トヨタが提案するサブスクリプションサービス

2020年9月23日

いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。

突然ですが、サブスクリプションサービスとは日本語で定額制を意味します。

カーシェアリング・ライドシェアの急速な普及・流行に伴い、日本国内でもクルマを所有することに対する価値観が大きく変わってきました。自家用車を所有せずとも自家用車での移動を実質可能としている中で、トヨタ自動車は定額制とも言えるプランを打ち出しました。今回はその内容をご紹介します。



トヨタが設立した新会社『KINTO』

トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、人とクルマとの新しい関係を提案する愛車サブスクリプションサービスの運営会社として、100%子会社のトヨタファイナンシャルサービス株式会社と住友商事株式会社グループの住友三井オートサービス株式会社の出資のもと、新会社「株式会社KINTO」を設立いたしました。

参考:トヨタ・グローバル・ニュースルーム

参考:株式会社KINTO

ご覧の通り、トヨタ自動車がKINTOという新会社を設立したのですが、このKINTOが提案するサービスがサブスクリプションサービスです。そしてKINTOが提案する定額制プランには大きく分けて2種類あり、詳細は下記に記載されていますが、36か月間対象のトヨタ車1台を乗り続けることができる「KINTO ONE」と、36か月間で6種類のレクサスを乗り継ぐことができる「KINTO SELECT」です。

特徴的なのはどちらのプランも車両代はもちろんのこと、登録諸費用、各種税金、メンテナンス費用、任意保険料、自動車税すべて含まれているという点です。

任意保険も含まれているという点については誰が契約しても同額で、今まで任意保険を継続契約している契約者は一時凍結(もしくは解約)の手続きが発生することを意味します。

若い世代は任意保険料が高いという傾向にあるので、多くの若者の不安材料を一つ取り除くことが可能です。しかし月の走行距離は1500㎞までとしており、過走行分は別途支払いが発生するとしています。

それでは各プランの詳細を追ってみたいと思います。


トヨタのクルマ1車種を36か月乗り続ける「KINTO ONE」

最初にご紹介するのがトヨタのクルマ1車種を36か月の間乗り続けるKENTO ONEです。対象の車種と月の支払額を以下にまとめます。

【各車種の月額料金(ボーナス払いも選択可)】
プリウス…税抜46,100円~55,400円(税込49,788円~59,832円)
カローラスポーツ…税抜49,500円~58,700円(税込53,460円~63,396円)
アルファード…税抜79,000円~92,000円(税込85,320円~99,360円)
ヴェルファイア…税抜75,000円~88,000円(税込81,000円~95,040円)
クラウン…税抜90,000円~99,000円(税込97,200円~106,920円)

参考:トヨタ・グローバル・ニュースルーム

仮に契約をすれば上記の月額料金以外に発生する費用は駐車場代とガソリン代程度でしょうか。月の走行距離も規約で決まっているので、月の出費額がほぼ明確化されるのが大きなメリットです。また、月の支払額が決まっているということは面倒な商談に精を出す必要もないということです。

契約開始日=納車日(トヨタへ確認済み)となりますが、では36か月後…つまり3年後はどうなるのかについて確認してみたところ、それまで利用してきたクルマの購入は出来ません。

考えられる選択肢は「KINTOを再度契約して次のクルマに乗る」「他のクルマを購入する」「クルマに乗るのを辞める」となります。つまりKINTOを契約利用している間は所有車としてではなく、使用車としてクルマをキープすることになります。

KINTO ONEは東京エリア(一部店舗を除く)で3月1日より申し込みを開始するとしています。


レクサスが提供する6車種を半年ごとに乗り換える「KINTO SELECT」

KINTO ONEはありそうでなかった新提案と見れるのですが、もう一つのプランは度肝を抜かれた思いでした。それがレクサスを半年ごとに乗り換えることができる「KINTO SELECT」です。

対象車種はES300h・IS300h・RC300h・UX250h・RX450h・NX300hの計6車種ですが、この6車種を半年ごとに新車へ乗り換えるというプランです。6車種×6か月、36か月で全ての車種に乗れると見受けられそうですが、あくまで半年ごとに新車へ乗り換えるのがルールですので、例えばUX250hを6台乗り継ぐことも可能です。もちろん36か月かけて6車種全てに乗ることも可能です。1車種を半年というルール以外の選択は自由です。

気になる月額料金ですが、KINTO SELECTの場合は税抜180,000円(税込194,400円)となっています。レクサスへ問い合わせたところ、各車種におけるグレード・ボディカラーは予め決められています。主なボディカラーはホワイトとしているそうです。

KINTO ONE同様、最初の納車日から36か月後は「KINTOを再度契約して次のクルマに乗る」「他のクルマを購入する」「クルマに乗るのを辞める」となります。こちらも当然使用車としての扱いです。

KINTO SELECTは2月6日より東京エリアでサービス申し込みを開始しています。こちらは法人契約も可能としています。



流行を受け入れるトヨタの姿勢に脱帽

自動車業界は「100年に1度の変革期を迎えている」と言われていますが、カーシェアリング・ライドシェアの急速な普及・流行により、個人がクルマを所有する価値観も大きく変化しています。

トヨタ自動車の素晴らしいところはこうした世界的な流行を否定することなく、むしろありのままに受け止め、かつ消費者の更なるニーズを提案する底力にあると言えます。

その根拠の一つに、最低価格のプリウス以外にDCM(データ・コミュニケーション・モジュール)を装備させます。これはDCMからのデータをトヨタのMSPF(モビリティ・サービス・プラットフォーム)とやり取りをさせ、利用者の走行状況を把握。安全運転やエコ運転、メンテナンス履歴をポイント化させる仕組みです。

そしてなんと、そのポイントを支払い分に充てることができるとしています。これはトヨタが安全運転やエコ運転に対して明確なインセンティブを与えることを意味します。

これは私の予想ですが、この走行状況を自動運転モジュールの実装データとして反映させると推測します。つまり安全運転やエコ運転に対するインセンティブと同時に、走行状況のデータ提供による情報に対する対価でもあるのです。さらにこれらのデータがある程度蓄積されれば、他のトヨタ・レクサスオーナーへ有益な情報としても提供できるでしょう。

いずれにしろトヨタ自動車の狙いは多岐に渡ると言えるのですが、根本的な狙いは若い世代に対する自動車価値の明確化と提案であり、次世代の顧客の創出と見れるでしょう。

私はKINTOという名称を「均等」を意味する造語と思っていたのですが、公式では「必要な時にすぐに現れ、思いのままに移動できる【筋斗雲】をイメージした名称」だそうです。

まずは東京エリアでサービスを展開、今秋を歯切りに対象車種やエリアを拡大するとしています。