いつもご覧くださり、ありがとうございます。溝口将太です。
X(旧Twitter)などのSNS上で話題になりましたが、『京急1000形1421編成』が“リクライニングレバー付きL/Cカー(デュアルシート)”として更新されました。
当時は(旧)1000形と混在していたことから“新1000形”と呼ぶファンもいます。
当ブログ記事では公式に合わせて「1000形」と表記します。
“L/Cカー”とはロングシートとクロスシートを両方に転換可能なタイプの座席。“デュアルシート”の方がわかりやすいかもしれません。
パッと思いつく限りでは、東急では「Qシート」。京王では「京王ライナー(5000系)」。西武では「S-TRAIN(40000系)」。東武では「50090型」にそれぞれ“L/Cカー”が充当されていますね。
京急では「1000形1890番台」で初めて“L/Cカー”が登場。トイレ付車両ということも相まってかなり話題になりました。
そんな京急の“次なるL/Cカー”がまさかの更新車で登場。
「京王ライナー」の一部編成がリクライニングレバー付きシートを採用していますが、ぶっちゃけ全く同じ仕組みが京急でも採用されました。
『京急1000形1421編成』(以下:1000形1421編成)は2005年に製造されたアルミ車で、今回で2度目の車両更新を受けたようです。
予想できた人…いないでしょ(笑)
参考「車両更新」
既存の鉄道車両やバスなどの車体・機器を、大規模な改修や交換によって新しくすること
車両の寿命を延ばし、快適性や機能を向上させることが主な目的
修繕や改修と異なり、交換を伴うのが特徴。コストを抑えつつ新造に近い状態に近づけることができる
そんな『1000形1421編成』に偶然乗り合わせることができたので、簡単な乗車記をお届けします。
今のところ通常の運用が4両編成の“普通(各駅停車)”だったり、“快特”の増結車だったりなので狙って乗車するのは稀かもしれませんが、“多目的スペース”を含めてまぁよくできているのではないかなぁと思いました。
あ、「1000形1890番台」のようなトイレはありません。
まぁ相変わらず京急らしいというか、いい意味で変態企業というか…他社じゃやらないだろうなぁという感じでした(笑)
乗車日
2025年10月29日(水)
筆者撮影機材
iPhone14 Pro Max
撮影には安全を最優先しております
更新履歴
2025年10月30日:当ブログ記事公開
更新を終えた『1000形1421編成』に乗車 “L/Cカー”となり大半のシートにリクライニングレバー装着
京急では浦賀方が1号車で品川方が4号車
筆者撮影
2025年10月29日(水)、横浜市内で所要を済ませた私は京急に乗って帰るのですが、偶然にも車両更新を終えて話題にもなった『1000形1421編成』がやってきました。
それほど時間があったわけでもなく、乗客も多かったので可能な限りの撮影ですが中身を見てみることに。
4両編成の“普通”としてやってきました。各駅停車ですね。
ロングシートモードのシートに“リクライニングレバー”が設置されている
筆者撮影
シートはロングシートモードとして運用。
“L/Cカー(デュアルシート)”なので、例えば「イベント列車」や「ウィング号」として運行される時はクロスシートモードになるのでしょう。
車内が「1890番台」より広く感じるのは気のせいでしょうか?
パッと見る限りシートそのものは「1890番台」のそれがそのまま充当されているような印象。
カラーやデザインも同じ。特徴的なヘッドレストも継続採用されています。
コレ、他社とは一味違うので好きなんですよ(笑)
アームレストにリクライニングレバーが設置されていました。ロングシートモード時は使用できないようロックされているようです。
シートそのものは「1890番台」のそれと言いましたが、座り込心地が少し硬くなった気がします。
というのも、リクライニング機能が搭載されたことでフレーム構造が若干変わった可能性が浮かんだからです。
気のせいかもしれませんが…。
筆者撮影
リクライニングレバーが装着されたのはいいのですが、クロスシートモード時に使える“回転レバー”が見受けられません。
シートの土台を見ると…ありました。画像の青枠で囲ってあるバー状のペダルがクロスシート時に展開されるようになっています。
「1890番台」ではバーを手で操作することで回転ロックが解除になっていますが、『1000形1421編成』では足で踏み込んでロックを解除する仕組みになっています。
土台にはコンセントも設置。1890番台同様、クロスシートモード対応時で前後に2つずつ(計4つ)設置されています。
これにより進行方向どちら向きでも必ずコンセントが使用できるようになっています。
通電はされているようでした。
クロスシート運用時を想定した配置なので、ロングシートモードではほとんど使う機会はないでしょう。
その気になれば使用できますが…。
筆者撮影
ちょっとわかりづらいですが、シートの裏には“ドリンクホルダー”が隠れていました。
これらの仕組みは「京王ライナー」のリクライニングシート編成と同一のものとなっています。異なるのはシートの形状。
まぁ「1890番台」もそうですが同じ会社(コイト電工株式会社)と契約しているということですね。
クロスシートとして固定されている座席もある 向きを変えることもできない
筆者撮影
「1890番台」ではトイレに当たる部分の半分。
2号車と3号車の両端というか…『1421編成』ではほぼ真ん中に位置するところに“固定クロスシート”がありました。
2号車が浦賀方、3号車が品川方に向いているので、どちらかが必ず進行方向逆向きになります。
足元はつま先が入るスペースが設けられているので、思ったほど足元の空間は良好。
リクライニングレバーも回転ペダルもないので完全に固定されているのでしょう。
筆者撮影
コンセントはシート下の土台にちゃっかり2つ設置。通電もされていました。
荷物棚には大きな特徴はありません。
座席番号も振られていないので、今後は番号シールが貼られるかもしれません。
個人的には大きな窓からの景色も楽しめるので、ロングシートモード運用時では“アタリ席”だと思っています。
“多目的スペース”を設置 車椅子やベビーカー利用には嬉しい配慮
筆者撮影
もう半分は“多目的スペース”が設置されています。フリースペースですね。
撮影できませんでしたが、優先席は青色となっています。
車椅子やベビーカー利用の方々にも優しい配慮だと感じます。
コンセントが設置されていますが、私が試した時は通電されていませんでした。たまたま?
さらにSOSボタンを設置。緊急時に係員(車掌さんでしょうか?)と通話することができます。
“展望席の窓”は結果的に大きくなったが、つま先を入れるスペースはなし
筆者撮影
最後に“展望席”(通常:かぶりつきシート)を見てみます。
こちらもリクライニングや回転ができない固定式となっていますが、「1890番台」と比較すると結果的に窓が大きくなっています。
その代わりつま先を入れるスペースが省かれたままなので、中間車両の固定クロスシートより若干窮屈です。
土台にはコンセントが設置されています。
コンセントは前後左右で計8つあるので、展望席の後ろで立っている乗客もその気になればコンセントが使えます。
まとめ
結び
いかがでしたでしょうか。
簡単ではありますが『京急1000形1421編成更新車』の乗車記をお届けしました。
使う使えないは別として、相変わらずコンセントだらけの車両でしたね(笑)
京急では通常のロングシートが「フカフカシート」と呼ばれるほど座り心地のいいものなので、あえて狙って乗車するほどではないかなぁというが率直な感想です。
やはり真価を発揮するのはクロスシートモードの「ウィング号」として運用される時でしょう。
トイレはありませんが…。
とはいえ“京急初のリクライニング機能付きシート”が登場したというのは、大きなトピックスと言えるのではないでしょうか。
完全新型車両…2100形の後継をそろそろ考えてもいい時期だとは思うので、生きている間に拝めるのではないかとちょっとだけ期待して今回は終わりにしたいと思います。
ちなみに…どうしても『1000形1421編成更新車』狙いたい方はこちら(京急線運用情報)をご覧ください。
参考出典リンク集
京急電鉄:https://www.keikyu.co.jp/
コイト電工株式会社 ロング&クロスシート:https://www.koito-ind.co.jp/product/train/cross_seat.html
京急線運用情報:https://loo-ool.com/rail/KH/
