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移動の付加価値を考察

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いつもご覧くださりありがとうございます。溝口将太です。

2月1日(金)の20時からCREWが復活となりますが、今回はCREW再開前にみなさんに考えていただきたいことをお伝えします。

移動の価値

鉄道

付加価値という言葉。独自の解釈ですが業種・環境・受け手の心情や事情で大きく変動するものだと思っています。

こと移動に関しては形として存在しないサービスでありながら、誰もが人生に密接に関わっているサービスです。価値はある程度固定されていると思いますが、付加価値は定義することが難しい非常にデリケートなものです。

みなさんは鉄道を利用したことはあると思います。私の思う中では最も効率よく長距離を移動できるサービスだと感じています。今回の長距離とは徒歩と比較してと思ってください。

例えば東京~大船。距離は線路で46.6㎞。JR東海道線で800円、所要時間はダイヤにより異なりますが普通電車で46分ほどです。時間もある程度正確に読めることが鉄道の大きな価値と言えます。

クルマで東京~大船間を46分、800円で向かうなど不可能です。時間だって私は夜中でない限りどれくらいかとも言えません。予想はできますが。

さらに通勤需要に応える形で運行されているのが通勤ライナーである湘南ライナー(一部の運行は大船を通過)です。510円のライナー券を別途購入すれば着席保障を受けて移動することができます。所要時間も基本的には普通電車より早いです(速いとは限りません)。

ここで鉄道における移動の価値と付加価値について見てみましょう。

東京~大船800円。これが移動の価値です。商品でいう価格にあたり、鉄道を利用しての移動の対価と言えます。これを運賃と言います。

運賃は移動の価値そのものと言えますので、定刻で運行しようが人身事故などで2時間以上遅れようが必ず支払わなければなりません。移動したという事実は変わらないからです。

これはライナー券も同様です。通勤ライナーはあくまで着席を保障したサービスですので、遅延による返金はありません。

少々余談ですが、返金が発生するケースが特急料金です。JRにおける特急は速達性も対価に含まれていますので、2時間以上の遅延が発生した場合はその対価を損ねると判断され返金に応じるとしています。そういえば特急料金は目的地により価格も変動しますね。しかし特急料金は運賃とは言いません。

では付加価値についてです。今回はJR東海道線・普通電車の利用がベースになりますが、『目的地へ快適に移動できる』という付加価値を提供しているのが通勤ライナーということになります。

『目的地へ早く(速く)快適に移動できる』という付加価値を提供しているのが特急ということになります。

しかしこれは提供している側の言ってしまえば宣伝文句なのです。受け手側がどう感じるかで付加価値の定義も変わってしまいます。

例えば特急踊り子…私は大好きですが国鉄時代の車両(185系)で運行されています。まぁボロなんです。中央線の特急スーパーあずさ(E353系)などと比べるとうるさいしこれで同じ特急料金かよと言いたくもなります。挙句の果てに京急快特に抜かされるもんなら特急券を投げ飛ばしたくなりますww

ですが湘南ライナーで文句を言う人は皆無です。同じ185系(一部例外有り)ですが、通勤ラッシュの時間帯をライナー券510円を追加するだけで座って帰れるのです。特急とは違った価値観が芽生えているのでしょう。確かに横浜を通過する様は圧巻です。降りた頃には「座って帰れてよかった」とJRの提供する付加価値を受け取ってくれていることでしょう。

例えが極端ですが、これが受け手側の心情です。これを読んで特急踊り子をいいイメージで捉えている方は185系が大好きな方くらいです(笑)

つまり移動における付加価値とは、提供する側と受け手側がある程度マッチしなければ認識・成立しないということになります。『ぼったくり』という言葉が真逆を指していると思います。

タクシー

ではタクシーについて見てみます。

先日CREWの講習会に行ってきました。内容は記述できないのでここでは避けますが、苦言を呈したのは「タクシーは料金が決まっている」という発言に対して。タクシーは料金加算のルールこそ決まっていますが、支払い料金は一定ではありません。

例外として羽田空港・成田空港・ディズニーリゾートへ向かう際はエリア毎に予約利用に限り定額運賃として定められています。逆は口頭で伝えれば定額となります。

何度かブログで扱っていますが、タクシーのメーターに表示されるメーター料金…これは運賃という扱いです。乱暴運転だろうが遠回りだろうがいつもより時間がかかろうが、メーターに表示されている運賃は計上しなければなりません。誰が払うかは別の話なのです。

乱暴運転や遠回りはほぼクレーム案件になりますが、時間がかかったという事案については利用者のある程度の理解が求められます。クルマの移動に絶対はないからです。まぁ鉄道もそうかもしれませんが、正確性ではクルマは鉄道に敵いません。

ここでも運賃=移動の価値と言えてしまいます。しかし鉄道ほど100%受理できるかというと利用者目線ではそうもいかないところが難しいのです。

「前の方が早くて安かった」と言われても「当たり前です」となる場面もたくさんあるのです。私はそういう方にはぜーんぶ説明して納得してもらいました。

ちなみにタクシーにおける料金とは、予約料金や迎車料金、高速料金と言った予め決まっている利用方法に対する対価です。便宜上、請求額をタクシー料金としています。

タクシーって金額だけで言えば、鉄道やバスと比較すると高級な移動手段なのです。

そしてタクシーにおける付加価値ですが、これはもうバラバラです。ある程度共通しているのが親切な対応。そこから先はエリア・客層・利用者の状態で大きく変動します。

例えば丸の内からビジネス利用で六本木までの利用があったとしましょう。丸の内~六本木まで2千円弱。これが運賃=移動の価値です。

私なら安全第一を前提に速達性重視の対応を取ります。誰よりも早く、できれば安く…といったところです。

この付加価値の提供は意外と簡単に伝わります。「いつもより早くて安くてよかったよ」と声をかけてもらえると付加価値のマッチが証明されるのです。

一方、東京駅~葛西までご老人の方が利用された場合。運賃は4千円台だと思いますが、求められるものは速達性よりも高度な安全運転だったりします。

それも伝わります。「丁寧な運転で快適でした」と言われれば付加価値の提供はマッチできたということになります。仮に前回利用より少し高くても文句など絶対言われません。

このように付加価値の提供のコントロールを求められるのがプロドライバーなのです。私はこのことをよく乗務員に伝えていました。コミュニケーション能力を鍛えれば自然と身につくスキルです。そして実践するためにはある程度の知識・技術が必要になります。

もちろん最終目的はチップでした(笑)

こうじゃなきゃ面白くないですからね。実際いい思いもしました。酔っ払いでしたが「お兄ちゃんいい人だからお小遣いあげちゃう!」と言いながら5万円くれた人も…。

CREW

そしてCREWです。

私たちCREWドライバーはライダーに謝礼の強要はできません。CREWにおける移動の価値とも言える手数料は運営の取り分です。実費としてガソリン代・高速代をいただくわけですが、それはあくまでライダーの使用料です。

しかしそれだけがクルマでの移動の価値と言えるのでしょうか?

私は鉄道の移動を今回は徒歩と比較しています。鉄道は大量輸送を可能としているから数百円での長距離移動を実現しています。

ではタクシーは?日中は初乗り1052mまでノンストップで410円です。これが移動の価値として認められているのです。

それを30㎞の移動に対して謝礼100円だなどと私は常識を疑います。

CREWはタクシー以上に顧客満足度は変動するでしょう。ここも運営に指摘した部分ですが、ある日のドライバーは良くて、別の日のドライバーは最悪だった…当然あり得る話です。

クルマの性能差は仕方ありません。ライダーはそれを前提でCREWを利用するべきです。しかし我々ドライバーは運営や仲間と話し合い、どうすればより満足してもらえるかを常に考えています。もちろんその分謝礼という結果に表れてくれれば嬉しい限りです。

CREWにおいては付加価値がベースになりつつあります。もちろん私たちは常に努力します。さらなる付加価値の追及を続けますが、どうか利用者のみなさんは比較するベースをよく考えて価値を見極めていただきたい。そんな思いで再開しようと思います。

最後はお金の話で申し訳ありませんが、サービスの続行・発展のためにご一考くださると幸いです。

MaaS…ダテにサービスという名を冠しているわけではありません。

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