いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。
東京第1号として日本交通がタクシーによるデリバリーを期間限定で始めました。対象店舗は麻布十番にある「富麗華」と丸の内・六本木・青山に展開されている「ウルフギャング・ステーキハウス」です。それぞれ配送料の仕組みが違うのですが、詳しくは明日ブログでお伝えします。
— 溝口将太 (@mizoimp) April 28, 2020
Twitterでこのように述べている通り、タクシー会社大手の「日本交通」が2020年4月25日(土)~同年5月13日(水)までの短期間限定ではありますが、東京都内第1号としてデリバリーサービス対応を開始しました。
日本では「デリバリー」という言葉を聞くと食事の配達や出前のことを連想されると思いますが、この件もその例に漏れず、タクシーによる食事の配送を意味します。
その経緯を簡単に説明しますと、新型コロナウイルス感染拡大によりタクシー需要が大幅に減少したことを受け、国土交通省が飲食店の宅配をタクシーが請け負う「有償貨物運送」の特例を期間限定で認めました。すでに地方では請け負うことを発表した後ではありますが、この特例は2020年4月21日付で発表されました。この迅速な流れにタクシー業界の発言力・影響力を実感しました。
今回は東京都内で開始されたデリバリーサービスの概要をお届けします。対象店舗は「富麗華」「ウルフギャング・ステーキハウス」です。実はそれぞれ配送料の中身が異なるのですが、その点を中心にお伝えしたいと思います。
日本交通株式會社
今回、東京都内初の「有償貨物運送」によるタクシーデリバリーを開始することになりました。その背景には飲食店の営業自粛とタクシーの稼働自粛による大幅な売り上げ・需要低下を少しでも補填できれば…という想いが重なっていると思われます。さらに外出自粛を応援できればという社会的貢献も視野に入れていることに間違いはないでしょう。
以下は日本交通から発表されている内容です。
都内初のタクシーデリバリー
新型コロナウイルス感染拡大防止による自粛要請等に伴い、飲食店等において飲料・食料等の配送等に係るニーズが増加しています。この状況を踏まえて2020年4月21日に国土交通省から緊急事態宣言期間に調整期間を加えた期間に限り、タクシー事業者による有償貨物運送を特例的に認める通達が出され、日本交通が翌4月22日に都内第1号として許可されました。
タクシーだから、配送コストが安定的で提供エリアが広い
配送手数料は一般には商品金額に対する率で決まりますが、タクシーは距離と時間から決まるので、高い商品でも一定の配送コストに収まる利点があります。レストラン側も負担軽減され、顧客への価値提供に注力でき、また提供可能エリアが広く、プロドライバーが配送する安心感もあります。
個別移動インフラとしての価値で、社会に貢献します
日本交通では、これまでも移動の付加価値を高める取り組みを行ってきましたが、今般の緊急事態宣言発令を受け、タクシーという個別輸送機関としての社会インフラを有効活用し、社会の要請に応えていくことは公共交通機関としての使命と考え、サービスを開始しました。日本交通は安全な個別輸送機関として、これからも社会に貢献してまいります。
引用:日本交通プレスリリース
引用:NHK NEWS WEB
日本交通のプレスリリースにある「配送手数料は一般には商品金額に対する率で決まります」というのは例えば「Uber Eats」のことでしょう。しかし「じゃあ実際にタクシーにお願いすると配送料金はいくらなの?」という疑問もあると思いますので、お待たせしましたが以下から解説したいと思います。
なお、今のところ特例期間は2020年4月25日(土)~ 2020年5月13日(水)までとなっています。
今回のブログ作成にあたり「日本交通」「富麗華」「ウルフギャング・ステーキハウス」各位へは事実確認をさせて頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。
※2020年5月26日追記…タクシーデリバリーは2020年9月30 日(水)まで延長されました。
富麗華
「ふれいか」と読みます。私も何度か迎車対応をしたことがあるので少し懐かしく感じました。
創業40年余の歴史を持つ中華飯店グループで、その中でもフラッグシップという立ち位置にあるのが麻布十番に構えられている「富麗華」です。ミシュラン東京より一つ星に認定されており、日本交通とタッグを組んで外出自粛を応援します。
配送サービスの概要
今回の本題ですが、配送料金・対象エリアについては以下の通りになります。
対象エリア
港区を除く東京23区・武蔵野市・三鷹市
配送料金(港区を除く)
予約迎車料金840円(※)+メーター運賃+高速代(高速道路利用の際に発生)
※予約料金420円+迎車料金420円
港区内へ配送の場合
10,000円以上の注文で富麗華のスタッフが社用車を用いて配送。配送料は別途2,000円の加算
以上のことから、富麗華に関して港区在住の方は本件とはほぼ無関係になります。
対象エリアの方は麻布十番から配送先までを予約迎車ありきでタクシーを利用するのと同じだと考えてください。ですので、注文の際はルートを指定されることをお勧めします。場合によっては高速利用の方がメーター運賃が安くなることもありますし、下道では時間を要して冷めてしまうことも考えられるからです。
店舗の情報
テイクアウト専用メニュー
注文はテイクアウト専用メニューからだそうです。詳細はリンク先をご覧ください。
テイクアウトの営業時間
ご注文受付時間 : 11:00~19:30
お料理受け渡し時間: 11:30~20:00
店舗所在地
住所:東京都港区東麻布 3-7-5
電話番号:03-5561-7788
最寄り駅:麻布十番駅(都営大江戸線・東京メトロ南北線)6番出口 徒歩1分
駐車場:8台駐車可能 裏手並びのタイムパーキング(一箇所)は3時間提携あり
店舗詳細:https://www.chuugokuhanten.com/store/fureika.html
ウルフギャング・ステーキハウス
続いては「ウルフギャング・ステーキハウス」です。東京以外にも大阪・福岡・そしてワイキキに店舗を構えるステーキハウスで、ニューヨークの名門ステーキハウスで40年以上活躍したウルフギャング・ズウィナー氏が独立して2004年マンハッタンに創業。こだわりのステーキの美味しさで瞬く間に繁盛店となったそうです。
配送サービスの対象店舗は丸の内・六本木・青山(シグニチャー青山)の3店舗。日本交通とタッグを組み外出自粛を支えます。
配送サービスの概要
今回の本題になりますが、「富麗華」とは内容が異なりますのでご注意ください。
対象エリア
東京23区・武蔵野市・三鷹市
※対象店舗から約30分圏内を想定
一部では武蔵野市・三鷹市の記載がない媒体もありますが、そもそも配送時間が30分圏内ではエリア内でも受付不可となる可能性があります。これはステーキ類という商品メニューの事情からだと思われます。
配送料金
配送料3,300円(税込)+高速代(高速道路利用の際に発生)
配送料は3,300円固定の事前確定運賃と言えます。
さらに詳細を希望の方へ
サービス概要のリンクを貼付しておきます。
https://www.wdi.co.jp/news/15681
注文は当日のみの受付です。
次に対象店舗の詳細をご紹介しますが、注文を希望される方は一番近い店舗で確認をしてください。メニュー・配送時間など各店舗や状況により異なるそうです。
各店舗の情報
丸の内店
住所:東京都 千代田区 丸の内 2-1-1 丸の内 MY PLAZA 明治生命館 B1F
電話番号:03-5224-6151
最寄り駅①:東京駅 丸の内南口 徒歩5分
最寄り駅②:有楽町駅 国際フォーラム口 徒歩5分
最寄り駅③:東京メトロ千代田線 二重橋前駅 3番出口 直結
店舗詳細:http://wolfgangssteakhouse.jp/marunouchi/
六本木店
住所:東京都 港区 六本木 5-16-50 六本木デュープレックスM's 1F
電話番号:03-5572-6341
最寄り駅①:地下鉄六本木駅 タクシー約3分
最寄り駅②:地下鉄麻布十番駅 タクシー約3分
最寄り駅③:東京メトロ南北線 六本木一丁目駅 タクシー約3分
店舗詳細:http://wolfgangssteakhouse.jp/roppongi/
シグニチャー青山店
住所:東京都 港区 北青山 2-5-8 青山OM-SQUARE1F
電話番号:03-5843-0822
最寄り駅:東京メトロ銀座線 外苑前駅 4a出口直結
店舗詳細:http://wolfgangssteakhouse.jp/aoyama/
ヴィンテージワインの特別販売
2020年4月9日、国税庁が最大6か月間、期限付酒類小売業免許を付与することを発表したそうです。この発表に伴い「ウルフギャング・ステーキハウス」は希少なヴィンテージワインを特別価格で提供するそうです。
■ 「ウルフギャング・ステーキハウス」 ヴィンテージワイン特別価格販売
新型コロナウイルス感染防止による自粛要請等に伴い、新型コロナウイルスの影響を受けている飲食店への救済措置として、2020年4月9日に国税庁が、最大6か月間、期限付酒類小売業免許を付与することを発表。
「ウルフギャング・ステーキハウス」では、この発表に伴い、いち早くテイクアウト販売店舗の免許を取得。「ウルフギャング・ステーキハウス」各店のワインセラーで保有する希少なヴィンテージワインを、特別価格(通常価格から最大50%オフ)でテイクアウト・デリバリー販売することとしました。<販売価格の一例>※いずれも税別
・Scarecrow, Napa Valley 店内価格140,000円 テイクアウト価格80,000円
・Château Mouton Rothschild (Pauillac) 店内価格185,000円 テイクアウト価格90,000円
※上記は一例、リストはホームページより確認いただけます。また、数には限りがございます。売り切れの際はご容赦ください。
う、う~ん…そもそもが高いぞ!(笑)
まとめ
東京都内でデリバリーサービスを請け負うことになった日本交通ですが、実は無症状・軽症の新型コロナウイルス感染者の搬送受託を行うことにもなっています。社会に貢献しようとする姿勢・実行力共に高く評価されるのではないでしょうか。
私はタクシーが有償貨物運送に携わるなどとは夢にも思いませんでした。貨物自動車運送事業者の方々からは疑問の声も聴こえてくるかもしれません。
しかしあくまで私の予想ですが、お金のやり取りは商品代も含めて日本交通の乗務員が受け取るのだと思います。今のところ期間限定ですので「Uber Eats」のような専用アプリを用いることもできないでしょう。緊急事態宣言下での取り組みとしては大いに評価できるのではないでしょうか。
ただ、付け焼き刃的な部分が感じるのも事実で、例えば駐停車の問題もあると思います。全体での理解と気遣いはとても重要になるのではないでしょうか。
もし今後も地方でこの特例が継続されるとしたらこの上ない宣伝・周知効果となりそうです。