いつもご覧くださり、ありがとうございます。溝口将太(みぞしょー)です。
2026年6月9日(火)
JR東日本より「新たな特急列車『ルナ・アズール』の運行を2027年度初より開始する」と発表がありました。
紐解くとなかなか面白い運用方法を展開します。夜行特急列車としての運行と、昼行特急列車としての運行があるそうです。
(今回は夜行列車としてをメインに取り上げますが…)
現存する夜行列車といえば「サンライズ瀬戸・出雲」という寝台特急が有名ですが、私がまだ大学生時代…20年以上前ですが、憧れにも等しい夜行列車でもあった快速「ムーライトながら」など、青春18きっぷと組み合わせた利用が可能でしたが、いつしか臨時列車扱いとなり消滅…時代の流れを感じたものです。
なんとか快速「ムーンライトながら」の指定席券を購入・乗車できたのですが、確か途中から自由席扱いになって車内は地獄絵図だった記憶があります(笑)
近年では臨時の夜行特急列車としてですが、復活の兆しが見えていました。特急「アルプス」が代表例でしょうか。
そんな中で発表された『ルナ・アズール』。専用車両を設けることで、夜の運行では“横になりながら・寝ながら移動できる夜行列車”となります。
今回は報道発表された内容をまとめてお伝えしたいと思います。
運行開始まで1年を切っています。旅の計画の参考になれば幸いです。
最後のまとめにおいて、少々長くなりますが“夜間の移動手段の時代背景”を簡単に述べていますので、興味があればぜひご覧ください。
前提として、この列車は以下の2つの運用パターンが示されています。
・春季~秋季:夜行列車(夜行特急列車)として運行|品川~青森を結ぶ
・冬季:昼行列車(特急列車)として運行|品川~長野原草津口を結ぶ
今回のブログ記事のメインでは夜行列車(仮に夜行列車モードと記載)をメインにお伝えします。
更新履歴
2026年6月15日:当ブログ記事公開
車両は「E657系電車」を改造 シートをフルフラットにすることでベッドスタイルにできる
最初に車両についてご紹介しましょう。
『ルナ・アズール』用に改造された「E657系電車」
出典:JR東日本
『ルナ・アズール』で活用する車両は、常磐線を特急「ひたち」「ときわ」として活躍する「E657系」の1編成10両を改造しています。
完全な新型車両とは言えないですが、新たに“プレミアムグリーン個室”・“グリーン個室”・“ラウンジ/販売スペース”を設けています。
最大の特徴は、プレミアムグリーン個室・グリーン個室ともにシートをフルフラットさせることでベッドスタイルを実現させること。
横になって移動することができるのです(寝ながら移動って究極のスタイルですよねw)。
「サンライズ瀬戸・出雲」のような寝台特急ではありませんが、「WEST EXPRESS 銀河」の“グリーン個室(プレミアムルーム)”のようなイメージでしょうか。
出典:JR東日本
公開されている編成図を元に見てみましょう。
あくまで画像からの印象ですが、長時間乗車を前提にしているのか客室はオシャレかつ暖かみのある印象です。
プレミアムグリーン個室(ルナ・プレミアム|ルナ・プレミアムワイド)
ルナ・プレミアム(夜の運行時1名/昼の運行時2名)
1号車のみに設定されている「ルナ・プレミアム」。
編成図を見るとおそらく1室しか提供されません(1号車の一番デッキ寄り)。
夜行列車モードでは全体の乗車定員が125名(後述)と奇数になっているのも根拠と言えそうです。
完全プライバシーな個室空間。1人でシートをフルフラットにして優雅に過ごす…最も贅沢な利用方法と言えるでしょう。
ルナ・プレミアムを示す画像の判断ができなかったので、追加で公開され次第掲載します。
ルナ・プレミアムワイド(夜の運行時2名/昼の運行時4名)
こちらがルナ・プレミアムかなと思いましたが、最新の発表を見ると「ルナ・プレミアムワイド」っぽいです。
1号車と10号車に設定されます。部屋数は数えてみる限りでは8室ですね。
グリーン個室(ルナ・コンフォート|ルナ・コンフォートワイド|ルナ・コンフォートグランデ)
ルナ・コンフォート(夜の運行時1名/昼の運行時2名)
夜行列車モードでは1名利用を想定しているグリーン個室。
ルナ・アズールで最も多い客席(客室)です。
ルナ・コンフォートワイド(夜の運行時2名/昼の運行時4名)
夜行列車モード2名・昼行列車モード4名用のグリーン個室です。
4名利用時にシートをフルフラットにできるかはわかりませんが、2名利用時にはフルフラットにして横になることを想定していますね。
ルナ・コンフォートグランデ
4号車に設けられる「ルナ・コンフォートグランデ」。
4号車は春季~秋季のみ連結される車両なので夜行列車モード専用運用と言えます。
「グランデ」とは「大きい」「偉大な」という意味があるそうです。転じて4名利用を想定したグリーン個室なのでしょう。
ラウンジ(ルナ・ヴィスタ・ラウンジ)
5号車に設けられるラウンジは販売スペースもある「ルナ・ヴィスタ・ラウンジ」。
販売スペースではドリンクやスナックなどの販売を予定しているそうですが、食事レベルを求めるなら乗車前に済ませておくか、駅弁などを持参することになりそうです。
私なら「シウマイ弁当」を持ち込みますね。当日の消費期限過ぎそうだけど…(笑)
ちなみに「ヴィスタ」とは「展望」という意味がありますね。
ルナ・アズールの運行時期・運行ルート・停車駅について
出典:JR東日本
【春季~秋季】運行形態は“夜行特急列車”
運行エリアは東京~東北方面
春季~秋季のルナ・アズールは東京~東北方面を結びます。
運行形態は夜の運行(夜行特急列車)
夜の運行となるので夜行列車(夜行特急列車)です。
運行区間は品川~青森(上越線・羽越本線経由)
停車駅
品川ー東京ー上野ー大宮ー高崎ー秋田ー弘前ー新青森ー青森
(上越線・羽越本線経由)
上り列車は高崎を通過
上り列車の高崎駅通過は、停車するには時間帯が早すぎるからだと推測します。
ルートは違いますが、東京と東北を結ぶ夜行列車ということで夜行寝台特急(ブルートレイン)「ゆうづる」を思い浮かべる方もいるでしょう。
私は西村京太郎氏の小説、“終着駅殺人事件”で寝台特急「ゆうづる」を知りました。
発着時間・所要時間
・下り:品川駅21時頃発、青森駅9時半頃着|所要時間は12.5時間程度
・上り:青森駅16時頃発、品川駅7時頃着|所要時間は15時間程度
運行頻度は2往復/週
運行頻度は1週間の間に2往復とするようです。
1号車~10号車までの10両編成で運転
10両編成で運転。乗車定員は125名です。
| 設備 | 号車 | 広さ(横になれるフラット面) | 設備愛称名 |
| プレミアムグリーン個室(1名) | 1 号車 | 幅110㎝×長さ190㎝程度 | ルナ・プレミアム |
| プレミアムグリーン個室(2名) | 1・10 号車 | 幅200㎝×長さ190㎝程度 | ルナ・プレミアムワイド |
| グリーン個室(1名) | 2・3・6・7・8・9 号車 | 幅90㎝×長さ195㎝程度 | ルナ・コンフォート |
| グリーン個室(2名) | 4・6・7 号車 | 幅200㎝×長さ190㎝程度 | ルナ・コンフォートワイド |
| グリーン個室(4名) | 4 号車 | 幅200㎝×長さ190㎝程度 | ルナ・コンフォートグランデ |
| ラウンジ/販売スペース | 5 号車 | ー | ルナ・ヴィスタ・ラウンジ |
6号車には1人用及び2人用の車いす対応グリーン個室が計2室あります。
【冬季】運行形態は“昼行特急列車”
運行エリアは東京~群馬方面
冬季のルナ・アズールは東京~群馬方面を結びます。
運行形態は昼の運行(昼行特急列車)
昼の運行となるので昼行特急列車となります。日中走っている特急列車と同じですね。
運行区間は品川~長野原草津口
停車駅
品川ー東京ー上野ー大宮ー高崎ー渋川ー中之条ー長野原草津口
(渋川駅から先は吾妻線を走行)
発着時間・所要時間
下り:品川駅10時頃発、長野原草津口駅12時半頃着|所要時間は2.5時間程度
上り:長野原草津口駅16時頃発、品川駅19時半頃着|所要時間は3時間程度
運行頻度は2往復/週
運行頻度は1週間の間に2往復とするようです。
4・8・9 号車を切り離した7両編成で運転
7両編成で運転。乗車定員は150名です。夜行列車モードよりも乗車定員は多くなっています。
| 設備 | 号車 | 広さ(横になれるフラット面) | 設備愛称名 |
| プレミアムグリーン個室(2名) | 1 号車 | 幅110㎝×長さ190㎝程度 | ルナ・プレミアム |
| プレミアムグリーン個室(4名) | 1・10 号車 | 幅200㎝×長さ190㎝程度 | ルナ・プレミアムワイド |
| グリーン個室(2名) | 2・3・6・7 号車 | 幅90㎝×長さ195㎝程度 | ルナ・コンフォート |
| グリーン個室(4名) | 6・7 号車 | 幅200㎝×長さ190㎝程度 | ルナ・コンフォートワイド |
| ラウンジ/販売スペース | 5 号車 | ー | ルナ・ヴィスタ・ラウンジ |
6号車には1人用及び2人用の車いす対応グリーン個室が計2室あります。
もしかするとシートのフルフラット機能はある程度制限されるかもしれません(横になりながらの移動はできない)。
乗車するには旅行商品としての購入が必要になる予定
JRの特急列車を利用する際は、乗車券のほかに特急券が必要です(例外あり)。
特急券の購入方法は指定席券売機・みどりの窓口・えきねっとチケットレスサービスなどが挙げられますが、『ルナ・アズール』の特急券(指定席特急券)の購入方法は少し異なるようです。
プレスリリースを見ると「旅行商品での販売を予定しています。」と明記されています。
上記の方法ではルナ・アズールの指定席特急券の購入はできないのかもしれません。
もしかすると東北(秋田・青森)エリアのホテル宿泊と組み合わせたり、往復利用が前提のパックとして販売されるのかも?
提供されている客席(客室)はプライバシー性能が高いので、一般的な特急列車のような「誰が隣に座るかわからない」を想定から外しているのかもしれません。
【ちょっとマニアック】本州を夜行列車だけで縦断することが可能になる?
本州で夜行特急列車・寝台特急を乗り継ぐことも可能?
出典:JR東日本|JR西日本
『ルナ・アズール』の夜行列車としての運行は東京(品川)~青森と判明したわけですが、鉄道マニアの方々ならすぐに思いつくでしょう。
ルナ・アズール|サンライズ瀬戸・出雲|WEST EXPRESS 銀河を乗り継ぐと本州を夜行列車のみで移動できちゃうということに(笑)
「サンライズ瀬戸・出雲」はご存じ2026年6月時点で毎日運行されている唯一の寝台特急列車。
最近は旅行商品として販売されていたり、JRおでかけネットで事前に予約・購入ができるようになっています。
「WEST EXPRESS 銀河」は旅行商品がメインで、JRおでかけネットでも事前に予約・購入ができるプランもあるそうです。
各列車を乗り継ぐ場合、駅で即乗り換えというわけにはいかず、おそらく長時間の足止めを強いられることでしょう。
そうなると個人的には仮に旅行商品を組み合わせて購入したとすると、乗車券の扱いが気になります。
JRにおける乗車券の扱い
・片道の営業キロが101km以上の場合、途中下車が認められる
・距離に応じて期日が設けられる(200キロまで=2日|400キロまで=3日|600キロまで=4日…)
・1001キロ以上は200キロごとに1日を加える
合間にスパ・サウナを楽しむのもいいかも?(笑)
まとめ
今後も夜間の移動手段に“質”を求める需要は増えると思われる
いかがでしたでしょうか。
私は移動を専門にしている…というとちょっとオーバーですが、より快適な移動を求める私の理想は「寝ながら移動・起きたら目的地」です(笑)
おそらく大勢の方がそう思っていることでしょう。寝て起きたら目的地…最高ですよね。
しかし“寝ながら移動”の代名詞的存在であった寝台特急や夜行列車は姿を消していきました。
その背景には景気の冷え込みもあるのでしょうが、ものすごく安く移動できる「観光型夜行バス」の台頭が相当大きかったと認識しています。
“観光バス会社がツアーの一部として実質的に夜行バスを運行する”というものでしたが、高速路線バスと比較すると労働規制が緩かったのです。
人件費を浮かせることで安さを提供できていました。
そして2012年、関越自動車道で発生した居眠り事故をきっかけに制度が大きく見直されました。
このあたりで消費者は気が付いたのでしょう。「安さも大事だけど安全はもっと大事だよね」と。
私も過去に4列シートの観光型夜行バスを利用しましたが…翌朝は身体がバキバキでしたね(笑)安かったけど、、、
ただし安全なのは基本当たり前なので、そこに「“質”という付加価値」を提供する流れが生まれました。
偶然にも、安全性と上質なサービスが実現できている移動手段がすでに確立されていました。
寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」です。
今では大人気すぎて利用困難な移動手段となっていますが、そこでJR東日本が放つ次なる一手が『ルナ・アズール』なのでしょう。
どちらかというとJR西日本の「WEST EXPRESS 銀河」に近い存在ですが、春季~秋季(品川~青森)は横になって寝ながら移動できる夜行列車であることは間違いありません。
結び
長くなりましたが、移動における選択肢が増えるのはいいことです。
まずは難しく考えず、一生の思い出に残るであろうこの夜行列車に注目してみてはいかがでしょうか。
夜行特急列車『ルナ・アズール』は、2027年度初(つまり2027年4月)から運行開始です。
参考出典リンク集
JR東日本報道資料(2026年6月9日発表):https://www.jreast.co.jp/press/2026/20260609_ho04.pdf
JR東日本報道資料(2025年6月10日発表):https://www.jreast.co.jp/press/2025/20250610_ho03.pdf
JRおでかけネット:https://www.jr-odekake.net/







