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【試乗記】トヨタ アルファードハイブリッドに数日乗車 それはゲストのための極上の移動空間

2021年9月9日

東京を中心に走ってみての印象

最初に結論から申し上げると、運転していて愉しいという気持ちは皆無です(笑)

このクルマはゲストの移動のためのクルマです。数日間のお付き合いでしたが、もうこの一言で片づけてもいいと思うくらい結論付けることができました。

まぁそれだとブログにならないのでできるだけしっかりお伝えしたいと思います。エアコンは常に20~23度前後でオンでした。

都心における街中の走行インプレッション

愉しくはないですがミニバンとして考えるととてもよかったです。

まず某ホテルの地下駐車場から地上に出ますが、低速域での走行はモーターがいい仕事をしてくれます。出だしが驚くほど軽く感じます。車重が2トンを超えているので発進はダルいかなと思いましたが、いい意味で裏切られました。

確かにモータースペックを見るとフロントで27.5kgf・m、リアで14.2kgf・mというスペックなので十分な動力性能を発揮してくれたのかもしれません。

地下から地上へ上がる急勾配・急カーブも余裕で進行。低速域ですが急カーブ走行もほとんどロールを感じません。これは素晴らしいですね。ただハンドリングは予想通りダイレクトが薄いとすぐに感じました。

例えば新型BRZの感覚でステアリングを切ると車体の反応は2テンポほど遅れます。アウディ・Q5と比較しても1テンポ遅れます。

しかし街中走行はいいですね。制限速度60㎞/hまでならゲストにとっては間違いなく最高クラスの移動空間だと思います。

信号待ちからの発進は一般道路の制限速度60㎞/hくらいまでならスムーズに加速します。モーター音が若干気になるかもしれませんが適切な音量で音楽を流していれば気になることはないでしょう。

交差点での右左折も大型ミニバンということを意識して曲がれば不満はありません。ハンドリングのダイレクト感が薄いので気持ちよくはないですがここは割り切りです。

台場エリアから豊洲市場方面へ向かう比較的新しい道ですがこの程度のカーブならロールを感じることなくスムーズに曲がってくれます。もちろん機敏に曲がろうとするとロールが発生するのであくまで穏やかに走行しての感覚です。

筆者撮影

シートは高さ調節も可能でなるべく低く座りたい私は一番低く設定しています。この手のミニバンは前方の見切り・見晴らしがいいので女性はシートポジションを高く設定するといいでしょう。

なので前方の視界性能は良好。しかし斜め後方の視界は「それなり」です。

  • ここまで短いフロントオーバーハングはトヨタの凄いところ

筆者撮影

エンジンルームのまとめ方が芸術的かつフロントオーバーハングが切り詰められているので大きさの割には余裕を感じます。

もちろん駐車の時はちょっと大変ですが、「走る」「曲がる」については大型ミニバンとして考えるとレベルは高いと思います。

ちょっと残念なのが「止まる」です。ブレーキ性能だと思いますがブレーキペダルの踏力に対してもう少し素直に止まってほしいというのが率直な感想です。

2トン超えの車体のなので制動力が伝わりにくいのも理解はしますが、運転に不慣れな人は思ったより止まらず最後はカックンブレーキになってしまうでしょう。もちろんすぐ慣れますが他がよかっただけに欠点が目立ってしまいました。

助手席にボランティア(アシスタント)の方を乗せて走る場面もありましたが、やはり他のドライバーでは停止の瞬間はカックンブレーキになっていたようです。自分のことを棚に上げるつもりはありませんが、私の運転技術を誉めてくださったのでこのような会話になりました。

まぁ不慣れなボランティアドライバーが運転すればそうなるでしょう。

首都高速における走行インプレッション

アルファードハイブリッドは街中での走行は素晴らしいと思いましたが、高速走行にはちょっと不向きかな…というのが私が感じた印象です。

最初に走ってしまった場所がよくなかったのかもしれません。首都高速の台場入口からレインボーブリッジを走ります。料金所からレインボーブリッジはそれなりの勾配を上るのですが、ここでパワー不足を感じました。

というよりリアモーターが仕事できない領域だったのかもしれません。

仮にそうだとモーターはただの重りにしかならないので、2トン超えの車体を2.5Lのエンジン(とフロントモーター)で勾配を上がるのは辛いというのも当然の話です。ただしエアコンを切るとまた印象が変わるかもしれません。

ハンドリングも一般道路以上にダイレクト感が薄れるので、本当に制限速度を守って走らないとカーブで余裕を持たせるのは厳しいと思います。もっとも制限速度を守って余裕を持って走る方がこのクルマの真価を発揮できると思いますが…。

しかしいざカーブを曲がる時は思ったよりロールを感じませんでした。おそらくリチウムイオンバッテリーやリアモーターなどの重量物がいい方向に働いているのだと想像します。ハンドリングのダルさが惜しいなとは感じますが、カーブでの走行はそれほど悪くはなかったです。

高速道路を頻繁に使うという場合は乗り心地は犠牲になりますがスポーツサスを入れるなり、制限速度を守って余裕を持った運転を心がけるなどの対応をお勧めします。

もちろんいいところもありました。首都高速の湾岸線~東関道を走っている時、60㎞/h~80㎞/hの中間加速は滑らかでした。パワー感は思った通り希薄でしたが通常の走行ならそれほど不足には感じないでしょう。

高速道路のジョイント(つなぎ目)による振動も上手に抑えてあると思います。この点はゲストのためのクルマ作りを意識されているのが強く感じます。

静粛性は首都高走行中もしっかりキープしていますが、東関道を100㎞/hで走っている時はそれなりのロードノイズは感じました。

雨天走行時で感じた4WD性能の過信は禁物という場面

9月に入って数日間は雨天が続いたと思いますが、それが幸い(?)してか雨天時での走行を確かめることができました。

筆者撮影

ホイール・タイヤのサイズは225/60R17 99HでタイヤはなぜかSUV御用達の「DUELER H/P SPORT」。H/Pは「HIGHWAY PERFORMANCE」を意味しますが、案外このクルマの良さを引き出していたのはこのタイヤなのかもしれません。

確かに雨天時による一般道路の走行は全く問題ありませんでした。走行エリアが限られているので断言はできませんが、よほどのことをしない限りタイヤが負けることはないと思います。

高速道路では注意が必要です。首都高をパーシャル(速度を一定で保つ走行)で走行中、ジョイントを通過する時に一瞬滑る場面が何度かありました。

パーシャルで一瞬滑るくらいなので急加速時などはもっと滑るはずです。一般道路でもマンホール上での加速は控えアクセルオフが望ましいです。

4WDは悪天候に強いというイメージが浸透していますが、アルファードハイブリッドの「E-Four」は後輪がモーター独立で駆動するシステム(実は世界初のモーターのみによる後輪駆動システム)。

しかし時速70㎞/h以上の時はリア駆動アシストは機能せず前輪駆動状態となるそうなので、高速走行時はリアにモーターという重量物を積んだ大型ミニバンという認識で走行するべきです。

つまり滑ってしまうと車体を立て直すのが難しいということですが、良い面に働いているのがフロントモーターです。フロントにはエンジン・モーターなどの重量物が集中しているのである程度の安定性は確保できていると思います。

アルファードハイブリッドの走行インプレッションまとめ

・市街地走行ではほぼ不満な点はないがそもそも運転を愉しむクルマではない

・高速道路ではパワー不足を感じる場面も

・4WD性能の過信は禁物。時速70㎞/h以上ではリアモーターは機能しない

・雨天時、特に高速ではより一層注意が必要

 

次のページはインテリアをご紹介します。間違いなくゲストのためのインテリアです。

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  • この記事を書いた人

溝口将太(みぞしょー)@旅するモビリティサウナー

道路を70万キロ以上走り続けている男がサウナの素晴らしさに目覚め、モビリティとサウナを愛するためにブログ運営を始めた『モビリティサウナー』。 当ブログでは愛車・鉄道乗車記・サ活記事などをマイペースで更新しています(実際にかかった費用も極力掲載)。ご依頼を受けたり興味を持ったクルマのレビューや出来事も執筆・掲載しています。 みなさんのクルマ選び・移動手段・休日の過ごし方の参考になれば幸いです。 副業はGROMで工夫しながらフードデリバリーを真剣に稼働中。マイペースで楽しく稼いでいます。 愛車はスバル「レヴォーグ レイバック」。それまでの相棒「BRZ」と一時お別れ。BRZの特別仕様車が出ることを願い購入を企んでいます(笑) 運転免許証が無くなると生活が破綻するので絶対死守! よろしければ各SNSへのフォローもお願いします。

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