いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。
国土交通省がタクシー運賃のダイナミックプライシング導入の検討に入ったと報じられました。
そこで以下の記事を抜粋しました。
国土交通省は、タクシー運賃を天気や曜日、客足などに応じて変動させる新しい制度を導入する検討に入った。ダイナミック・プライシングとも呼ばれる仕組みで、需要が少ない時に運賃を下げ、多い時に上げる。
引用元:読売新聞 『タクシーに変動運賃、天気・客足に応じて設定…国交省が検討』
タクシーの運賃形態が変わる、あるいは追加されるかもしれません。「ダイナミックプライシング」と言われるものですが、私は少なくとも東京におけるタクシーでこのダイナミックプライシングを実装することには否定的な意見を持っています。
いくつかの記事を拝読しましたが、今回のブログでは私独自の目線を交えてタクシーにおけるダイナミックプライシングについて考察したいと思います。
タクシーにおけるダイナミックプライジング
タクシーにおけるダイナミックプライシングとは、「タクシー需要が少ないタイミングでは運賃を下げ、逆に天候不良などのタクシー需要の多いタイミングでは運賃を上げる」というものす。
さらに具体的に申し上げますと、悪天候時、ラッシュ時間帯、スポーツ・コンサートイベント、終電前後…など、タクシーの需要が見込めるタイミングでは運賃を高く設定し、逆に平日の日中など比較的需要が落ち込むタイミングでは運賃を安く設定するという仕組みです。
- 画像出典:読売新聞
- 画像出典:読売新聞
そしてタクシー利用時の前提として、乗客はアプリなどを用いて事前に予約を完了させる必要があります。その際に運賃が提示され、納得できない運賃ならば利用を避けることも可能としています。
これがタクシーにおけるダイナミックプライシングの大まかな概要です。「料金変動制」の一種ですね。
GPSを活用してデジタルメーターが採用される?
みなさんが普段タクシー車内で見慣れている「料金メーター」。メーターはアナログ式で計量法に則り年1回の検査(仮検査・本検査)を受けることにより成り立っています。
タクシーの運賃は実車時にタイヤ1回転あたりの距離・回転数と停止時間(速度が10㎞/h以下)で算出されますが、これはそう簡単にメーター料金の仕組みを弄ることができないことを意味します。
ではどのようにして料金変動制とも言えるダイナミックプライシングを実現させるのでしょうか。
それはGPS(全地球測位システム)のデータに基づいて走行距離を計算するデジタルメーターの導入を前提としています。デジタルメーターであれば需要予測と運賃を掛け合わせて運賃を算出・反映さえることも可能でしょう。
そしてこれは私の考えではありますが、デジタルで算出する以上、ある意味で正確にタイヤの回転数による移動距離を算出することはできないこと・ダイナミックプライシングを推し進めるための利便性向上を口実に時間メーター適用外の「事前確定運賃」を採用すると推測します。
しかしこの事前確定運賃…現場目線でみると扱いが厄介になる可能性があるのです。
次ページではその懸念点をお伝えします。