ドアヒンジはプレスヒンジタイプとなっています。
筆者撮影
センターコンソールのアームレストはスライド式です。運転手側のドリンクホルダーに500mlのペットボトルを置いてしまいうとシフトレバーの操作時に干渉してしまいます。500mlのペットボトルはドアポケットに置くといいでしょう。
筆者撮影
ハリアーのインパネは約300万円のSグレードであることを踏まえると質感は十分高いと思います。ソフトパッドと合成皮革を上手に組み合わせていると思います。
エアコンの操作パネルが物理スイッチなのがいいですね。Zグレードはタッチパネル式、Gグレードはメーカーオプションのナビゲーションシステムを選択するとタッチパネル式になります。エアコンは左右独立式です。
助手席のダッシュボードは内張りもハードプラのままでした。
シフトレバーの奥は小物入れになっておりオーディオの外部出力端子とUSB電源を備えています。
リアインテリア
筆者撮影
リアシートもフロントシート同様のファブリックシートです。1段階のリクライニング機構があり居住性は十分です。
フロントシートは身長172㎝の私に合わせてますが膝前のスペースも上々。しかしシートレールが干渉する関係で足を大きく開いての乗車は難しいです。ヘッドレストの高さ調節範囲も十分です。
筆者撮影
リアルームランプはフロント同様にLED仕様。エントリーモデルなのに立派だと思います。
エアコンの送風口を備えていますが、送風口回りの質感は正直イマイチです。ドアはフロントドアとほぼ同様のデザインです。
ラゲッジスペース
筆者撮影
ラゲッジスペースも広々とした使い勝手のよさそうな印象です。ラゲッジアンダーもしっかり機能していますね。カレコの備品が丸々収まるスペースは確保。
ラゲッジ照明もLED仕様です。リアシートを倒せばさらに広大なスペースが生まれますが、シートはラゲッジスペースから倒すことはできず、直接シートレバーで倒すことになります。
次のページではSグレードのスペック・価格をまとめます。