タクシー

国交省、マスク未着用の乗車拒否をタクシーに認める

スポンサーリンク

いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。

2020年11月4日、国土交通省はタクシー利用時のマスク未着用者を乗車拒否できることを認可したと発表しました。

実はこの背景にはタクシー側(主にタクシー乗務員を中心として)から国土交通省への強い要望があり、国土交通省がその要望を認めるという運びとなりました。

新型コロナウイルス感染予防対策の一環としてマスク着用=マナーとなりつつある現状、移動する人はより一層周囲に対する気配りを求められるのかもしれません。

実は「マスクをしていないことを理由に乗車拒否をされた」というクレームはタクシーセンターへも一定数寄せられていました。

しかしこの件に関してはタクシーセンターも乗務員・事業者を指導対象とするわけにもいかず、正直困っているという本音を私自身も聞いたことがありました。

それはそうですよね。まさに板挟みだったわけです。なのでこの件に関してはタクシーセンターも安堵していることでしょう。

【参考】国土交通省報道発表資料:https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000325.html

タクシー側からの要望・理由とは

それではタクシー側からの要望・具体的な理由から見てみましょう。

要望はお伝えしている通り、マスク未着用者の乗車拒否を認めてほしいというものです。

その理由としては、

①タクシー乗務員の健康・安全を守るため

②他の乗客(※)の健康・安全を守るため

③タクシー乗務員の家族・友人・同僚等の健康・安全を守るため

④他の乗客の家族・友人・同僚等の健康・安全を守るため

※にある「他の乗客」というのは、仮に新型コロナウイルスの感染者がマスク未着用などで乗車した際、次以降の乗客の健康・安全を守り切れるという根拠がないからです。

タクシーそのものが移動式クラスターになってしまう可能性すらあるわけですね。これでは感染源を探し特定するのはほぼ不可能になるでしょう。

主な理由として挙げれるのはこのあたりだと思います。



国土交通省の対応

そしてこちらもお伝えしている通り、タクシー側からの要望を認めると発表しました。

〇 タクシー乗車の際におけるマスクの着用は、エッセンシャル・サービスであるタクシー事業の安定的な事業の継続のため、ウィズコロナにおける新しいエチケットとして、ご理解・ご協力をお願いしているところです。

〇 今般、都内の一部タクシー事業者から、「[1]運転手がマスクを着用していない理由を丁寧に聞き取った上で、[2]病気など正当な理由がない場合に限り、マスクの着用をお願いすることを基本とし、[3]それでも正当な理由なく、マスクを着用しない者についてのみ乗車をお断りする内容」を運送約款に規定する申請があり、本日、運転者のみならず次に乗車する利用者の感染防止対策に資するものとして、認可いたしました

〇 ただし、本約款の内容は、マスク未着用者の乗車を一律にお断りするものではなく、事業者が上記[1]~[3]の手続を丁寧に実施していくよう、国土交通省としても取り組んでまいります。

引用元:国土交通省

としています。

またその背景として、

(背景)
1.タクシーは、新型コロナウイルス感染症が拡大する中において、感染のリスクや不安を抱え
ながらも、まさにエッセンシャル・サービスとして、高齢者や妊婦を含む地域住民の運送を担い、
公共交通機関としての使命を果たしてきました。

2.一方で、タクシー利用者の中には、酔ったままマスクを着用せずに、大声で話しながら乗車
する方がいるなど、運転者が不安を抱えているとの相談がタクシー事業者から寄せられており
ました。

3.引き続き公共交通機関としての使命を果たしていただくためにも、タクシーの利用者には、
特別な事情がある場合を除きマスクを着用していただくことや、走行中の換気をはじめとする
感染拡大の予防に、ご理解とご協力をお願いしてきました。

引用元:国土交通省

とタクシー側が実施してきた感染症対策を認めた上で今回の要望をほぼ全面的に支持しています。

しかし、ここでタクシー側も気を付けなければならないことが増えました。

それは病気などの正当(と認められる)な理由があるのなら断ってはいけないというものです。極端な言い方をしてしまえば相手がどんな状態でも、正当な理由か否かを聞き出し見定める必要性が生じたとも言るわけです。

では正当な理由をどう証明するのでしょうか?

まさか障害者手帳のように手帳(あるいは手帳のようなもの)を掲示するわけにもいかないでしょう。なのでここは現場の裁量に委ねられることになると思います。

そして乗務員のみなさん、ずーっとマスクをしているのも息苦しいとは思いますが、今後は空車時だからと言ってマスクを外して運転をしていると、いつどこでタレコミが入ってしまうかわからなくなりました。

まぁそれは元々そうなのですが、マスク未着用の乗車拒否が認めれるようになった今、乗務員側もマスク未着用の瞬間を見られるわけにはいかなくなったということです。



利用者も引き続き理解と協力を

それはともかくとして、今後は利用者の理解・協力無くして安心・安全な運行が実現できなくなりつつあるということを認識していただきたいと思います。

仮に私なら、正直言ってほとんどのドライバーもそうでしょうが、見た目・態度・話し方…などでマスク未着用の正当性が認められるか否かなど90%以上は見分けがつくと思います。

見分けがつくのですが、稀に本当に病気のためにマスクが着用できない酔っ払いも現れる可能性も否定できないのです。この業界、絶対は無いのですから。

こうなると今回の国土交通省からの発表を過剰に捉えてそれこそトラブルに発展してしまうことも懸念されるわけです。タクシーセンターしても対応を求められるでしょうし、乗務員・事業者も対応に追われることになります。

はっきり言って時間の無駄。当人としては営業妨害とすら思ってしまうでしょう。もっとも、そのトラブルに正当性が認められればの話ですが…。

ですので利用者のみなさんにも引き続き協力を求めることになるのは間違いありません。



まとめ

最近では他の交通機関においても「可能な限りマスクの着用をお願いいたします」とアナウンス・テロップが流れています。

事業者側が講じる感染予防対策だけでは防ぎきることが難しいということでしょう。

本音を言ってしまえば私は新型コロナウイルスに対して今でも騒ぎすぎだと感じる場面もありますが、それと感染症対策を講じないというのは全く別の話だとも思っています。

一人一人が可能な限り感染症対策を講じ、互いに思いやりながら必要な分の移動・消費が行えれば今はそれでいいのではないかと考えています。

モビリティ クリエイトの広告

スポンサーリンク

-タクシー
-,

© 2023 モビリティクリエイトのページ Powered by AFFINGER5