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『あおり運転』で即免取り!『妨害運転罪』が創設

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いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。

2020年6月10日、道路交通法の一部を改正する法律(改正道路交通法)が公布され、同年6月30日に『妨害運転罪』が創設、『改正道路交通法』が施行されました。

妨害運転罪…つまり『あおり運転』を行った者は明確に罰せられることになりました。

近年から大きな社会問題としてメディアにも取り上げられ、最近ではドライブレコーダーの普及率向上に伴い、個人によるYouTubeなどの動画サイトへの投稿も増えています。

私が記憶している限り『あおり運転』が大きく取り上げられるきっかけとなったのは、2017年に発生した『東名あおり運転事故』だと認識しています。またその時に『危険運転致死傷罪』の適用か否かも大きく注目されました。

しかし『危険運転致死傷罪』は、あくまで怪我や死亡といった自動車などの運転をきっかけに人を死傷させた場合に適用されるものであり、事故が発生する前段階とも言える『あおり運転』に対しては明確な罰則が存在していませんでした。

あえて挙げるとすれば『急ブレーキ禁止違反』や『車間距離不保持』といった『軽微な違反』であり、逮捕の容疑としては『暴行の容疑』といった直接的に道路交通法とは結び付かないものでした。

それが『妨害運転罪』として道路交通法に組み込まれることになりました。その中身を追ってみたいと思います。なお、妨害運転罪は自転車にも適用されるとのことですが、ここでは自動車の運転を前提に取り扱います。



妨害運転罪

今回の道路交通法改正でようやく『あおり運転行為』に対して直接的に厳罰化されました。しかしそれは今まで公道を走行していた私たちドライバーも今後はより慎重に運転をする必要性が生じたということです。それはこれまで軽微な違反として取り扱われていたものが、場合によっては妨害運転罪として摘発される可能性があるからです。

まずはここから見ていきましょう。


『妨害運転罪』にあたる軽微な違反

まずは以下の表をご覧ください。

違反行為(一定の違反)

           違反点数

あおり運転
通行区分違反 2 免許取り消し
急ブレーキ禁止違反 2 免許取り消し
車間距離不保持 1 免許取り消し
進路変更禁止違反 1 免許取り消し
追越し違反 2 免許取り消し
減光等義務違反 1 免許取り消し
警音器使用制限違反 0 免許取り消し
安全運転義務違反 2 免許取り消し
最低速度違反(高速自動車国道) 1 免許取り消し
高速自動車国道等駐停車違反(高速自動車国道等運転者遵守事項違反) 2 免許取り消し

普通車を想定していますが、『違反行為』と『違反点数』を見るとこれらが『軽微な違反』であることがわかります。『警音器使用制限違反』に至っては違反点数が0点の実質的に免許には何もダメージが及びません。反則金3,000円を支払って終わりです。それが今後、『あおり運転(妨害運転罪)』のきっかけとして摘発されると人生を狂わせてしまうという結果を招いてしまうのです。

画像出典:警察庁

以下が警察庁が公表している根拠となります。

【妨害運転(「あおり運転」)に対する罰則の創設等】
○ 以下の運転行為に対する罰則を創設
① 通行妨害目的で、交通の危険のおそれのある方法により一定の違反(車間距離不保持、急
ブレーキ禁止違反等)をした場合(懲役3年・罰金50万円以下)
② ①により著しい危険(高速での停車等)を生じさせた場合(懲役5年・罰金100万円以下)
○ 免許の取消処分の対象に追加

引用:警察庁

さらに『あおり運転』による事故が発生した場合も想定され、『危険運転致死傷罪』の対象となる行為が追加されます。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律も改正され、危険運転致死傷罪の対象となる行為が追加されました(令和2年6月12日公布、令和2年7月2日施行)。
妨害運転のような悪質・危険な行為により人を死傷させた場合には、危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等にも当たる場合があり、さらに厳罰に処せられることがあります。

引用:警察庁

真っ当に運転をしていれば何も恐れる必要はありませんが、『軽微な違反』で済んでいた違反が『あおり運転(妨害運転罪)』として摘発されると、懲役もしくは罰金と免許取り消し処分を受けることになります。『あおり運転』は絶対にやめましょう。


『妨害運転罪』の中身

『妨害運転罪』が成立した場合は以下の表のような処分を受けます。

行為 罰則

           行政処分

通行妨害目的で危険が生じることが予測できる行為をした場合 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 免許取り消し
高速道路等で著しい危険を生じさせた場合 5年以下の懲役または100万円以下の罰金 免許取り消し

『あおり運転』として摘発されると、罰則が課された上に運転免許の取り消し処分を受けます。罰則が課されるということは刑事処分を受けるということですので前科が発生します。上記の表では上下段2層に分かれていますが、下段は特に高速道路上で『あおり運転』を行った場合に適用されるようです。確かに周囲の車両の速度も一般道路のそれを大きく上回るので、一般道路における『あおり運転』と同等の処分とするわけにはいかないのでしょう。これは速度違反に対して一般道路と高速道路では処分に差があることとある意味で同じ理屈と言えます。

次のページでは捉え方は人それぞれということで、『あおり運転対策』と『煽らない・煽られない走り方』をご紹介します。

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