いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。
今回のブログ記事は鉄道乗車記。東急線の座席指定サービス『Q SEAT(以降:Qシート)』が主役です。
ガラガラだと噂の『東横線Qシート』。確かに乗車区間と時間を見てみると…。
限られた曜日・時間の乗車なのですべてを理解したわけではありませんが、その価値はあるのかどうか実際に乗車してみました。
そもそも京浜間に限定して考えてみると、「有料座席指定サービス」の利用って馴染みが薄いのではないかと思っています。
京急の「ウィング号」くらいでしょうか。しかし遠近分離のためかウィング号は横浜駅を通過。通勤ライナー的なJR東日本の特急「湘南」も横浜駅を通過(そもそも経由しない列車も)。
JRの「普通列車グリーン車」には着席保証がありません。
つまり「横浜駅」には通勤ライナーどころか有料座席指定サービス列車すらまともに存在していなかったのです。
(土日祝日には埼玉・秩父方面を結ぶ「Sトレイン」はありますが…)
そんな横浜駅に停車する有料座席指定サービス『東横線のQシート』に触れてみたいと思います。
東横線Qシートはこんな感じ
平日の夜に運行(10両編成 急行の1車両を座席指定に)
自分へのちょっとしたご褒美に
スマホやタブレットなどの充電可能
乗車したQシートは確かにガラガラ(Qシートが2両の時に取材)
乗車距離・時間に対して500円はちと高い印象
ドアカットすればなぁ(静粛性がキープできる)
乗車日及び乗車ダイヤ
2024年3月18日(月)
213号【渋谷】21:35発 ⇒【横浜】22:09着 ⇒【元町・中華街】22:17着
横浜⇒元町・中華街はフリー区間
筆者撮影機材
iPhone14 Pro Max
更新履歴
2024年4月2日:当ブログ記事公開
2024年5月7日:東横線 Qシートの運用が変更されることを反映
【概要】『Qシート』ってなに? 東急線の有料座席指定サービス
『Qシート(Q SEAT)』は東急電鉄が提供する「有料座席指定サービス」。2018年12月14日から平日の夕方以降、大井町線 大井町 発 急行の一部列車(田園都市線直通 長津田 行き)でサービスが開始されました。
東横線は2023年8月10日よりサービス開始。大井町線と同じく平日のみの運行。
東横線では18時~21時台に渋谷を始発とする列車(みなとみらい線直通 急行 元町・中華街 行き)で7本が運転されています。
大井町線が大井町 17時発からQシートサービスを提供しているのに対し、東横線は18時台からスタート。
しかし10両編成の内、4号車と5号車をQシートとする大胆な仕様。Qシートの定員は1両45名なので倍の90名が利用できることになります。
2024年5月7日(火)以降は5号車のみがQシートになりました。一方で18時35分発と19時05分発にQシートを増発しています(いずれも渋谷 始発)。
渋谷⇒横浜の東横線内は乗車・降車可能区間、直通先のみなとみらい線内はフリー乗降可能区間(追加料金なしで利用できる❝乗り得車両❞)となっています。
気になる列車指定券(座席指定券)の料金は一律500円(大人・小児 同額)。高いか妥当か安いか…人や状況によって評価は分かれるところでしょう。
東横線Qシート
東横線⇒みなとみらい線直通「急行 元町・中華街 行き」
5号車がQシート
定員は45名
渋谷⇒横浜の東横線内は乗車・降車可能区間
みなとみらい線内はフリー乗降可能区間
料金は一律500円(大人・小児 同額)
筆者撮影
ちなみに、『Q』とは「東急のQ(TOQビジョンなど)」「Quality」「Quick」から。「Quick(速い)」はちと微妙ですが(笑)
【運転区間と時刻表】東横線 急行として平日の夜7本運行中【2024年5月7日現在】
『Qシート』の運転区間と時刻表 出典:東急電鉄
お伝えしている通り、『東横線Qシート』は東横線・みなとみらい線を「渋谷 始発の急行」として運転します。
(東横線の急行は「隔駅停車」と言われてるとか…)
10両編成の内、4号車と5号車がQシートです。
2024年5月7日(火)より5号車のみがQシートになりました。一方で運行本数が5本から7本へ増発しています。
主要駅の時刻だけ書き出しておきます。
平日運転
183号【渋谷】18:35発 ⇒【横浜】19:08着 ⇒【元町・中華街】19:17着
191号【渋谷】19:05発 ⇒【横浜】19:39着 ⇒【元町・中華街】19:47着
193号【渋谷】19:35発 ⇒【横浜】20:09着 ⇒【元町・中華街】20:18着
201号【渋谷】20:05発 ⇒【横浜】20:39着 ⇒【元町・中華街】20:48着
203号【渋谷】20:35発 ⇒【横浜】21:09着 ⇒【元町・中華街】21:17着
211号【渋谷】21:05発 ⇒【横浜】21:39着 ⇒【元町・中華街】21:48着
213号【渋谷】21:35発 ⇒【横浜】22:09着 ⇒【元町・中華街】22:17着
すべて渋谷 始発
横浜⇒元町・中華街はフリー乗降区間
渋谷から横浜まで30分少々、元町・中華街まで乗り通しても40分少々。確かに500円という座席指定料金は高いという印象かもしれません。
しかし東急東横線と言えば渋谷~横浜を結ぶドル箱路線。途中駅も全国的に有名な地名・駅名ばかりが並び「私鉄最強(メトロ除く)」という声もあるほど。
そんな東横線、私も東横沿線の人間なのでなんとなくわかりますが、渋谷方面だろうと横浜方面だろうと基本的には混雑している印象。ましてや帰宅ラッシュの時間帯…混雑しないわけがありません。
【乗車記】実際に乗車してみた
それでは今回のブログ記事の本題、『Qシート』に乗ってみましょう。
本当は自宅の最寄り駅までのつもりでしたが、せっかくなので元町・中華街まで乗り通してみることに。
(どうせ運賃も経費扱いで計上するし…)
【始発駅・渋谷】横浜方面からの折り返しで入線 横浜方面⇒渋谷は❝乗り得車両❞に
筆者撮影
渋谷駅ホームにやってきました。
私が乗車するタイミングでは、Qシート車両付きの電車が横浜方面から「渋谷 止まり」として4番線に入線。つまり折り返し列車ということになります。
横浜方面からは通常の急行として運行されているので、クロスシートの後ろ向き乗車ですがQシートは❝乗り得車両❞となってます(基本はロングシートモード)。
東横線内での乗降は各車両1ドアのためご覧のような「幕」が張られています。
乗車ドア前で係員の方に指定券(の購入後の画面)を見せてQシートへ乗り込みます。
【座席】Qシートはいわゆる「デュアルシート」
Qシートの座席をご紹介しましょう。
「東急5050系4000番台」と呼ばれる通勤型電車で運行されており、10両編成中の4号車・5号車をQシートサービス車両としています。
2024年5月7日(火)以降は5号車のみがQシートとなっています。
東横線は渋谷寄りが1号車で横浜寄りが10号車です。なのでQシートサービス時は5号車の方が前ということになります。
筆者撮影
Qシートは「L/Cカー」と呼ばれる車両で、ロングシート/クロスシートどちらにも対応できる「デュアルシート」となっています。
そのためかリクライニングはできずアームレストは外側のみと致し方ない部分はあります。
(京王ライナーではリクライニング可能なシートを導入しまたね…)
筆者撮影
荷棚に座席番号が振られているので指定した(指定された)シートに座りましょう。
荷棚が普通の「網棚」と比較すると高級感があります。わざとらしくバッグを置いてみましたがなんだか気分がよかったです(笑)
筆者撮影
足元のスペースはぼちぼち。身長172㎝の私は特に窮屈とは感じませんでしたが、通路側の方が足を伸ばすことができます。
座席幅は460㎜。ヘッドレストは程よいクッション性があって見た目に反して(?)かなり快適でした。
シートは向かい合って座ることもできます。
一番ドア寄りのシートは「ハズレ席」。カップホルダーはなく外側は窓枠もなく足元スペースも狭くなっています。コンセントはありますがシートの真下に設置されています。
車両端のシート(いわゆる「優先席」ポジション)もQシートのサービス対象です。カップホルダーはありません。
Qシート運用時は優先席扱いはありません。座席幅はちょっと広い505㎜となっています。
【車内設備】カップホルダーとコンセント カップホルダーは一部の座席に設置
筆者撮影
最大40分少々のクロスシートモード。リクライニングこそしないもののちょっとだけでも優雅に過ごしたい。
カップホルダーとコンセントがその「ちょっとだけ」を演出。
カップホルダーは意外としっかりとした造り。コンセントのおかげでスマホやタブレットの充電も問題なし。
(試していませんがノートパソコンの充電あるいは給電も可能)
私のサブスマホがリアルに電欠寸前だったので助かりました。
カップホルダーは一部の座席に設置
コンセントは全席設置
【Wi-Fi環境】速度は最低限 容量の軽い動画視聴程度まで
筆者による測定結果
QシートにはWi-Fi環境が用意されていますが、スペック自体は他社の有料特急のそれには及びません。
動画の4k視聴は期待できないですね。HD(1080p)程度でしょうか。
まぁ乗車時間を考えればそれほど不足するとも言えないので致し方ないかもしれません。
筆者のスマホ画面
ところでWi-Fiに繋げようとすると、それっぽいネットワーク名が2つ出てきます。
「QSEAT」を選択してください。特にパスワード入力も必要なくすぐにフリーWi-Fiが使えます。
もう1つの方は使用できません。
【乗車してみて】確かにガラガラ…優越感こそ得られるがドアカットをしないので思いのほか静かではない
お待たせしました。渋谷駅を出発です。
渋谷を出発した時点で私が乗車したQシート車両には9名の乗客。ガラガラです。
急行 停車駅
【東横線】
渋谷⇒中目黒⇒学芸大学⇒自由が丘⇒田園調布⇒多摩川⇒武蔵小杉⇒日吉⇒綱島⇒菊名⇒横浜
【みなとみらい線】
横浜⇒みなとみらい⇒馬車道⇒日本大通り⇒元町・中華街
みなとみらい線はフリー乗降区間
停車駅を見ると東横線(渋谷⇒横浜)区間、30分少々の間に途中9駅に停車。
次の中目黒では3名が乗車。5号車には12名を乗せて横浜方面へ向かいます。
実はこれ以上Qシートに乗車する乗客はいませんでした。武蔵小杉・菊名・横浜で私以外は全員降車。
筆者撮影
ちょっと残念だったのがドアの扱い。Qシートは1ドアでしか乗降できないため、誤乗車を防止するために「幕」を設置しています。
逆に言えば停車時はドアは開いてしまうということ。ドアカットしないのですね…。
東横線 急行は頻繁に停車するので、ドアカットをしてもらった方がより静かで快適な車内を提供できると思ったのですが…。
まぁそれは仕方ないとして、前方6号車の混雑具合を覗くとQシート利用時の優越感はなかなかのものでした。
車内の明るさは『Qシート』が優しめな印象
筆者撮影
みなとみらい線は❝乗り得車両❞なのに乗客は私だけ。
快適に元町・中華街に到着。一度改札を出る前に自販機で飲み物を買って考えてみました。
Qシート指定券
指定券500円(大人・小児 同額)
この乗車区間・時間・環境に500円の価値があるかどうか…
正直「とにかくお勧めだよ!」とは言えないですね。
確かに混雑車両に乗り込むのは嫌ですが、長時間というわけでもないので割と耐えれてしまいます。
その時・その状況により評価は分かれるところでしょう。乗車率が物語っていると思います。
【アプリダウンロード】指定券購入はアプリ決済(クレジットカード決済)が断然便利!
出典:東急電鉄
『Qシート』の指定券を購入する方法は2つ。窓口(一部の駅)で購入するかネットで購入(チケットレスサービス)するか。
私は断然「チケットレスサービス」をおすすめします。さらに言うとアプリで購入・決済がもっとも楽チンでしょう。
決済は会員登録時に設定したクレジットカードで行います。
アプリをダウンロード(以下にバッジあり)⇒会員登録・クレジットカード登録を行います。
それではアプリ利用を前提とした『Qシート』の指定券購入手順をご紹介しましょう。
筆者のスマホ画面/出典:東急電鉄
決して難しくないので、東横線・大井町線で『Qシート』を利用する方はアプリのダウンロードをお勧めします。
「東急線アプリ」は以下の各バッジからダウンロードできます。
東横線アプリ ダウンロード
指定券販売駅の窓口
渋谷駅/中目黒駅/学芸大学駅/自由が丘駅/田園調布駅/多摩川駅/武蔵小杉駅/日吉駅/綱島駅/菊名駅/横浜駅
まとめ
結び
確かに私にとってはものすごく高評価というわけではありません。「もう一歩何か付加価値があれば…」と思ったのが本音です。
それは500円という料金をもっと安く(例えば300円)かもしれませんし、500円乗ってより損はない!ということかもしれません。
しかし平日の帰宅ラッシュ時に「横浜方面に座席指定列車(車両)が運転されている」というのは意欲的な取り組みではないでしょうか。
ぜひ平日だけでなく、土日祝日の運用や横浜方面⇒渋谷への運用にも発展してもらえたらと思います。
その時にはぜひ「リクライニング機構」の採用を(笑)
『東横線Qシート』。たまには自分へのちょっとしたご褒美で利用してみてはいかがでしょうか。
私が乗車したタイミングは思った以上にガラガラでしたが、これをきっかけにやりたいことがあるのでしょう。そう信じています。
参考出典リンク集
東急電鉄:https://www.tokyu.co.jp/railway/
有料座席指定サービス『Qシート』:https://www.tokyu.co.jp/railway/ticket/types/q_seat/