私鉄各社の『移動』に対する取り組み ~京王線~

2020年9月25日

いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。

最近はほぼ毎日CREWの否定的・批判的な内容ばかりなので、たまには前向きな内容をお届けしたいと思います。



私鉄各社の移動に対する取り組みシリーズ

小田急線…特急ロマンスカー・ホームウェイを利用

私鉄各社の『移動』に対する取り組み ~小田急線~

京急線…遠近分離で横浜を通過。歴史ある京急ウィング号を利用

私鉄各社の『移動』に対する取り組み ~京急線~

 

東急線…田園都市線は並行している道路を活用。たまプラーザはMaaSの最先端実験エリア

私鉄各社の『移動』に対する取り組み ~東急田園都市線~

このように過去数社を取り上げてきましたが、今回は京王線を取り上げたいと思います。



京王線

京王ライナーとは

画像出典:京王電鉄

京王ライナーは、2018年2月22日に運行を開始した京王線初の座席指定列車です。

運行形態は主に2系統に分かれており、新宿ー京王八王子間(京王線)と新宿ー橋本間(京王相模原線)です。

新宿を出ると次の停車駅は京王線は府中、相模原線は京王永山となっており、遠近分離に基づいた運用であることが想像できます。調布の通過は話題になりましたが個人的には正解だと捉えています。

画像出典:京王電鉄

車内はこのような感じ。実際に乗車してみましたが、車内はブラウン調でまとめられており暖かく落ち着いた空間を演出しています。天井の電光は蛍光灯が見えないよう配慮されており、関西私鉄の車内に近い雰囲気を醸し出しています。

気になったのはシートの出来でした。私は後述のダイヤ、20時30分発の京王ライナー3号橋本行きに乗車したのですが、座面こそは悪くなかったものの背面が少々硬いかなという印象です。まぁ乗車時間は京王八王子・橋本共に40分以下なのでさほど気にならないとは思います。

各座席にはコンセントが備わっているのでスマホの充電には便利です。パソコンの充電も可能ですが作業には周囲への配慮が求められるでしょう。


平日の運行

『京王八王子』方面時刻表

画像出典:京王電鉄

『橋本』方面時刻表

画像出典:京王電鉄

平日は通勤ラッシュの時間帯から深夜帯まで幅広くカバーしています。私が乗車したのが京王ライナー3号橋本行きでしたが、1号・3号共に満席でした。

ちなみに奇数番号が与えられているのは下りを示してることと、2019年2月22日(金)より朝の時間帯に上り京王ライナーが運行されるためと推測できます。つまり運行当初から上り京王ライナーが検討されており、先ずは帰宅用の下り京王ライナーで認識度と定着率を高めていたのでしょう。


土日休日の運行

『京王八王子』方面時刻表

画像出典:京王電鉄

『橋本』方面時刻表

画像出典:京王電鉄

通勤ライナーというと平日の運行というイメージがありますが、休日の行楽客に対する提案も怠っていませんでした。八王子・橋本といった多摩エリアから大都市・新宿へ買い物等で出かける乗客は確かに多いでしょう。帰りに確実に座って帰れるのは魅力的です。こちらも2019年2月23日(土)より上り線京王ライナーの運行が開始されます。

2019年2月22日(金)以降の京王ライナーについては詳細は下記画像からリンクできます。

画像出典:京王電鉄

実際に乗車してみて

京王線の新宿駅はめちゃくちゃ混雑しています。さすが乗降人数世界1の新宿駅。その実績は京王線にも表れています。この時点で『座って帰れるんだぁ』という気持ちは優越感そのものと言えるかもしれません。

しかし京王線新宿駅のホームはお世辞にも広いとは言えません。天井も低く圧迫感もありますので券売機での直前購入はあまりお勧めできません。京王線ユーザーはウェブサービス(京王チケットレスサービス)で事前購入をされることをお勧めします。需要も高いようで、私が確認できた1号と3号は発車時刻20分前には完売となっていました。

チケット料金は400円(大人子供同額)。新宿から京王八王子までの運賃が360円、橋本までの運賃が420円を思うと個人的には少々高いかなと感じます。ちなみに座席指定件無しで乗車すると車内料金700円が請求されます。

京王ライナーが入線したので車内に乗り込みます。音量が大きめな専用BGMが流れていますが発車すると消えました。簡単な案内放送が流れますが好印象だったのが「それでは短い時間ではございますが、どうぞごゆっくりおくつろぎください」という言葉。乗車時間が40分以下で400円なので割高と感じる方もいるかもしれませんが、こういう一言ってとても大事ですね。

京王線は府中から、相模原線は京王永山から座席指定席券なしで利用できます。京急ウイング号の上大岡と同じ扱いです。調布通過が正解と感じたのはこの部分で、調布から自由席扱いとすると400円という料金に不満が大きくなるでしょう。所要時間も40分を超える可能性が生じます。調布から着席目当ての利用客も多くなるでしょうからここは切り分けて正解だと言えます。


京王VS小田急

新宿から多摩方面へ向かう鉄道は京王線だけではありません。小田急線にも多摩方面へ向かう小田急多摩線が運行されています。

多摩線を走る特急ロマンスカーは2016年3月25日をもって定期運用を廃止されてしまいました。利用者数が見込めなかったのでしょう。これは新宿から多摩エリアへの座席指定列車が存在しなくなったことを意味します。

そもそも新宿~永山・多摩センターは京王線の方が安く、時間も数分早い、乗り換え率も少ないことからどちらを選ぶかと聞かれたら多くの乗客は京王線を選択しているでしょう。定期券ならなおのことです。

小田急線が強いのは東京メトロ千代田線へ直通運転をしている点です。千代田線は明治神宮前(原宿)、表参道、赤坂、霞が関、大手町(東京)…西日暮里、常磐線(緩急)へと繋がっています。京王線も都営新宿線に直通運転をしていますが、線を辿ると利便性は千代田線に分があると思います。

八王子へはJRの中央ライナーが運行されていますが、多摩センター方面は満員電車の利用を余儀なくされていたのです。そういう面でも京王ライナーの登場は大きな意味があるのかもしれません。

余談ですがJR中央線にはグリーン車の登場が予定されています。


MaaS無しでは見込めない地域活性化

東京都心・新宿と多摩エリアはそれほど交通の便が良いとは言えません。中央自動車道も調布・稲城・府中・国立府中とICこそ目立ちますが多摩ニュータウンエリアへはそこからクルマで早くても20分はかかります。

鉄道はここまでお伝えしている通り、多摩線直通ロマンスカーは利用者数が見込めず廃止(ロマンスカー利用者は新百合ヶ丘で多摩線へ乗り換え)、座席指定列車が約2年存在しておらず快適性に難ありでした。

高齢化が進む多摩ニュータウン。私は多摩へ通学をしていましたので愛着こそありますが港北ニュータウンとは違った結果になってしまった感は否めません。若い世代を呼び込む・定着させるためには快適な移動手段の存在が必要不可欠です。今後の地域活性化はMaaS無しでは見込めないでしょう。