いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。
2016年から首都高速3号渋谷線下り方面・渋谷入口(※1)の新設工事が進められています。共用開始は2018年度内(つまり2019年3月まで)を予定と報じられています。
実際に私が首都高速株式会社へ問い合わせたところ、「(共用開始は)2019年3月を予定しています」という返答をもらっています。
しかし昨日(2019年2月24日)に渋谷入口近辺を訪れた際に工事状況を覗いてみると、「3月までの共用開始には間に合わないのでは…」と思いました。
今回は進捗状況を踏まえて渋谷入口の存在意義をまとめます。なお、今回は下り線を主軸にお伝えします。
※1…首都高速の出入り口のことをランプ・ICなど人によって呼び方が異なりますが、今回は『出入り口』とします。
渋滞路線筆頭の六本木通り・玉川通り
六本木通りと青山通りの合流地点。長蛇の渋滞も日常茶飯事だ
首都高3号渋谷線は都心環状線谷町JCT(ジャンクション)から渋谷駅の真上を抜けて東名高速に接続する日本の大動脈を構成する路線の一つです。アジアハイウェイ1号線「AH1」の一部として機能していることからもそれが伺えます。
並走する主な一般道路は六本木通り・国道246号線(青山通り・玉川通り)です。特に六本木通りから玉川通りにかけては用賀一丁目交差点までは真上を走行します。都心環状線を含めると霞が関から用賀に至るまでほぼ並行していると言っても間違いありません。
そのため「わざわざ首都高に乗らなくても…」というドライバーも少なからず存在しているのですが、渋滞の理由として挙げられるのは、交通量の激しい六本木エリア、再開発で工事だらけの渋谷、渋滞のポイント箇所び一つである三軒茶屋、無理やり右折を可能としいる第3レーンの存在、沼津へ通じる国道246号線そのものが大動脈路線として機能している…など、私の知る限りでは渋滞路線筆頭の放射路線(※2)です。
ちなみに、玉川通りとは国道246号線・渋谷警察署前~新二子橋の区間を呼びます。
さらに国道246号線は横浜・港北ニュータウンエリアへ接続する国道でもあり、満員電車ランキングトップクラスの田園都市線とも並走しているので交通量が多くなるのも当たり前なのです。
※2…都心から郊外へ放射状に延びる道路を放射路線。山手通り、明治通り、環七など東京中心・周辺を円を描くように機能している道路環状線と言います。
長年要望があった渋谷入口の新設
参考:首都高速株式会社
特に六本木通りの渋滞は私もタクシードライバー現役時代には頭を抱えていました。その分首都高速や迂回を進めていたりしていましたが、「なぜ首都高の入口がないのだろう…」と長年疑問でした。
今にして思えばおそらくスペースの余裕がなかったのだと思います。
首都高と並走する六本木通りと玉川通りですが、東名高速方面へは霞が関入口を過ぎた後は池尻入口まで首都高速へは接続できません。その距離は約7キロ。この霞が関~池尻の間に六本木・渋谷エリアが存在します。
渋谷には六本木方面からも神奈川県方面へ向かうクルマが集まってきます。このため慢性的な大渋滞を起こしてしまうのです。
「せめて六本木エリアのクルマが渋谷エリアの手前で首都高へ入れれば…」という声に応えてくれるのが新設される渋谷入口ということです。
参考:首都高速株式会社

渋谷二丁目交差点から渋谷警察署方面を臨む
渋谷入口新設の場所は六本木通り渋谷二丁目交差点です。青山・恵比寿エリアからも容易に利用できるのですが、実はこの近辺からの渋谷入口の存在価値が高まる理由は、東名方面へのアクセス向上だけではありません。
渋谷入口の完成予想図
参考:首都高速株式会社
羽田空港方面・東北道方面へのアクセス向上
仮に渋谷入口が新設されて利用してみると想定しましょう。渋谷入口から首都高へ流入して本線と合流するとまず現れるのが渋谷出口です。面白いことに同名の出入り口を連続利用することができる構造でもあるのです。これは上り線も同様です。
渋谷出口を過ぎるとすぐに大橋JCTです。大橋JCTは首都高速中央環状線と接続していますが、内回りが湾岸線・羽田空港方面、外回りは西池袋・5号線・東北道方面です。これは都心環状線を経由しなくても各方面へ向かえるようになったことを意味しますが、交通量が多く見通しも良くない都心環状線を回避できることは非常に大きいと言えます。
参考:首都高速株式会社
特にタクシー目線で見ると、中央環状線・五反田出入口が東北道方面基準のハーフインターということもあり、ようやく青山・恵比寿エリアから都心環状線を介さずに羽田空港方面へ向かうことができるようになります。最悪下道でしたからね…。
本当に2019年3月に間に合うのか…
実際に昨日(2019年2月24日)に工事現場を訪れましたが、私の印象としては「間に合わないのではないか…」でした。
画像は渋谷入口新設予定地の現場ですが、工事予定を見ると平成31年2月28日までとあります。

これが…

こうなるまであと数日…?
ここだけ見てもちょっと間に合わないのではないか…と思うのです。
さらに本線へ合流するまでを見てみましょう。
現場を見る限りでは本線への合流車線も出来上がっていないように見えます。また、渋谷二丁目から渋谷警察署手前の青山通りとの合流にかけては、渋谷入口新設に伴い3車線道路だったところを2車線道路に縮小されています。これは仕方のないことですが、なおのこと渋滞緩和のためにも早期新設を望みたいところです。
果たして2019年3月共用開始に間に合うのでしょうか…。
今のところ、私が調べた限りでは正確な情報は出回っていません。依然として2018年度内共用開始予定とあります。
こちらは渋谷警察署前からの画像ですが、ご覧の通り渋谷エリアの再開発が進んでいます。通勤時間帯や終電後のタクシー需要のピーク時間帯は工事による著しい渋滞が続いています。
もちろんこれからの都市発展のためには避けて通れないものではあるのですが、渋谷エリアの渋滞を緩和させる意味でも、首都高渋谷入口の早期供用開始を求めたいと思います。
共用開始時期が判明し次第またお知らせします。ドライバーの方は時々チェックされることをお勧めします。