ライドシェア実現への新たな提案

2020年9月23日

みなさんこんにちは。溝口将太です。いつもご覧くださりありがとうございます。

今回は前回のブログでの予告とは内容を変更させていただき、新たなライドシェア活用方法を提案したいと思います。本当はこちらを次回にと思っていたのですが、タイミングと順序を考慮した結果こちらを先に公開することにしました。

前にお伝えしました通り、NewsPicks様より取材を受けました。以下にご紹介だけさせていただきます。

こちらは有料会員でないと全編を通じての視聴はできないそうですが、私は知人を通じて視させてもらいました。CREWの「今」がよくまとめられていると思います。

実はもうちょっとだけ過激な発言をしてきたのですが、空気を読んでカットしてくれているみたいですww



取材を終えてのCREWの現状を整理

動画では触れられていないお話をしておきたいと思います。

動画内では私が(東京)運支局から通帳を持参しての呼び出しがあったと発言をしていますが、もちろん事実です。個人の特定方法は定かではありませんが、おそらく調査名目で実際にCREWを利用し、なんらかのタイミングでドライバーが使用しているクルマのナンバーを控え、東京運輸支局が国土交通省の権限の下で照会をかけた…というが私の見解です。Azitから直接漏れたというのは今のところ考えておりません。

(以前にもお伝えしましたが、私は国土交通省内にて国土交通省の職員と直接やり取りをしています)

当然、通帳を開示する義務も強制もされる筋合いもありませんので、この件に関しては自然鎮火されたと思っています。しかしそれは決して100%良い意味ではなく、NewsPicksさんとお話をさせて頂いた限りでは、CREWは国土交通省に以前ほどマークをされていないのではないかということです。

これは語弊のある言い方になるかもしれませんが、CREWをお粗末に利用するライダーが増えてしまったために参加ドライバーが減少、サービスとしての稼働率もそれほど目立たなくなりタクシー業界からの警戒心も薄れているのではないでしょうか。

そこでサービスの存続の危機に立たされたAzitの次なる一手がCREW Pro(詳細はこちらへ)というわけです。

しかし任意の謝礼という根本的な課題・問題の解決、理解を得られない限りはCREWというサービスの存続は厳しいのではないでしょうか。

今回はそんなCREWの現状も踏まえて、現時点で考えられる日本版ライドシェアの在り方の提案をまとめてみたいと思います。



首都圏におけるライドシェアの提案

東京近郊ではライドシェアは不要?

いきなり否定的な意見で恐縮ですが、私は特に東京近郊でのライドシェアの必要性はそれほど高いとは思っていません。移動の選択肢として見ると鉄道網は充実していますしむしろ時代のニーズに合わせて進化を続けています。

着席ニーズに応える京王線が運行している「京王ライナー」は2018年から運行を開始  画像出典:京王電鉄

例えば、鉄道各社は座席指定制の導入やホームライナーの新規運行など、求められる需要に応えられるようここ数年で運行形態にも大きな変化をもたらしています。東急電鉄のQシートや京王電鉄の京王ライナーなどが身近な例でしょうか。歴史を辿ればJRの湘南ライナーや京急電鉄の京急ウィング号などが挙げられます。

路線バスにおいても主に終電後に鉄道会社が運行する深夜路線バスを設けて救済措置を図るなど、東京近郊での移動や経済活動を支えていることが伺えます。

1986年から運行されているJRホームライナーの代表格「湘南ライナー」         画像出典:JR東日本

さらに鉄道の終電後・路線バスの運行終了後のタクシーは需要過多と言えるくらい東京には存在しています。これらの移動手段がありながら、果たしてライドシェアという移動手段が必要なのかともう一度考えてみました。


ありそうでなかった出会いを体験できる

運賃を設けることによるライドシェアは、ご存知の通り有償旅客運送行為として法律で禁止されています。法律に触れない範囲でライドシェアとほぼ同じような仕組みを実現させているのがCREWやnottecoです。

CREWはタクシーのそれに近い移動手段として、nottecoは長距離高速バスのそれに近い移動手段の一つとして認知・活用されています。どちらのサービスもドライバーからの実費を超えるの請求は事実上不可能となっており、CREWでは実費請求に加えて任意の謝礼という支払い項目を設けることでドライバーの参加を促しています。nottecoは長距離移動の際に発生する実費の割り勘を前提とした相乗りシステムと言えます。

私はこれらのサービスはタクシーや路線バス、そして鉄道においてもおそらく経験することのないユーザー体験が得られると捉えています。例えばタクシーではドライバーとの会話をある程度は楽しむことができるかもしれませんが、プライベートとしての関係の構築には限界があると思います。まぁ物事には例外があるのも事実ですが…。

高速バスはもっとわかりやすいでしょう。不特定多数の乗客と同じ空間・時間を長時間共有するわけですので、そこにコミュニケーションが生まれる可能性は0ではないにしろ極めて低確率と言えます。

そういう面では「マッチングが成立した相手とコミュニケーションを育みながら移動ができる」のが大きな特徴と言えます。

でも、単純に首都圏・特に東京近郊における移動手段として見た場合…ライドシェアの必要性に疑問が生じるのも理解はできます。既存の選択肢で十分だと言えるからです。

新しい価値を見出した移動手段か、2種免許を根拠とした安心・安全を謳い文句にする公共交通機関(準公共交通機関を含む)か…業界からの反発の声が挙がるのもある程度は仕方がないのかもしれません。


ライドシェアの真価は「地方創生」にある

私がライドシェア普及で一番念頭に置いてあるのが地方創生です。これは以前から申し上げておりますが、移動手段に乏しい地域でライドシェアを普及させれば生活の足になるのはもちろん、その土地特有の何かをアピールする際にもライドシェアで観光移動ができます」とすれば観光誘致にも有効だと考えるからです。

当然ライドシェアへの抵抗があるのは事実で、安全性・利便性・認知度を確立するためにも首都圏・特に東京で盛り上げることが一番の近道になるのではないかというのが私の主張です。

これは機器や環境さえ揃えば自動運転へ向けた有効なデータを提供することも可能ですし、充実しているとはいえ移動の選択肢が増える事自体は決して悪いことではありません。

しかし安心・安全を維持するためには…もし運賃の収受が可能となるのなら事前確定運賃制度の導入を提案したいと考えています。あらかじめお金に関する内容が決められていればそれはドライバーによるサービス提供の余裕に繋がるからです。事故・違反・トラブルを未然に防ぐことができます。

東京で得られたあらゆるデータを地方で活かす…それが移動における地方創生へのテーマです。


新たなアプローチとして「通勤型ライドシェア」の提案

そこで新たなアプローチを思いつきました。

通勤時間帯におけるライドシェアの活用です。実は東京近郊においての朝の通勤時間帯はタクシーが不足しており、その解決策として相乗りタクシーの実現を目指していることは随分前から言われていました。

画像をクリックで該当記事へリンク                                             出典:産経新聞

2018年1月下旬から3月中旬にかけて相乗りタクシーが社会実験という形で一部運行されていました。乗り合い行為にならないようアプリ内で事前に乗客同士がマッチングを行い、運賃等は割り勘が前提として各々が承諾の下、1台のタクシーを利用する…というものでした。

当時の私は「誰が好き好んで見ず知らずの他人とタクシーに乗らなきゃならないんだ」と思っていましたが、このように移動の選択肢を増やすこと自体は良いことだと思います。

このことから言えることは、依然として未だに通勤時間帯はタクシーが不足しているということです。

確かに一つの改善案の提案として、タクシー業界としては現時点で考えられる手段を講じていると思います。乗務員の出勤時間帯の調節など対策は打ち立てていくでしょう。

しかし何度かお伝えしている通り、朝の通勤時間帯はタクシーの事故が最も多い時間帯とも言われています。理由は通勤時間帯はタクシードライバーが最も疲れている時間帯だからです。確かに私もしんどい思いはしましたが、朝5時~8時までの間に1万5千円前後の営収を上げることは決して難しいことではありませんでした。

では、早朝出勤者を増やせるか…これは通勤という物理的な課題もありますのでそれほどの大人数が確保できるとは考えにくいのです。

そこで、私が提案したいのが早朝時間帯におけるライドシェアの活用です。近くに住まいの住民同士が相乗りという形で1台のクルマで都心へ向かえば交通量削減に繋がります。もしかすると満員電車対策にもなるかもしれません。環境負担の低減への効果も期待できるかもしれません。事故も減らせると考えます。

先ずはやってみる。やってみるからにはそれなりのルールを構築する必要もありますが、当然私には提案できる材料があります。


クリーンなライドシェア環境の実現へ

確かに有償旅客行為をオールオッケーにしてしまえばそれは世間でいう白タクと変わらないものになってしまうでしょう。

私は白タクには断固反対という意見を持っていますが、それは、

①ドライバーの身分や健康状態が不透明であること

②車両の状態が不透明であること

③お金の流れが不透明極まりないということ

以上の3点を特に危険視しているからです。

①に関しては仮に名前を名乗られても証明できるのもが免許証等になってしまうので、事前にわかる情報ではありませんので大きな不安材料となります。

②に関しては法定24ヶ月点検の実施及び車検は通してあるのでしょうが、他の整備状況に関しては不透明です。道路運送車両法において自家用車は法定12ヶ月点検を受けることも義務付けられておりますが、不履行に対する罰則が存在しませんので点検を怠っている可能性もあります。

③に関しては反社会的勢力への加担となる可能性です。

これら白タク行為とライドシェアを混同される方もいらっしゃいますが、ならばこれらの不安材料を解消すればよいわけです。しかし徹底した管理というよりは自発的な活動に少々の管理を付加する…というのが私からの提案です。具体的には、

①ドライバーの身分・自家用車両状態を運営会社による徹底した管理

②ライドシェア参加ドライバーに対する稼働時間及び健康状態のチェック

③現金のやり取りは原則不可として運営会社を通じてドライバーへ支払われる

①に関してはアプリを通じて事前に確認することが可能です。

②に関しては自己判断の側面が大きいのですが、システム上で稼働時間の制約を設けることは可能です。

③に関してはお金の流れが可視化できることで不安解消へと繋がります。

細かいことを挙げればまだまだありますが、まずは利用者が安心・安全・快適に移動できる日本ならではのサービスを提案したいと思います。



まとめ

NewsPicksさんとの接見を通じて実感しましたが、CREWの置かれている現状はやはりよくないですね。現状をどう見るかは人それぞれだと思いますが、個人的には移動における可能性が閉ざされる状況だなと思っています。

私はほとんどCREWには参加できていないのですが、見ず知らずの人とマッチングがきっかけで交流が生まれることは素晴らしいと思っています。

(そういう意味では昔からある出会い系サイトなども今ではすごいなぁと思っています)

そのような交流を楽しみながら移動ができるのもライドシェアの特徴なのではないでしょうか。「タクシーでもできるじゃん?」と思われるかもしれませんが、それとはちょっと違うのですよね。

タクシーのドライバーはあくまでタクシー会社に所属しているドライバー(個人タクシーは個人事業主)ですが、ライドシェアのドライバーは別に仕事を持っている可能性がありますので、もしかした異業種交流が生まれ、互いのビジネスの相互成長となるきっかけが生まれる可能性があります。

私がNewsPicksさんの取材に対して「CREWパートナーは自分のビジネスに少しでもプラスに繋げたいと考えている」と発言したのはここです。

そして東京近郊でライドシェアという仕組みが盛り上がれば首都圏に広げることができるでしょう。こちらは通勤にプラスして観光誘致としてのライドシェア活用です。首都圏で有効性が実証できれば地方創生へ向けて舵を切ることもできる…という考えです。

特に交通過疎地域と呼ばれるエリアに対してはライドシェアが必要なことはもうわかりきっているはずです。それをNPO法人やタクシー会社を間に挟もうとするから具体的な収益や目標を追いかけることもできないのです。道路運送法は理解しています。二種免許云々の言い分も理解できます。でも私には現時点では安全性に対する根拠としてはいかがなものかと思ってしまうのです。

しかし懸念材料さえ払拭できれば…日本版ライドシェアとして真面目かつ遊び心溢れた誰もが快適に移動できるプラットフォームが実現できると今でも信じています。