私鉄各社の『移動』に対する取り組み ~東急田園都市線~

2020年9月25日

いつもご覧くださりありがとうございます。

今回は混雑率が常にトップクラスに君臨している東急田園都市線を取り上げたいと思います。

調べてみたところ、最も混雑する7時~8時台、池尻大橋~渋谷で混雑率185%だそうです。これは車内で折りたたむなどの無理をすれば新聞が読めるという180%を上回る混雑率ということになります。

私は地元が横浜市都筑区で、高校時代は田園都市線を利用していたのもあり思い入れの深い路線でもあります。そういえば、記憶が正しかったら当時の初乗り運賃は110円だったなぁ。。

渋谷がお膝元の東急電鉄。有料特急や通勤ライナーの運行を行っていない田園都市線はどのような対策を講じているのでしょうか?



東急田園都市線

実は頑張っている

田園都市線は東京・渋谷~大和市・中央林間を31.5㎞で結ぶ中距離路線です。その沿線の性質上、観光利用よりも住民の足としてのイメージが根付いています。並行している主な道路は国道246号線、首都高速3号渋谷線、東名高速(東京~横浜町田)です。

田園都市線だけで見ると大した距離ではなさそうですが、東京メトロ半蔵門線、東武線への直通運転を行っている関係で行き先が南栗橋久喜の運行もありなかなかエグイ距離を走っています。その距離は中央林間~南栗橋で98.6㎞、中央林間~久喜で94.9㎞です。

東急大井町線が大井町~溝の口で運行されていますので、二子玉川~溝の口は実質複々線区間となっています(二子新地、高津は通過)。

大井町線直通を除き、全ての種別に20m級の車両10両編成で運行しているなどできることは頑張っている印象です。

しかしそれでも混雑しています。それは上でも述べている通り住民の足としてのイメージが強いからです。逆に言えばオフピークの時間帯は急行でもほぼ座れるのですが、東京都心を突き抜ける直通運転、大井町線へのアクセスが良好のため非常に価値ある路線として機能しています。

余談ですが、大井町線では有料座席指定サービス『Qシート』の取り扱いを開始しています。行き先が長津田なので田園都市線にも直通しています。


電車が厳しいならバス(道路)を使う

田園都市線の面白いところは、東名高速や首都高速、一般道では国道246号線とほぼ並行しているところです。

これに目を付けているのか、このよう取り組みを行っています。

画像出典:東急電鉄

詳細はリンク先をご覧頂きたいのですが、(上馬、中里)三軒茶屋から渋谷までは電車ではなくバスの利用を促しています。この区間の田園都市線は国道246号線の地下を走るためルートは全く同じと言えます。

しかもこの区間、国道246号線はバス専用レーンが存在します。

対象時間帯も平日の午前7時~9時30分と完全に通勤ラッシュ対応としています。このバスの乗車券を青葉台・あざみ野・鷺沼・溝の口・ニコタマ(二子玉川)・三軒茶屋・渋谷といった田園都市線の主要駅で配布しているなど、周知徹底とターゲットの明確化を行っています。

では、同じ主要駅の一つであるたまプラーザは?


電車を使わない通勤移動を提供…田都の新たな価値

一部はあざみ野エリアと言えるかもしれませんが、たまプラーザエリアでは『通勤高速バス・TOKYU E-Liner』を運行しています。

虹ヶ丘・すすき野・美しが丘西・犬蔵…などと言われてもイメージが湧かないと思いますが、私みたいな酔狂な人間でもない限り、駅まで歩こうなどと考えられないような地域です。ましてや通勤・通学で歩いて駅に向かう人は皆無でしょう。

つまり満員電車に乗る前に満員バスに揺られて駅へ向かうという状況です。

そのため、家族がクルマで駅まで送っているので慢性的な渋滞も発生しています。

そこで一つの解決策として打ち出したのがE-Linerの運行でしょう。上記のエリアから池尻大橋・渋谷まで座って通勤することができます。おそらく東名川崎から東名高速、そのまま首都高池尻まで走行すると思われますが、これは東名高速と首都高速とほぼ並行しているかつ通勤ライナーを走らすことができないであろう田都ならではの提案と言えそうです。(田都=市線)

運賃は現金で大人720円(小児360円)、面白いのはICカード割引で大人620円(小児310円)としている点です。デジタル対応を普及させることにより今後のMaaSへの取り込みを意識していると考えられます。

実際に面白いニュースが飛び込みました。

完全に他の媒体の記事からになりますが、東急電鉄が「郊外型MaaS(Mobility as a Service)」の実証実験を2019年1月下旬から開始するとあります。

その内容が、

新たな通勤サービスとなる「ハイグレード通勤バス」、地域の利用者ニーズに応じて運行する「オンデマンドバス」、1~2人乗りの「パーソナルモビリティ」、駐車場の空きを活用した「マンション内カーシェアリング」という4つの移動サービスの実験が行われます

となっており、この大規模実験エリアがたまプラーザエリアということです。特にハイグレード通勤バスは、今後の労働人口減少に伴い各鉄道会社が運行している通勤ライナー以上の価値があると言えます。

画像出典:東急電鉄
画像出典:東急電鉄

それをMaaSありきで実証実験をしてしまう東急の強さが伺えます。ブランド価値を高めると共にそもそもの自信がなければできないことです。

しかも…これは批判覚悟で申し上げますが、このエリアはお金持ちが多いです。私もタクシー時代に何度もお送りしているエリアですが、横浜市への対応で数えるとこのエリアへお客様をお送りすることが断トツに多かったと記憶しています。

きっと新サービスの提案、実証実験にも寛容なエリアでしょう。自身のエリアの今後の価値をよくわかってらっしゃる。

たまプラーザ駅という立地で見ても、通勤時間帯はまず座れません。座れる頃には渋谷です。そういう意味でもこの地区で通勤高速バスを企画した方は地域の声に耳を傾けている方なのでしょう。目の付けどころが東急です。



まとめ

このように、通勤ライナーとは別の施策を提案しているのが東急電鉄の特徴で、それは田園都市線に並行している道路や高速、沿線にお住いの方の特徴や事情を取り入れた最先端とも言える解答を打ち出しているのです。

ちなみに、終電後の救済として渋谷から『深夜急行バス』の運行にも力を入れています。

画像をクリックで詳細へリンクできます 画像出典:東急バス

あざみ野からは新百合ヶ丘まで横浜市営地下鉄ブルーラインが延伸することが決まりました。

画像をクリックで詳細へリンクできます 画像出典:横浜市営地下鉄

私が子供の頃から言われていた話ですが、そういう面でもたまプラーザ・あざみ野エリアは激アツかもしれません。

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