いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。
久しぶりに日帰りで温泉かサウナでも行こうと思ったのですが、遠征の意味も込めてSL機関車に乗車してから温泉に入ることにしました。
今回乗車するのは東武鉄道が企画・運行している『SL大樹』。今後も定期運行の充実化に向けた取り組みやSL機関車の復元作業など力を注いでいる観光資源です。
SL大樹には乗車したことがなかったのですが、まずはこのSL大樹に乗車するために下今市駅へ特急で向かいます。
特急「リバティ」で北千住から下今市へ
この日は2021年9月26日(日)。朝7時30分に東武線 北千住駅ホームにやってきました。東武線の北千住駅の下り線は特急専用ホームがあるのでそちらに移動します。
乗車する列車は、特急「リバティ」105号 鬼怒川温泉行き。北千住を7時42分発で下今市には9時13分着です。この特急「リバティ」105号に乗車すると下今市9時33分発「SL大樹」1号に乗車可能です。
偶然知ったのですが、田園都市線・あざみ野6時09分発の各駅停車 東武動物公園行きに乗車すると、春日部で特急「リバティ」105号と接続します。
東武500系 特急「リバティ」とは 私鉄最長乗車時間を誇るダイヤも
せっかくなので特急「リバティ」を簡単にご紹介します。
出典:東武鉄道
「リバティ」は東武鉄道が運用する特急型列車「500系」の愛称です。営業開始日は2017年4月21日で、2021年9月現在において東武線の最新型特急車両として活躍しています。
東武線としての特急型車両の新造は東武100系電車以来、実に26年振りです。
東武500系は観光・通勤需要に応じると同時に、東武鉄道の特徴でもある広域な路線ネットワークを活かすために併結・分割機能を前提として設計されています。
具体的には3両+3両の6両編成とすることで淺草方面からは6両での運行を行い途中で分割、それぞれの目的地へ。
逆にそれぞれの地域からは3両編成で運行し、途中で併結、6両編成で淺草方面へ…というような運行形態です。成田エクスプレスと同じような運行方法ですね。
愛称「リバティ」の由来は、併結・分割機能を活かした多線区での運行を表す「Variety」と、路線を縦横無尽に走り回る自由度の高さを表す「Liberty」を組み合わせた造語だそうです。
余談ですが、特急「リバティ会津」128号は会津田島ー浅草の所要時間が3時間34分となっており、これは私鉄特急で最も長い時間を乗車する特急として君臨しています。
ただし東武線単体としてではなく、野岩鉄道・会津鉄道へ直通しているという条件を含みます。
特急「リバティ」の特急料金 浅草ー下今市・東武日光・鬼怒川温泉は1,470円
北千住ー下今市の特急「リバティ」の特急料金は1,470円です。これは浅草・とうきょうスカイツリーから乗車しても同額です。さらに東武日光・東武ワールドスクウェア・鬼怒川温泉で降りても同額です。
もっと言うと、浅草ー東武日光・鬼怒川温泉の特急「リバティ」の特急料金が1,470円となっています。
特急券はチケットレスサービスを利用して購入しました。
特急「リバティ」乗車記 ビジネスユースに配慮した車内環境
北千住駅の特急専用ホームに入線する特急「リバティ」 筆者撮影
今回はこちらの座席に。下今市まで快適な列車旅を楽しみます。
- 赤丸はリクライニングスイッチ
出典:東武鉄道/筆者撮影
リバティには全席にコンセントが設置、Wi-Fiも完備されています。移動中はパソコンの充電を気にすることなくネット鑑賞や作業が行えますが、ところどころネットが途切れる場面はありました。
シートのリクライニング角度はそれなり…です。
- コンセントは足に干渉することも
実際の作業環境 筆者撮影
実際の作業風景はこのような感じ。コンセントは設置個所の関係でケーブルが足に干渉してしまう可能性があります。列車が全体を通してそれなりに揺れるのでパソコン作業が行いづらい場面もありました。
座り心地は若干硬め。長時間乗車でも疲れにくい設計を意識していると思います。
- 窓は十分な大きさ
- JR日光線と交差
- 車両端には荷物置き場
筆者撮影
窓枠が気になるシートも存在しますが車窓はこのような感じ。荷物置き場が設置されている(2号車・5号車は形状が若干異なる)ので大きな荷物を持参している時に重宝します。
リバティには車内販売が一切ありません。自販機もありません。前もって食料・飲料は購入しておくといいでしょう。
SL大樹1号に乗車
筆者撮影
下今市にやってきました。2番線ホームから「SL大樹」に乗車して鬼怒川温泉へ向かいます。
SL大樹 ホーム入線と転車台180度回頭を動画でご紹介
- JR北海道から借り入れている蒸気機関車 C11形 207号機
- 真岡鐡道から譲り受けた蒸気機関車 C11形 325号機
出典:東武鉄道
現在、東武鉄道では2機の蒸気機関車(SL機関車)と2機のディーゼル機関車(DL機関車)が活躍していますが、今回はSLに焦点を当ててご紹介します。
Slとは「Steam Locomotive」の頭文字をとって「SL」としています。
SL大樹1号 下今市駅2番線ホームへ入線
やってきたSL大樹1号は「カニ目」の愛称で親しまれているC11形207号機でした。
SL大樹 転車台による180度回頭
日常ではなかなかお目にかかれない蒸気機関車ですが、東武鉄道では下今市と鬼怒川温泉の転車台で180度回頭シーンを見ることができます。
下今市駅構内にある転車台とSL展示館は改札を出ることなく見学可能 筆者撮影
鬼怒川温泉駅はもちろん観光地への重要な玄関口ですが、下今市駅もある種の観光地として素晴らしい所です。SLの秘密を学べる「SL展示館」やSLの向きを変える「転車台」、SLの車両基地である「SL機関庫」は一度見ておきたいものです。
これらは下今市駅の改札を出ることなく見学可能です。
1号車・3号車は国鉄14系客車
それでは客車について見ていきます。
- 製造当時を再現された塗装
- ぶどう色2号
出典:東武鉄道
「客車」という言葉は今でも使われているのでしょうか?あまり聞かないですよね(笑)
私はこの青い車体に白いライン塗装を見ると「ブルートレイン」を思い出します。あちらは寝台車でしたが、よく横浜駅東口までバイクを転がして寝台特急を眺めたものでした。
JRが国鉄時代から使用していた国鉄14系客車を譲り受け、SL大樹の客車として活躍しています。
筆者撮影
車内はこのような感じ。可能な限り当時のものをそのまま使用あるいは再現されているそうです。レトロな雰囲気がたまりません。
- シートはリクライニング可能
- リクライニングは白いレバーで操作
- 背もたれが下がり座面が前に出る
筆者撮影
シートはリクライニングが可能で何十年前の設計なのにしっかりしています。「昔に作られたものは丈夫だなぁ」と改めて感じました。
2号車は14系客車「ドリームカー」 新型コロナ感染症対策のため座席販売は休止中…でも?
2号車はJR北海道で夜行急行列車「まりも」「はまなす」で活躍していた14系客車「ドリームカー」。14系客車を夜行列車用として改造された経緯を持つ車両です。
1号車・3号車よりも豪華な仕様でSL大樹における”乗り得”車両。座席指定料金は同じ760円なので「同じ金額を払うなら上等な座席に…」と思ったのですが、、、
これはほとんど予約が取れない状況です。少なくとも私が見た限りでは座席の予約が取れませんでした。
当初私は旅行代理店が買い占めているのかなと思っていたのですが、そうではなく新型コロナウィルス感染症対策のために販売を休止していました。
そして座席指定席券を持参していればこのドリームカーを自由に利用できることがわかりました。
このことを公にしてしまうと、ドリームカーに人が集中してしまうので公式アナウンスは行わないとしているそうですが、まぁ私のブログをご覧になって知ったという方はどうぞドリームカーにお座りください(笑)
筆者撮影
2号車のドリームカーの車内はこのような感じ。1号車・3号車よりも明らかに豪華でシートも大きくピッチにもゆとりがあります。間違いなく乗り得車両です。
筆者撮影
もちろんリクライニング可能でドリームカーにはフットレストまで完備。靴のまま乗せるタイプで端のレバーを使えば高さ調節も可能です。
私のお気に入りはラウンジスペースでした。
車窓の撮影を試みたのですが、カメラの曇りと、(こんなこと言ってはいけないのですが)窓の汚れが映ってしまい断念しました。
SL大樹にはWi-Fi・コンセントはありませんが、乗車時間そのものは観光アテンダントさんたちのおもてなしや案内もありとても素晴らしい時間でした。機会があれば乗ってみてください。
鬼怒川を渡る時だけスマホで撮影しました。晴れている時にまた乗車したいものです。
次のページでは座席指定料金と販売開始日、オススメ座席についてお伝えします。