日本流MaaSの真骨頂 営利型ライドシェア解禁について

2020年9月25日

いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。

ここ数日の間でライドシェアに対する大きな動きが報じられています。起点となるのは2019年3月7日…全国から集まるタクシー関係者・労働組合(主催者発表によると運転手500人、タクシー車両400台)が霞が関にある経済産業省を囲み大規模デモを行いました。

以下の映像はTwitterより抜粋。

この動きに対してソフトバンク 孫正義社長の発言が以下のようい取り上げられています。

アメリカのライドシェア最大手「Uber」へ出資するソフトバンク孫正義社長は「(ライドシェアが法律で禁止されている)そんな馬鹿な国の日本があるという状況の中で、過去を守りたい、未来を否定する。もう考えられない状況だ」

参考:Yahoo!ニュース

ここまでは前回のブログと同じ内容ですが、今回はいよいよ営利型ライドシェア解禁についてまとめたいと思います。

最初にお伝えしますが、日本国内で現在運用中のライドシェアサービスは白タクではありません。なぜならばそれらのライドシェアサービスはガソリン代・高速代・駐車場代など、いわゆる実費をシェアすることを前提としているからです。また、互助モビリティCREWは実費清算に加え謝礼システムが実装されていますが、謝礼は任意であり、送迎における謝礼の受け渡しは道路運送法に接触しないものはないとされています(参考:国土交通省)

ですので、今回のブログは営利型ライドシェアの解禁の推奨と言えます。見方によっては白タク解禁の推奨とも言えてしまいます。そう思われても仕方がありませんし私自身も遜色ないことを認めます。

しかし、内なる想いはいわゆる終着駅にいるような白タクではありません。私なりかもしれませんが未来に目を向けての発信であることを心がけ今回慎重に時間をかけてまとめたつもりです。ぜひお付き合いくださると幸いです。



タクシー側の主張

こちらは私のツイートですが、2019年3月7日に行われたタクシー関係者による大規模デモの様子です。

詳細はみなさんご存じだと思いますので割愛しますが、彼らの主張は(二種免許を所持していない)一般のドライバーが乗客を送迎するのは危険だというものから始まりました。至極当然の主張と言えるでしょう。

しかしTwitterや世間の反応は冷ややかなもので、タクシーの動きの方が余程危ない。目の前で急ブレーキ、客が手を上げたら目の前で二車線跨ぎは当然のようにされる…といった反応があるのも事実です。

実際私が乗務していた時も、乗客による他のタクシー(ドライバー)に対する愚痴は相当なものでした。

私は現役の頃、散々伝えてきたことはイメージの向上でした。誰が見ているかわからないから危険な運転はするなと新人を始め同僚に伝えていました。皮肉ながらもその根拠が反映されていることになります。

しかしこの両意見、前向きに捉えることができますがそれは後述します。


続いての主張はこちらです。

こちらも私のツイートで恐縮ですが、ライドシェア=レイプ・強盗・暴力事件に結びつけるというものです。確かに海外においてライドシェアサービスを発端としたレイプ事件が発生していますが、それは人間性の話であり、こう言ったら語弊が生じるかもしれませんが、ライドシェアでなくてもやる奴はやります。

国内に話を移しましょう。営利型ライドシェアが解禁されていないので営利型ライドシェアにおける事件件数は現状0(のはずです)。白タクはわかりませんが身バレのリスクとお金さえもらえれば事件を起こすとは考えにくいです。非営利型ライドシェアにおいてもレイプ・強盗・暴力事件が大々的に報じられたことは記憶にありません。むしろCREWドライバーが利用者より暴行を受けた事案があります。

このような利用者・乗客による暴行はタクシー業界でも発生している事案です。さらに言うならばタクシー乗務員によるレイプ・強盗・暴力事件は過去0件だと言い切れるのでしょうか?

Twitterでもありますが、改善する姿勢が伝わらないのです。

ですので、この主張は国内においては未来の可能性を閉ざす根拠のない主張としか言えません。しかし可能性が0でない以上、営利型ライドシェア解禁へ向けて浮き彫りになった課題として受け取る必要はあるでしょう。



営利型ライドシェア解禁側の主張

続いてはライドシェア解禁側からの主張です。ほとんど私の主張になってしまうのですがご了承ください。

タクシー側が主張する安全性の懸念は無視できません。つまり利用者にライドシェアが安全だということをアピールする必要があります。

ここで私が提案したいのは運営会社(仮に運営会社が存在すると仮定します)が自発的に安全講習会を開催することです。できれば行政と連携するとよいでしょう。私でよければ安全運転講習については場に立って講習することもできます。

それを嘘偽りなく公表します。道路において絶対は無いので事故0を保障するものではありませんが、ライドシェアドライバー希望の方には絶対受けて頂くプログラムの構築を提案します。この時点で日本ならではのライドシェアと言えるのではないでしょうか。

ちなみに二種免許取得の必要性は現時点では感じておりません。二種免許持ちの私が言うのもなんですが、そこまでのアドバンテージはありません。むしろ大事なのは運転経験と運転経歴ではないでしょうか。しかしなんらかの形に残る根拠は必要かもしれません。


女優の菊池桃子さんの事件、私はリアルタイムで知っていますのでどこの会社のどの営業所の乗務員が該当しているのか知っています。まぁ記事内には会社名も出ていますし該当の営業所も管轄の警察署を別記事などで見ればわかると思います。

しかしタクシードライバーはこんな奴ばかりではありません。自身・仲間・家族のために、お客様のために一生懸命仕事をしている乗務員が大多数です。一つの事案がマイナスイメージを植え付け、結果タクシー業界全体に迷惑がかかるという事例の一つです。

しかしこの手の事件が起こると報道される頃は該当乗務員は『元』ドライバーとされ、その在り方はトカゲの尻尾切りと言っても過言ではありません。何も事件を起こした乗務員を解雇するなと言っているわけではありません。大事なのは教育を行う姿勢と改善の姿勢を世間に公にすることではないでしょうか。

私にも過去、同僚が犯罪に手を染め、今思えば縛り付けてでも無理やりにでも止めてやればよかったと思う元乗務員がいます。友達でもありました。当然報道された時は『元』乗務員で、私たちの所属していた営業所など一言も報じられませんでした。出社した際に私服の〇〇県警が構えていたのは今でも忘れられません。

少々余談でしたが、この点はタクシー業界も変わるべきところだと思います。同時にライドシェア業界も100%自由奔放というわけにはいかないと考えざるを得ないポイントとも言えます。



営利型ライドシェア解禁のメリット

 

そもそもライドシェア全体のメリットとして、走行車両台数の減少により環境負荷の低減・事故リスクの削減・渋滞緩和、他の交通機関の負担減少などに繋がると期待されています。これらがある程度証明できれば営利型ライドシェア解禁の追い風になると考えます。特に私は首都圏における通勤電車の混雑緩和に期待しています。

安倍晋三首相は7日の未来投資会議で、自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」の活用拡大へ道路運送法を改正する方針を表明した。公共交通の「空白地」という導入の前提条件を明確化。運行管理をタクシー事業者に委託しやすくするほか、地元住民に限らず観光客の輸送も認め、ドライバー不足などに悩む地域の足を確保する。実証実験が行われてきた「タクシー相乗り」も解禁する。

 首相はライドシェアについて「利用者の視点に立ち、現在の制度を利用しやすくするための見直しが必要。タクシー事業者と連携を図ることは自治体と利用者双方にとってメリットがある」と述べた。今夏に取りまとめる成長戦略に盛り込み、法改正案は2020年の通常国会提出を目指す。タクシー相乗りは19年度中に通達で認める方向だ。

 マイカー輸送は「白タク」として原則禁止だが、公共交通手段のない地域で住民の利用に限り認めている。ただ活用した市町村の数は昨年3月の調査で全国の26%。空白地の解釈が必ずしも統一されていないためとみて、定義をはっきりさせる。国家戦略特区に限定してきた観光客輸送を、全国的に認める。

 また、ライドシェアの事業主体は自治体やNPO法人だが、運行管理まで職員らが担うのは負担が重い。そこで、タクシー事業者が管理に参画する際の地元調整手続きを簡単にする。

参考記事:SankeiBiz

3月7日の未来投資会議の場で安倍晋三首相が示した方針ですが、どこかまだタクシー業界に忖度しているような気がします。もちろん最終的に決めるのは政府なので私がどうこう言えるところではありませんが、せっかくなので私の意見を記載します。

ライドシェアとタクシーは切り離すべき

だと思います。未来投資会議の場においてはライドシェアの管理をタクシー会社に委託するような内容になっていますが、多くの弊害を生むと思います。また、運行管理の負担増しが尋常ではありませんが、ここは地方のタクシー会社を想定しているでしょうからなんとも言えません。

私は営利型ライドシェア発展のメリットの一つにIT産業の益々の発展を挙げていますが、タクシー業界にIT産業を引率する力ははっきり言ってありません。あくまで双方移動手段の選択肢として競争・共栄できる在り方を模索するべきでしょう。Twitterでもありますが、こうやってデメリットをぶつけ合うのもいい機会です。


では営利型ライドシェアの普及に向けてどうするのかですが、まず運営する企業が必要です。運営はかなり大変な思いをすることになりますが、各ドライバーをある程度管理する必要性が生じます。運行管理者というわけではありませんが、トラブルや事故対応を可能とするサポートデスクは必須です。専用の任意保険も完備する必要があるでしょう。

また、ドライバーの安全性もある程度管理しなければなりません。例えば1日10時間稼働まで…といった制約です。私個人としてはある程度自由にとも思うのですが、安全性をアピールするためには多少の規制は必要だろうと判断しました。ドラレコやGPS機能などもできれば標準化させ、利用者が懸念する安全対策におけるサービスの差異をなるべく小さくするための工夫を講じます。

ドライバー同士のコミュニケーションを重視するために運営主催のオフ会のようなものを開催します。各企業とコラボレーションを組み物販販売などの機会を設けてもいいでしょう。私ならオートバックスやイエローハット辺りに声をかけます。イベントそのものとコラボするのも有効です。

そして定期的な勉強会です。この勉強会は接客接遇能力を向上させ、より安全性を高めるための講習で必須にするべきです。

続いて車両の管理ですが、こちらもコラボレーション炸裂です。3か月点検からの実施を必須にしますが、その代わりある程度の割引を適用。自動車ディーラーに協力を要請し、可能ならば新車商談の機会も設けます。これにより安全性を確保すると同時に自動車産業の復活・底上げを図ります。

さらに地域との理解、つまりコミュニケーションは絶対必要です。地域商店や観光事業と綿密な連携を図ることにより観光誘致、ドライバーはプレゼン能力を求められますがスキルアップにも繋がります。紹介料などのキックバックがあってもいいでしょう。

これらをオンライン上で管理、あるいは結びつけ、全員WINにマッチングさせる仕組みが日本流MaaSの真骨頂ではないでしょうか。もちろん新幹線や飛行機、他の移動手段と合わせて一括予約・支払いが可能な仕組みに組み込むことも可能とします。

以上が営利型ライドシェアの課題でもありメリットでもあります。

営利型ライドシェアは金儲けではありません。ビジネスです。ビジネスとは社会貢献を前提に利益を追い求める活動です。当然利益を得る人たちがいるのですから消費者も存在します。その消費者が柔軟に移動手段を選べる機会を設けたいのです。タクシーで十分という声も聞こえるかもしれませんが、それは自分たちの領域を守りたいだけの発言だと思います。選ばれるサービスを目指してドライバーの社会地位向上に努める時が来たのだと思います。

何度でも言いますが、選ぶのは消費者です。



まとめ

上記の内容は地方での運用を前提にまとめていますが、地方での安定した運用を可能とするためには東京での実績が土台として相応しいと思っています。なぜなら、東京からの理解が全国運用の要になると考えているからです。東京の人が観光先で気楽に使えるようにするためには東京で慣れてもらうのが近道です。

決してタクシーを敵視しているわけではありませんが、私の主張はタクシーと乗客の奪い合いが勃発するのもまた事実です。消費者に選ばれるサービスを構築するために互いに切磋琢磨できるいい機会なのではないでしょうか。

繰り返しますがTwitter上ではライドシェアとタクシーがお互いのデメリットをぶつけ合っています。これってつまり改善すべき課題が浮き彫りになったということです。簡単な話です。真摯に受け止めて克服すればいいのです。

実は最初は個人事業主としてオール自由でいいのではないかと思っていました。タクドラ現役時代、この車内で友達のお店の宣伝ができたら、自分が広告塔になって仕掛けることができたら…などと数年前から思っていました。それを実現させたのがUberでした。心底羨ましいと思いましたね。

しかしここは日本。安全性を担保する必要性は無視できません。日本には日本の相応しいやり方があるのも事実です。私も決めつけるのではなく常にベストを考えていきたいと思います。

MaaSは繋がってこそ真価を発揮します。その繋がりを日本流マナーで構築させるのも世界に対するアドバンテージと言えるのではないでしょうか。

最後に、決してボランティアを否定するわけではありませんが、今回のブログにおいてはボランティアによるライドシェア運用は切り離してくださると幸いです。話の内容がまるで変ってしまうので…。